plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

wet and warm NYC

2005年07月28日 | アメリカあれこれ
ここ数日NY市内では湿気の多い息苦しい天気が続いている。それでも梅雨時の東京に比べたらまだマシなのかもしれない。
しかし同じ面積内での高層ビルの数、そして冷房に消費されるエネルギー量は東京以上だろうから、大都会にありがちな「こもり熱」も東京以上かもしれない。

とにかく汗が止まらない。8年前中古で購入した小振りのエアコンがまだしっかり動いてくれているのに感謝。当時住んでいたマンハッタンHell's KitchenからAトレインでクイーンズの奥地まで行き、インド/パキスタン系の主婦のおばさんから購入した。帰りは持参したカートに載せてまた地下鉄経由でえっちらおっちら引きずって帰宅したのが忘れられない。

After the gig on Wall Street

2005年07月22日 | 音楽
先のコラムの仕事は無事時間通りに出勤(?)し、無事帰宅出来た。会場は5階分の高さを吹き抜けにたような巨大な宴会場。面積はグランドセントラル駅内メインコンコースの1/4くらいだろうか。天井からは10メートル程のワイヤーでライトやスピーカーが吊るされていた。

写真はステージ中央にぽつんとセットされた僕の小型ドラムセット。以前から、下手をすれば演奏より客の話し声の方がうるさいような小さい場所でも使えて持ち運びも簡単なセットが欲しかった。当時の手持ちのドラム数個をManhattan Drumshopの主人に下請けしてもらい、彼特製カスタムメイドのこのドラムセットを造ってもらってかれこれ4年程になる。

最近このドラムセットの音色が自分にとってしみじみしっくりするようになったので、音楽のスタイル的にどうしても大きいドラムセットが必要でない限り、これが僕の定番セットになってきている。先月のブルーノートライブでもこのセットで演奏した。それにしても携帯カメラで撮るとシャッターを押すのが下手なのが目立って困る。もう少し練習します。

directions to work place

2005年07月22日 | 音楽
フリーランスのドラマーにとって未知の仕事場=演奏場所に赴くのは日常茶飯事である。

車で行く時には当然「道のり」= directionが必要になる。車で片道2時間、渋滞時なら3時間半(!)などという未知の荒野もとい土地に行く時に正しい「道順」 が無いと、例えばハイウェイの出口を間違えた時など大変なことになる。

ではニューヨーク市内ではどうか?場所による。14丁目より北のマンハッタンなら道が碁盤状なので、番地さえあればdirection が無くてもまぁ大丈夫だ。問題はダウンタウン。面積で言ったら大して大きくないが、道路の配置は不規則極まり無く一方通行が多い為、一つ道を間違えるとこれまた結構な時間を浪費することになる。

ということで本日の仕事場、ヲ-ルストリートへの「道のり」をグーグルマップで印刷した。地図の拡大/縮小、移動などがしやすい。自分のPCのカーソルにダイレクトに接続されているかのように地図を見られる。グーグルマップを使えるというのがこれからのネットを使っての作業を迅速にしてくれそうな予感がする。後は時間通りに仕事場に着く事ができれば文句は無い。

ドラムスティックがもう手に入らない?

2005年07月21日 | 音楽
ここ数年、ずっと同じドラムスティックを使ってきた。ニュージャージー州にある老舗メーカー、Cappella の「7A」というモデルだ。

一般的なスティックより短くて細い。叩いた時の感触がとても良く、力加減やスピードをコントロールしやすい。先頭の丸い所をチップというのだけれど、この7Aのチップはアーモンドのような形をしているので、叩く角度を変えると違った音色が出る。シンバルを叩くとその違いが顕著になるので、音色の多さ=表情の豊かさがモノを言うジャズにはもってこいである。それほど大きな音量では叩けないが、打面を押し付けずに「spann!!」と叩けば通りの良い音は出せる。

ところがこのスティックメーカーが最近倒産したらしい。orz 随分前からやばいと言われていたので、予想はしていたがショックはでかい。今までドラムショップに行く度に在庫を買い占めていた。これからはそれもできなくなるのだろうか?

オンラインで全米のドラムショップ、楽器屋、はたまた質屋までチェックして買い漁ろうとしたのだが、やめた。このメーカーのスティックには一つ致命的な欠点があり、現物を見ないで買う訳にはいかない。Cappellaのスティックは、普通ではあり得ない確率で曲がっているのだ。

ドラムショップの人によるとスティックを作る過程でしっかり木を乾燥させていないから時間が経つと反ってくるのだそうだ。実際自分で買う時は10ペアのうち3-4ペアは論外に曲がっていた。だから必ず店のありったけの7Aを平らなショーケースの上で転がして買う。曲がっているのは転がすとチップがフラフラするのですぐわかる。ハズレもアタリも思いっきり!というのが何かアメリカの国柄を象徴しているようで面白い。

1980年代後半くらいまでは多くのドラマーが、どのスティックを買う時にもしていた作業だが、最近は殆どその必要はなくなって来た。それほど大きい市場ではないからどのメーカーも品質向上に燃えて来たのだ。Vic Firth というスティックは真っすぐなだけでなく木の密度を測量して合わせてあるので、スティックのペアの音程がほぼ揃っているくらいだ。

オンラインショップでのまとめ買いでは逐一現物を確認できない。こうなったらなんとかしてNY、NJ、CTの近郊の店を片っ端から当たるしかない。しかし、実を言うと去年ロングアイランドで一番大きいドラムショップでCappellaの7Aを買い占めたのは、僕です。先ほど同店に電話したがやはり、Cappellaのスティックはもう一本も置いていないそうだ。うーん、次はどこに問い合わせようか?

余談になるが、アメリカでは何故ここにあるの?て言う楽器がぽつんと田舎の質屋で売られていたそうだ。古い楽器だと価値がわからないからタダ同然で質に出されていたのだろう。だから前出のところで質屋を含めた。最近はeBay やCraigslistという便利なものがあるのでそういうことも減ってきたと思うけれど。