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plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

グランドサークルの旅その8-雪のブライスキャニオン散歩記

2009年03月23日 | アメリカあれこれ
一夜明けても前夜からの雪は止むどころか、吹雪と言っても良い程になっていた。



アメリカ国立公園の掟として、天候が悪すぎると立ち入り禁止区域ができる。この日早朝の時点ではまだそういう区域はなかった。とは言え、このまま雪が止んでも積雪が凍ると間違いなく立ち入り禁止区域だらけになる。実質たった2日足らずしか滞在できないのだから、と朝食後まだ雪が降りしきる中、比較的短距離のトレイルをゆっくり降りてみることに。





手で掴み上げてフッと息をかければ粉々に散ってしまう粉雪だから、積雪が強い風で吹き散らされる。トレイルの半分程は、上から見下ろしたらジグザグに見える切り返しの道。それに20センチ弱の雪が積もっているから正確にどこが道なのかよく見えない。足跡一つないその切り返し道を、積雪の凸凹具合で見当をつけて降りて行く。





斜面がどれだけ急だったかは、少し降りた後に振り返ればよぉくわかる。



展望台から見たら細長い岩の一つ一つが、近くでは巨大な壁になる。





その壁の僅かな間を歩く地点、ウォールストリート。ニューヨークのダウンタウンにあるのとはえらく違う。



ようやくトレイルを降り切る。後は同じ高さにまで登らなければ。登り道沿いの壁は片方にしかないので、見晴らしは良いが吹きっ晒し状態。降りた道より高く雪が積もり、道の形が一層判りづらい。



終点の展望台が下から見えてきたころ、降雪が穏やかに。







無事到着。時刻は昼の1時頃。雪に突っ込んで冷たくなった足を暖めに、そして昼食のため宿に直帰。その後天気は良くなっていったものの、氷結した積雪を理由に公園内の殆どのトレイルが通行不可に。やはり無理してでも降りておいて良かったと思いつつ、陽の光が岩に遮られる頃の夕刻に、朝散歩した辺りを訪れる。



下の画像は翌日の風景。太陽に照らされた峡谷は、前日とはまるで別世界。数千個あると言われる独特の岩の色も形も鮮やかに見える。公園の標高は2633メートルから3033メートルもあるので、岩の周囲も見渡せる。地平線近くには人工湖パウエルが。この時でもまだ強かった風が吹く度に、足下の粉雪が煙のように舞い上がる。前日の散歩では息が切れていたけれど、この浮き世離れした夕方の景色を見れば大満足。



グランドサークルの旅その7

2009年03月20日 | アメリカあれこれ
アンテロープキャニオンに潜る前、近くに雨雲が迫っているのを確認。何しろこの周りの空は360度見渡せるものだから、どす黒い雨雲が自分の居る所に近づいているのは2時間くらい前から知ってはいた。

そして次の目的地ホースシューベンド(コロラド川が馬蹄の形に蛇行している所)に着いた頃、遂に雨雲が上空に。



岩が切り立った所に腹這いになって、馬蹄の形をした部分の全貌を撮影。同じように川の蛇行部にあるグースネックと比べて岩の色がぐっと赤い。



ここで通り雨に遭った後、人工湖パウエルへ。ダムの排水口の上に架けられた、長さ500メートル程のグレンキャニオン橋を徒歩で渡る







それから再び、晴れと曇りと雨と雪の全てを含む広い空の下を疾走。



上の画像撮影30分後に下の画像を撮影。あられがカチカチっと車のフロントガラスを叩く。



更にその15分後の路傍には残雪が。



この後大雪になり道路には凍結した部分が多くなったので、通常より時間をかけて慎重に移動。日没2時間半後に、ブライスキャニオン近くでは最も老舗の宿ルビーズ・インにチェックイン。荷物をただ部屋に置いて、とにかく「飯」。日中の半分以上の時間は車で過ごし、残り半分は常に凸凹した所を歩いて過ごしたので、この日の遅い夕食のメニューは、当日消耗した体力回復と翌日の荒行に備えるためにリブアイ・ステーキ。



上の画像はデザート。バニラアイスの玉4-5個の上に一辺5センチ厚さ2センチのブラウニーがやはり4-5枚、それら全てを覆い隠すホイップクリーム、最後に砕かれてまぶされたオレオ・クッキー。ウェイトレスのおばさんのアドバイス通り、一つだけ注文して数人で堪能。おかげで非常に栄養価の高い食事になった。

グランドサークルの旅その6

2009年03月16日 | アメリカあれこれ
怪しくなった空模様の下、ロウアー・アンテロープキャニオンにもぐり込む。平らな地表にある狭い亀裂の下には不思議な空間が横たわっている。画像にあるような小さな階段で少しずつ下へ。







靴一つがやっと入るほど狭い箇所があちこちに。歩みを止めて見上げるたびに、摩訶不思議な景色があらゆる角度で迫っている。この時は閑散期だったので貸し切り状態。すっかり異次元を満喫した。


グランドサークルの旅その5

2009年03月14日 | アメリカあれこれ
今回の宿は、モニュメントバレーの中に昨年秋オープンしたばかりのザ・ビューホテル。全客室の窓からあの残丘を目と鼻の先に見ることができる。

国道160号線で更に北東へ。







ベイビー・ロックス。岩の名前がそのまま町名になっている。

その先にある4コーナーへ。全米で唯一4つの州が一カ所で隣接している所。ただそれだけ。公園内にそれを示す大きな円盤がある。







翌日は国道163号線沿いのメキシカン・ハットを通る。ここもこの岩の名前がそのまま町名になっている。



川がえらく蛇行し、まるでガチョウの首のような岩を創った、グースネック。地平線上にある凸凹はモニュメントバレーの残丘。

この後西北西に数時間疾走し、全米最大の人工湖パウエル湖建設のためにできたペイジと言う町へ。その間は360度の空と地平線が見渡せる。途中到着の一時間以上前から、目的地付近の空に雨雲が広がったきたのが見えた。視界のうちではほんの一部分でしかなかったけれど、鉄砲水の被害の可能性があるアンテロープキャニオンにも行く予定だったので、少し不安になる。




グランドサークルの旅その4

2009年03月03日 | 音楽
岩山の間の舗装されていないvalley road を走った後のレンタカーのリアウィンドウ。付いた砂で不思議な模様ができあがった。



ランチで食べた名物「ナバホタコ」。ラードで揚げたパンの上にタコスの具が満載。



「フォレストガンプ」を始め、数々の映画のシーンに登場した、国道163号線上のスポット。



グランドサークルの旅その3

2009年03月01日 | アメリカあれこれ
夕方グランドキャニオンを出発し、とっぷり夜が更けてからモニュメントバレーにある宿にチェックイン。その到着30分前くらいから走行中の車窓から巨大な石碑の輪郭だけを眺める。広大な平地をヘッドライトが届く範囲しか見ないで移動するのは、まるで大きな暗闇の中にできた細いチューブ内を走っているよう。約7時間後の日の出直前、自分の部屋の目の前に見覚えのある形をした岩が段々見えてくる。





すっかり日が昇った後、雲の上が真っ青な空の下、岩山の近くに行ってみる。



遠くからではなだらかに見えたけれど、実際にはそれなりに高低差がある。岩山と自分の周り360度に殆ど遮るものが無いから、近くに見えた岩山に近づくのにえらく時間がかかる気になる。