以下、現状までのサマリ報告
1、飯山市がたてた事前計画とそれに合意していた河川事務所
今回の水害は飯山市がたてた「皿川樋門開けっ放し」という、「それまでの10年間はそうやってこれた方法」を「何の疑いもなくまた採用した」という所に「基本的なミス」がありました。
そうしてその飯山市の計画に「千曲川のプロであるはずの河川事務所」が「その計画ではだめだ」と指摘する事もなく同意したのが「河川事務所のおかしたミス」です。
上記2者の間で合意されたのは、「皿川樋門は開けっ放し」でかわりに「日光川・今井川に事前にポンプ車3台を配置しておく」という内容でした。
さてそのように準備していたのですが台風19号の規模は事前の想定を超えていました。それは千曲川上流域ではやばやと氾濫が発生していた事を見ればよく分かります。
しかしながら、飯山市も河川事務所も「上記の様な事実を確認しても、皿川樋門開けっ放しプランを変更する事はなかった」のでした。
その結果、皿川の水位は上昇し、左岸、右岸からほとんど同時に越水しました。
2、右岸越水によって皿川堤防は破壊した。
右岸越水後2時ほどで皿川堤防は決壊しました。
決壊場所は右岸堤防とJR線路の接続部分、その場所が一番堤防の高さがひくく、そしてまた堤防の川に面する法面は耐水化されておらず土のままでしたから、簡単に「越水していく水によって削り取られ」2時間で決壊に追い込まれました。<--これを「洗掘現象」といいます。
皿川堤防にあったこのような「2つの弱点」、その存在を長野県は承知していたのですが、飯山市は知りませんでした。
「皿川堤防は県の管理」として「県にその責任を放り投げて」自分の管轄するエリアの重要水防箇所である皿川堤防の事を一切知ろうとしなかったからです。
その事は飯山市が作った地域防災計画・風水害編の重要水防箇所にこの場所の記載がない事でわかります。
現在、皿川堤防は県によって弱点の一つであった「耐水化なしの状態」は改善され、コンクリートで耐水化された法面を持っています。
しかしながら「JR線路との接続部の高さが低い」という「2つ目の弱点」はそのまま残っています。
3、堤防決壊によって起きた事
さて、皿川樋門が開いていましたから、皿川堤防決壊場所から市街地に流れ出した泥水、最初は皿川上流からの水でしたが、千曲川の水位が上昇するにつれてその主成分は「千曲川からの逆流泥水」となりました。
それが市内全域に流れ出し、市役所を泥の中に沈めた「張本人」でもあります。
そうであればこそ、「あれほどの粘着力を持つ大量の泥」が市役所周辺に存在したのですよ、飯山市の職員諸君!!
君たちが格闘した泥は「千曲川の泥」だったんだよ。
これが市長の足立さんが隠している事実です。
そうしてまた市内全域に流れ出した水量も「皿川起因とするには相当に無理がある水量」でした。
その事もまた「千曲川からの逆流とその水が皿川堤防決壊場所から市内への流れだした事」を証拠立てています。
そうであれば「いまだ公開されていない、長野県が作成予定の皿川氾濫対応のハザードマップ」が楽しみです。
いったい皿川起因の水だけで、市内がどれほどの水深となると長野県は計算してくるのか?
それとも、そんな計算はせずに、単に今回の実績をそのままマップ化しただけなのか?
長野県さん、その事については注目しておりますよ!!<--これ、まだ出てきていません。(2020/9/30)
4、現状の 国(河川事務所)、県(建設事務所)、飯山市のそれぞれのスタンス
こうして国、県、市ともにそれぞれ「すねに傷を持つもの」となっていた事がわかります。
まあそれでも、少なくとも「長野県は誠実に事に対応してくれている」様にみえます。
但し長野県に要望したいのは「なぜあのような弱点を2つも持つ皿川堤防を、その様な状況で放置していたのか」その経緯の説明を行って欲しい、という事です。
許せないのは河川事務所と飯山市です。
河川事務所は「台風が襲来している時に樋門を開けっ放しで堤防を決壊させ市内を水浸しにした事実」が公開される事を拒み、「いいや、皿川樋門は閉めました」と「虚偽の報告」をしています。
飯山市はそもそも「皿川樋門開けっ放しプラン」の立役者であるから、これもまた「樋門が開いていて、そのために千曲川の水が市内に流れ出した」という事を知られる事を避けたい。
こうしてこの2者は「利害の一致をみた」ので、そのように「口裏をあわせて」今に至っています。
これが今回おきた水害の真実の姿であり、飯山市と河川事務所が行っている「隠し事のもっとも重要な点」です。
5、飯山樋管と栄川樋管、それから飯山水位観測所での水位観測について
飯山樋管、栄川樋管は今まで閉じられたことがなかった。
そうして、雨水排水ポンプ場を動かす時にはポンプ場の内水ゲートを下げて、ゲート開けっ放しの栄川樋管を通じてポンプアップした水を千曲川に放出するらしい。
ただしポンプ場の貯水池の水位がいくつになったらポンプを稼働させるのか、そうしてまた「超えてはならない貯水池の上限水位はいくつなのか」という情報は公開されていません。
その事に関連して、2020/7月に飯山を襲った土砂降りの時に上町地区で浸水被害が発生した。
この原因の一つにポンプ場を動かさなかった、という事が推定されています。
さてそれから、どうやら今までは樋門委託操作員は飯山水位観測所での水位観測員も兼業しているらしいという事もわかってきた。
国の委託業務実施中に飯山市の仕事をしている事は法的に見て「契約違反の可能性」があります。
5-2:それから市役所のHPに雨水排水路とポンプ場についての分かりやすい説明が6月18日にアップされていた。
これは「樋門・樋管の閉・開時刻についての情報公開請求」に対する回答の補足説明として開示された模様です。
そしてこのような「水防関連の設備、仕組みについての情報公開」というのは今まではほとんどされてはいなかっただけに、ウエルカムであって、今後ともどんどん進めて欲しい事柄です。
6、2020/7月豪雨時の出来事
7月に千曲川の増水があり、とがり地区にはポンプ車が出動し、また広井川のポンプ場も稼働した。
その時に日光川樋管のゲートが降ろされたのだが、左岸側のゲートが途中で引っかかって下まで完全におりきっていない事がライブカメラ映像として配信され、当方は当然ながら記録した。
さて台風19号の時にもこの場所で氾濫が記録されており、その2年前の台風の時もまた同様にそこで氾濫した。
その原因が日光川樋管の左岸側ゲートが半開きだった為である事が確定した。
しかしこの日光川樋管左ゲートの動作不良については、当方が掲示板で指摘するまでは、河川事務所を含めて誰も気が付いていない事であった。
さて、それではなぜ当方はその事に気が付けたのか??
事前に日光川樋管を訪れ、調査した当方の目には、皿川樋門、栄川樋管に共通して見られる特徴がそこに確認できたからである。
そうしてまた、今回の調査では「どうやら日光川樋管の左側ゲートの半開き不具合は解消されたようだ」という事も確認できた。
それはつまり「長年に渡ってこの場所を苦しめていた浸水被害が今後はなくなる」という事でもある。
しかしながら、こうしてみると本当に河川事務所の樋門・樋管の日常管理、メンテナンスの実施状況に疑いを持たざるを得なくなる。
さてこの日光川樋管の2つあるゲートの内、左岸側ゲートの修理が終了したかどうかについては「終了した事を確認した。」
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ただし次回、この樋管のゲートを下す必要が発生した時にまた左側ゲートが途中でひっかかって、ゲート半開きー>その場所で千曲川から逆流の発生ー>氾濫、と言う事態が回避されるのかどうかは注意深い観察が必要である。
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そうであれば「とがり地区の住民は区長をはじめとして、この事に注目している必要がある。」
追記(2021/9月):この年の8月大雨の時に日光川樋管が正常に作動し、ゲートが2つともに降ろされた事をライブカメラにて確認した。
そうしてまた、2017年の時の台風と同程度以上の千曲川水位上昇であったにも関わらず、今回は戸狩地区では浸水被害がなかったことも確認した。(この場所では2017年の台風では浸水被害が、上記日光川樋管左側ゲート半開きの為に発生していた事が確定した。)
7、市長の足立さんが県に提案した皿川堤防かさ上げの件
そういえば長野県が皿川堤防を90センチかさ上げすると本堤防の高さと等しくなる、という発表をした。
しかし地図上の標高データから計算するとそれでは60センチ足りていない事が分かる。
さらに、右岸堤防の一番低い部分はJRの線路との接続部分であるが、その場所の標高は堤防の標高よりも90センチ低い、という事が河川事務所から公表されている。
さてそうするとその低い場所は現状よりも2.4m、かさ上げする事が必要となり、その数値はまたJRの線路を2.4m高くする事が必要である、という事も示している。
さて、そのような提案を果たしてJRが受け入れるのでしょうかねえ、長野県さん??
足立さん、実現不可能な事をさも「実現できるように言う」のは止めましょう。
そうしてもっと具体的で実現可能な「皿川氾濫対策」を考えようではありませんか!!
8、新たに取り付けられたライブカメラと危機管理型水位計について
それから皿川、宮沢川、樽川にライブカメラと水位計が取り付けられた。
これにより増水時の川の映像と水位はネットでいつでも誰でも確認できる様になった。
そしてこれで実際に河川の状況を確認しながら避難行動がとれる、という事にもなったのです。
それに関連して市報にマイ・タイムラインを作ろう、と言う特集が掲載された。(2020年市報8月号)
だがしかし、堤防の計画高水位の説明もなく、それとひも付けされている千曲川の避難勧告水位9.4mについての説明もない。
これでは市民はHPで千曲川の水位の確認はできても、適切な判断で避難準備を始める事はできない。この状況は改善する事が必要です。
9、市長が議会答弁で述べた「千曲川増水時に避難勧告を出さなかった理由」について
市長は「千曲川の市街地にたいする避難勧告を出さない」と判断した大きな理由として河川事務所からの「天端には1mほどあります」という情報提供があった事をあげている。
そうしてその情報は2時に電話で受け取ったと議会答弁している。
しかしながら、河川事務所の誰かさんが「そのような個人的な感想を市長に伝えた」としても、それは河川事務所が2時58分に行った公式発表以降の事である。
そうなると市長が「2時に情報を得た」と言うのは誤りであって、実は「3時15分に河川事務所からかかってきた電話でその話を聞いた」というのが事実という事になる。
そうなると前回の議会答弁は「虚偽答弁」という事になってしまう。
それではまずいですから、足立さんにおかれましては、次回の議会冒頭で発言内容を修正される、と言うのがよろしいかと思われますが、いかがなものでしょうね、足立さん??
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残念だが9月議会で市長が発言を訂正した、という話は現状では聞いていない。
10、有尾樋管開けっ放しについての飯山市の答弁
さてもうひとつ、飯山市の説明にウソが見つかった。
有尾樋管を消防団が閉め忘れて開けっ放しで、そこから千曲川の泥水が逆流しそのあたり一面に浸水被害をもたらした。
何故消防団が樋管を閉めなかったのか、という問いに対して飯山市は「消防団はその時に市内各所で発生した出水対応で忙しかった為」と言う説明をした。
だが、有尾樋管を閉めなくてはいけなかったタイミングは10月12日の24時ごろであり、この時には市内のどこにも出水はなかった。
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つまりはこの消防団の言い訳はウソである。
そうしてこのウソは消防団が言ったのか、市役所の作文か、それとも消防団+市役所の田舎芝居なのかについては現状では不明である。
11、有尾樋管開けっ放しの件
有尾樋管も千曲川の水位が9.1mを超えるまでは開けっ放しにしていても市内側の排水路から千曲川の逆流水が氾濫する事はない。
これはつまり台風19号の2年前の台風の時も有尾樋管は皿川樋門同様に「開けっ放しで問題はなかった」という事である。
そのことはまた「ここ10年ほどは皿川樋門同様に有尾樋管も開けっ放しであった」ということである。
しかし残念な事には台風19号では千曲川の水位が9.1mを超えてしまった。
それで皿川同様に有尾樋管からも千曲川からの逆流水が有尾地区に流れ出した、という訳である。
だが有尾樋管では途中で千曲川からの逆流に気が付いて飯山市は樋管を閉めた。
しかし皿川樋門では最後まで開けっ放しだった。
この皿川樋門のオペレーションミスは本当に河川事務所のやってはいけないミスであり恥である。
そうしてそのミスを隠すために樋門操作員の報告書を作文した。
これは「恥の上塗り」の「偽装工作」であって、本来は「まともな河川事務所であるならば、やるような仕事ではありません!!」
12、まとめ・・・今回の災害は人災である
さて、以上の事から分かる様に「台風19号襲来の折には飯山では3つの場所のゲートが開きっぱなしだった」という事になる。
↑追記:修正(2020/11/17):3つの場所のゲートーー>4つの場所のゲート
その場所は
・皿川樋門 <--人の計画ミスと判断ミス(責任:飯山市+河川事務所)
・有尾樋管 <--閉める事を忘れていた (責任:飯山市+消防団)
・静間樋管 <--同上(2020/11/17追記分)(責任:飯山市+消防団)
そうして
・日光川樋管 <ーー設備のメンテナンス不良(責任:河川事務所)
である。
これだけの場所のゲートがいずれも「人のミスが原因で」開きっぱなしであれば、そりゃ飯山じゅうがあのように水浸しになるのも無理からぬことである。
以上の内容詳細については下記リンクからご確認願います。
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