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plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

年の瀬中盤/公共の場で音出し

2007年12月27日 | 音楽
早いもので、クリスマスの日が過ぎた。数日前まで街角で売られていたモミの木は、日本円で一本2000円強といったところ。




先日、約10年振りにストリートライブで演奏した。場所は42丁目、8番街と9番街の間にあるバスターミナル内、バスの発着所ではなくて切符売り場がある屋内広場。地下鉄の駅構内と比べて暖かいし、騒音レベルは数段低くなる。演奏するにはまぁまぁの環境。もちろん、途切れることがない低音量の場内BGMや、バンドの木戸銭を狙う輩には辟易するが。





小さな小さなプレゼント

2007年12月19日 | 音楽
久しぶりにミッドタウン東側にあるビストロで、ブランチタイムの演奏をした。
前々日に降り積もった雪が未だいくらか残る曇った午後だったが、まだその晩ほど冷え込んではいない。遅めのブランチ客で混み合う2時頃、4人の家族連れがバンドの正面に据えられたテーブルに着く。

そのうちの一人は6~7歳ほどの女の子。淡い栗色の髪につけたリボンと、大きな目をより印象づける赤縁の眼鏡がよく似合っていた。バンドに背を向ける席から食事そっちのけで四六時中振り返り、好奇心丸出しの目で僕たちトリオの演奏に聴き入る姿が印象に残っている。

演奏終了後、バンドリーダーが1枚のポストイットを僕に手渡す。4つの太鼓と4枚のシンバル、そして眼鏡を掛けた僕。彼の手にも、僕が貰った絵と同じタッチでギターを演奏する彼の姿が描かれていた。バンド各人が演奏しているところを描いてくれたようだ。

僕が絵を手にした時、すでに作者の女の子は店に居なかった。

リンゴ屋倉庫に入れた音源が見つからない

2007年12月18日 | 音楽
自分の演奏を含めた音楽をmp3ファイルとして持つようになって数年が経つ。今でも他人の演奏をじっくり聴く時はCDで聴く。また、数年前に自分の演奏を録音したMDを聴くと、その音質は素晴らしい。正直言ってmp3の音より全然良い。
例えば上の画像にある手持ちのシンバルの音色。これはMDやDATで録音すると素晴らしい音なのだが、mp3だと録音する場所やマイクの種類が不適切だと、露骨に粗悪な音質になる。

でも例えば15枚のCDから一曲ずつ聴く、なんて手間がかかりすぎる。そんな時はiPodなりiTune中のmp3から選ぶのが手っ取り早い。

しかもmp3だとサクっとマックにダウンロードできるから、貯まった音源ファイルの保管整理に費やす時間も場所も大幅に少なくて済む。

そんな昨今、アップル社の.macで10GBほどの容量を使わせてくれるようになった。さっそくそこに、リハーサルしたミュージシャンと音源ファイルをシェアするためにアップロード。と、その時は良かったが、数日後ファイルを管理しようとした際、在る筈の音源ファイルが見つからない。それどころか、7GBくらい空き容量がある筈なのに、「もうほぼ満杯です。」というエラーが出る。今日も出ている。これではどうしようもない。


数年前には考えもしなかった便利さなのだが、一度手に入れると、それ無しではとても不便に感じる。まるで10年前に携帯電話を使い始めたときのようだ。そういえばiPhoneなんてものが最近できたそうで。

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2007年12月15日 | 食生活
今年、生まれて初めて九州の土を踏んだ。そして4日間の小倉滞在中に5杯のとんこつラーメンを食べた。




門司「大福」の大盛りラーメン。さらに量が多いW(ダブル)ラーメンもある。スープは豚骨ダシ独特の臭みが目立たないタイプ。


魚町銀天街近くの丸屋前屋台のとんこつらーめん。スープは豚骨臭みが目立つタイプ。


小倉駅近くの商店街にある「一平」。豚骨臭みが今回食べた5杯中最も強かった。


「桜吹雪が風に舞う」と云う店のとんこつラーメン。宣伝文句のとおり、豚骨臭みを押さえて後味がわりとスッキリ。


筑豊ラーメン「ばさらか」の地獄味噌ラーメン。どんぶり中央の赤いのがコチジャンのような地獄味噌=辛子味噌。豚骨臭みを抑えつつ、美味いコクが効いていた。食べたのが東京行き飛行機に乗る2時間ほど前。名残惜しさに替え玉を注文。

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2007年12月14日 | 食生活
先月11月の間訪れた日本で食べたラーメンの数々。今回は東京以外に、とんこつラーメンの本場北九州を訪れたので、そちらは別途アップする予定。

今年の春にアップしたラーメン画像付き記事でも書いたように、世界中のメニューを食べられるここニューヨークでも、ご当地と同じ味にはならないものがある。僕にとって日本の麺類がそれ。特に堅く無くてコシがある麺と数種類のダシを使ったスープでできたラーメンは、日本で食べるのが一番美味いメニューの一つなのです。

まずは東京での汁入り中華麺。その前に、上の画像は池袋の「フォーヴィエット」のフォー。一般的な牛肉でなく、鶏ダシが効いた美味しい一杯だったが、ライブ開始直前に食べたので江戸っ子が縄を手繰るくらいの慌ただしさで頂いてしまった。



恵比寿の豚料理専門店「ぶたや」。豚レタスしゃぶしゃぶの〆に出てくる中華そば。ただでさえ豚しゃぶのダシが出ている鍋汁に、濃いめのかつおだし汁を注いである。鍋で入れたレタスとトマトのおかげか、後味すっきり。


五反田「かづ屋」。子供の頃に食べたワンタンメンの味が懐かしくなって、これを注文。閉店間際唯一の客として居座ってしまったが、店員のにいさんに急かされること無く、ゆっくり食べ終わる。


戸越銀座商店街近く、二八蕎麦が売りの正乃家。当地に住む旧友の勧めにより、スタミナラーメンを注文。豚ニラ炒めニンニク入りがどっさり。


環状六号線沿いの「丸金」のとんこつラーメン。この晩の数日後に北九州を訪れる予定だったので、東京ではとんこつラーメンを食べないようにしていたけれど、夜遊び帰りの〆に一杯、という誘惑には勝てなかった。



演奏と描写と執筆の関係

2007年12月13日 | 音楽
フッとアイデアが浮かぶと人はナニかを創り始める。

日本で学生だった頃から僕がお世話になっている演出家が20年近く前のある日、「お芝居のアイデアってな、いつでも自分の周りに漂ってるねん。それをどんだけヒョイっヒョイっと掴めるか、が勝負やな。」と云われた。
実生活でのこの台詞、今でも憶えているばかりでなく、本当にそうだなぁと実感する時がある。

アイデアは、身体のどこかを通り抜ける。
普段は通り抜けるのにすら気付かない。
たまに一瞬だけ通り抜けて去って行く。
もっとたまに、ほんの数秒だけ身体に留まってくれる。
もっともっともっとたまに、音なり絵なり文章なりにするまで去らずに居てくれる時がある。いや、居座ると言うべきか。
そうなりゃぁもう、何が何でも形にしないと他の事に手が廻らなくなってしまう。

漠然としたイメージだったり、




・・・メロディーやハーモニーだったり、



・・・手紙やメールの内容だったり・・・



・・・エッセイや脚本の文句だったり・・・


・・・ビジネスプランだったりする。


あるいは数日前に街角で見たものや、何年も前に見た漫画の一コマが形を変えて来たりする。


アイデアは降って湧いて来るのではなく、いつも万人に降り注いでいる。それに気付くかどうかは本人次第。適時適所に気合いを入れることができるかどうか?ということだろうと思う。

音楽が散りばめられたTシャツ (前日記事大幅改訂版)

2007年12月09日 | 音楽
大抵のアメリカの都市には、Targetという大型量販店がある。平屋でバリアフリーで、とにかくドでかい。日本の学校体育館が4つくらい入りそうな広さのフロアに衣料、雑貨、生鮮品を除く食料、家具、電化製品を売っている。K-martやWalmart等他大型量販店と比べてTargetは、Target専用に商品化されたデザイナーズ・ブランドの家具や衣料、そして電化製品を販売する。そのためか、比較的センスの良い品が多い。

そんなTargetクイーンズ店に日用品を買いに行ったら、こんな柄のTシャツが目に付いた。




これにはレコード盤の下に人間の上半身の骨組らしきものが描かれていて、鎖骨に相当する部分はレコードプレーヤーのアーム、そして肋骨の下の背骨はカセットテープだ。




この柄は遠くから見ると木に見える。その枝や葉に相当する部位には、トレーナーやハサミに混じってギターや、スタンドに載った小太鼓や、同じくスタンドに掛けられたシンバルとして描かれている箇所がある。そして根っこに当たる部位はギターやPAのケーブルだ。

話は変わるけれど、最近地下鉄の駅でヒップホップ関連のポスターでこの手法を使ったものを見た。遠くからはモノクロの顔写真に見えるが近くだと、フィルム写真で言う粒子に相当する部位が、車や星印になっていた。
これはしかし、はめ込む部位の相似形を素早く見つけないと気が遠くなる作業になりそう。以前からそういうことをチャチャチャ、とやってくれるプログラムがあったのだろうか。

2枚とも少し柄が細かいけれど、カセットテープやら小太鼓やらシンバルに物欲をくすぐられた。それにライブとかでも着られそうなので、あまり迷わず購入。デザイナーブランドだかどうだかは知らないが、値段はTargetらしく、1枚$13也。ちなみに2005年9月からニューヨーク市に限って、$110以下の靴を含む衣料品には消費税が掛からない。
一方この春、東神田の洋服屋で、Tシャツの柄には一シーズン限りのモノが多いと聞いた。だったら相当気に入って即座に手に入れてもバチは当たらないだろう。そして買ってから気付いたが、この2枚のTシャツ、首の後ろにタグが無い。代わりにブランド名や取り扱い方を布地の裏側に印刷してあるから、着る時にくすぐったく無くてよろしい。

年の瀬の始まり/手持ちの最古参シンバル

2007年12月08日 | 音楽
ロックフェラーセンターの名物特大ツリー。地球環境に配慮して飾りは全て発光ダイオードで、その電力はロックフェラーセンターの屋上に設置されたソーラー・パネルから取ってきている。でも依然として巨大なもみの木を毎年どこかの森で切り倒し、はるばるマンハッタンまで持ってくるわけなのだが。



特大ツリーがある広場の目前にあるスケートリンクは丁度清掃及び氷の手入れ中。早くツルツルの氷に踊り出したくてウズウズしている子供達が時々歓声を上げていた。

ロックフェラーセンターからタイムズスクエアは目と鼻の先。その鼻の下には贔屓のドラムショップがある。散財の危機を感じたが、冷やかしに立ち寄る。

入店してまずDW社製の新製品、Jazz Seriesというセットが眼に留まる。
ちなみに僕が毎週ライブをしているArthur's Tavernで使わせてもらっているドラムセットが、種類は違うけれどDW社製ドラムセット。そういえば半年程前、Arthur'sの「店ドラム」を手配してくれたDW社のスタッフから、絶頂期のグレッチドラムをモデルにしたジャズ向けドラムを売り出すと聞いていた。Jazz Seriesと一緒にセットされていたシンバルも良い音がしている。

顔馴染みのショップのおじさんに"I haven't seen you for a long time. Where have you been?"なんて言われたけれど、そそくさと何も買わずに退散。しかし、今時タイムズスクエアという立地条件で、殺人的に高額な家賃を払ってまで営業しているドラム屋なんてここだけである。敬意を表するためだけに訪れて良いかもしれない。

でも、手持ちの楽器でより良い音を出すことで手一杯なのが僕の現状。消耗品であるスティックと皮のストックはまだ充分すぎる程ある。だから単品で買いたいものといえばシンバルくらいなのだが・・・。



このシンバルは16年前の秋、アメリカで暮らし始めてから最初に買った楽器。これを最近頻繁に使っている。演奏の腕が上がれば楽器を選ぶ耳も進化する、という僕の持論からはあり得ないことだけど、手持ちの他のシンバルとの相性が良くて叩き易いのだからしようがない。じつはこれ、買って数年してから音色が気に喰わなくなった。そこである日、ポコっと盛り上がった中心部(ベルカップ)とそうでない部分の境目辺りを打ち付けると余分な高音をカットできる、と当時学校の先輩ドラマーに言われたのを信じて金槌でガツンっガツンっガッツン・・・。上の画像では判りづらいが、表面にかなり金槌の跡がある。でもまぁ、10年以上経った今もこうして演奏に使っているのだから、こいつには勘弁してほしい。でもこんなことをしたシンバルをドラムショップに持って行こうものなら、もの凄く怖い目で睨まれること請け合いだから気をつけよう。間違っても売りに出そうなんてしないから・・・。

深夜の白リンゴ屋徘徊から翌日の新曲完成まで

2007年12月06日 | 音楽
この10年間他の仕事が無い限り、ニューヨークに居る時の月曜日はR&Bとファンクのライブをしてきた。一昨日はそれが無くなった最初の月曜日。そして同じ一昨日に、とある友人のマックがおかしくなった。久しぶりにゆったりとした夜だったので、24時間営業のアップルストア5番街店でのマック修理を夜中の3時過ぎに予約して、深夜友人の運転する車で繰り出した。
慢性的に車が混み合っているマンハッタンの道路も、さすがに深夜の3時前ならガラガラ。目的の店から1ブロックしか離れていない所に駐車するも、店に着くまでにかなり冷えこむ。



ビルの照明が届かないミッドタウンの一角に、まるでズゴン!と置かれたような巨大なガラスの立方体。その中心にツルっとクッキリ白いリンゴが浮かんでいる。そのリンゴの真下の螺旋階段を下るとそこがApple Store 5th Avenue。店内には僕らのように予約して修理に来た人を含む客が3~4人、清掃人が3人、店員が10人。なんだか開店休業中みたいな、週明けのライブハウスみたいだ・・・。
つい先月やはり修理しに立ち寄ったアップルストア銀座店と比べれば、総面積も階数も微々たるもの。だけど5番街店内の方が見晴らしが良くてゆったりできる。もっとも、閑散時における従業員数の半数しか客がいないのだから余計そう思えたのだろう。それにしてもがらんとした、天井が高いワンフロアに新品のiMacやらMacBookやらiPhoneやらiPodを電源入れてズラリと並べた眺めは、なんだか静かに壮観である。



修理の手続き中、かつて毎週月曜日に共演していたソングライターとギタリストが、おちゃらけでyoutubeにアップしたクリップを見る。寸時ヒマだったから何台かのiPhoneにブックマークを残す。より多くの人が見て笑ってくれますように。



一滴も呑まずに朝帰りしたのは一体何年前だろうか、なんて思いながら、お約束のダイナーで朝飯を注文。期待通り、アメリカンサイズの主皿には相当な食糧が。これにバターやジャム塗り放題のトースト2枚、底なしコーヒー及びジュース150cc込みで、5ドル未満。やはり食べて生き残るには恵まれた国だ。でもこんなもんばっかり食べてるから国民の半数はデブなんだよぉとも痛感。量が多過ぎるなら胸を張って持って帰れば良い。誰も文句は言わない。

そんな、昼夜逆転日を終えての短い睡眠が切れる間際、なぜだか聴いた事があるようで実は無いメロディーが頭に浮かぶ。と同時にそれには既存のとあるジャズスタンダード曲のコード進行が合う、と勝手に決定。こうなったら仕方がない。無理矢理起床し、コーヒーを浴びるように飲み、鉛筆書きした譜面をスキャンし、本日のピアニストにEメールで送りつけたのが、本番4時間前。深夜のApple Storeでかかっていた音楽はクラブ系とハードロック系だったから、直接この思いつきと関係は無いと思う。

夜を徹してコンピューターに掛かりっきりだった直後に脈絡の無い創作作業ができるとは。新曲はピアニストからもベーシストからもハーモニー面でのダメ出しは無く、初演は上々の出来に。前出の通り週明けのライブハウスだったので、1セット目開始数分間は開店休業、客よりトリオを含めた従業員の方が多かった。お陰でナイスな録音ができました。なんて喜んでる場合か。