現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

内藤礼展@大山崎(京都)

2005-07-31 | アート感想@遠征
京都と大阪の府境付近にある大山崎山荘美術館に行ってきた。

本館の建築(写真)や、陶器を中心としたコレクションも良かったけど、私のお目当ては新館での企画展。

睡蓮 2005-花ひらく水辺にて

睡蓮 2005 内藤 礼 返礼

コンクリート打ちっぱなしの円形の展示室の壁には、モネの《睡蓮》4点をはじめ、ボナール、シニャックなど8点の印象派絵画が展示されていた。

その展示室の中央には、白い壁で囲まれた柱のような空間があり、対角線上に設けられた窓から中を覗くと、そこは内藤礼の世界。

白い床の上には、土で作った小さな舟を糸で結んだ《舟送り》がいくつも並ぶ。一目では《舟送り》しか見えないけど、しばらく見ていると徐々に他の作品が浮き上がってくる。

2つの窓のすぐそばには、2種類の《タマ/アニマ(わたしに息を吹きかけてください>》があった。実際に息を吹きかけると、水や紙がかすかな動きを見せる。日常的に接している紙や水だけど、なんだか特別なものを動かしているような感じがした。

《恩寵》も印象的な作品だった。単に糸の両はじを天井から吊るしただけの作品だけど、下のほうは壁や床の白に同化して見えず、光の加減で天井付近に糸があるのがかろうじてわかる。糸一本の作品なのに、存在を強く意識させる作品だった。

最後に紙の《舟送り》を手に取る。ギャラリー小柳で持ち帰ったものと同じだったけど、古い友人に何年かぶりに再会したときのような懐かしい気持ちになった。

どちらの展覧会も9月25日まで、月曜休館(月曜が祝日の場合は火曜日)。