現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

愛・日比野博@水戸(前編)

2005-08-20 | アート感想@関東
水戸芸術館に行ってきた。

HIBINO EXPO 2005 日比野克彦の一人万博(屋内編)

「一人」と「万博」という、およそ縁のなさそうな二つの言葉をつなげた日比野克彦の個展。ワークショップ的手法を得意とし、多くの人々を作品(プロジェクト)に巻き込む日比野ならではのタイトルかも。なお、愛知万博では、巨大皿モニュメントのデザインを担当している(過去の記事)。

第1室の“HANDS HABITS”は、水戸で行われた延べ1000人によるワークショップの成果をまとめた作品を展示。このワークショップでは、《絨毯の上のカブト虫》や《午後2時のガラスについたごはん粒》などを「いっしょにつくりませんか?」という「指令」によって工作が行われたとのこと。一つ一つの工作の出来栄えはバラバラだったけど、その「手癖」を組み上げた作品には強い一体感があった。まるで、一つ一つの工作が日比野の手から生み出されたかのよう。

第2~4室は“BEYOND THE BEYOND”と題し、体験型の3作品を展示。最初の《〔Z〕》は砂場(本物!)、次の《〔Y〕》は高さ10メートルの段ボールの塔、最後の《〔X〕》は巨大なトンボ玉を連ねた伝言装置と、童心に戻って楽しめる作品が目白押しだった。もちろん、本物の子供も大はしゃぎ!

第5室は“NEW WORKS”、第6室は“EARLY WORKS”と新作と旧作がそれぞれの部屋に展示してあった。100点(!)を優に超える80年代の旧作は、段ボールの素材感とノスタルジックな雰囲気が魅力的だったけど、同じ段ボールでも新作は時間・空間の広がりがストレートに感じられるものが多かった。観ていて気持ちいい!

このほか、「一昨日テレビ局」と「明後日新聞社」という日比野が継続して行っているプロジェクトの展示も面白かった。

9月19日まで、月曜休館。

クリテリオム64 風間サチコ

作品は《風雲13号地》の1点のみ。しかし、高さ約1.8メートル、幅約4.2メートルの黒一色の木版画は圧巻。フジテレビやビッグサイトなど、お台場の巨大建築が合体してできた巨大戦艦が、レインボーブリッジを背に東京湾を航海する。その力強くも滑稽な姿と、小学校で慣れ親しんだ木版画という組合せがなんとも言えない。

9月19日まで、月曜休館。

後編に続く。

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