Pink * Satin * Pointe * Shoes

なんとなく、すきなこと

2018年を総括する

2018-12-31 13:10:30 | 日記?
長かった。
ほんとに今年は長かったです。
2017年後半は父がだいぶ弱ってきていて、母は老々介護で草臥れていて。
土日からめた3泊4日とかじゃなく、ゆっくり実家にいてあげたくて1月末に5年間勤めた会社を辞めた数日後の2月5日、熊本へ向かいました。
父が入院していた病院に直行し、荷物を置きに一旦家に帰って再び病院へ。
「またあした来るけんね」と手を振って別れたその夜、まるで私が帰るのを待ってくれていたかのように、父は旅立ってゆきました。

最初はほんの5日程いて、また改めて帰省するつもりだったんだけど、急遽帰りの便は諦めてしばらくとどまることに。
マイルで予約してた分だったので不幸中の幸いでした。

葬儀を終えた後もひとり残って母と事務手続きに勤しみ、折角だからと念願だったペーパードライバー講習を受け、一旦東京に戻って就活し、再び3月10日頃に熊本に帰ってきて、再びペーパードライバー講習を受け、母と二人で人吉に旅行したり、四十九日の法要を済ませると遂に私がハンドルを握って母と天草へ!

「お母さんは生ビールば飲むたい」

ずっとそう言ってあげたかったその言葉を、上天草のスパタラソで言えた喜び!

さすがに仕事しないわけにもいかないので、4月1日、後ろ髪ひかれましたが、熊本を後にしました。

そしてそれまでの2ヶ月間、かなりマメにエントリーし、5社ほど職場見学という名の面接に行ったのに、まあ決まらない派遣先。
正社員じゃ決まりっこないとはなから諦めて派遣で探していたというのに。
さすがに堪忍袋の尾が切れて、もういい!自力で探したるわい!と向かったハローワークで見つけた会社に、そのぼぼ10日後から正社員として働き出すことになるとは、人生わけわからんです。

で、働き出したのはいいんだけど、辛いこと辛いこと。
人間関係はむしろかなり良好なんだけど、前任者の後任として入った人が5日かそこらで辞めた後釜として入社したので、実質的な引き継ぎはなく。
そして結構でかい組織なのでいちいち分からないことだらけ。

そんな一番辛かった頃に飛び込んできたのが西城秀樹さんの訃報。
同い年の旦那もモップで真似してた小学生の頃はドイツ人テノール(当時既にアラフォー)に恋してて80年代に入って初めてロックに目覚めた私にはまだヒデキは早すぎて。
十代の時にロン毛で歌ってる「炎」とかめちゃくちゃカッコよかったなぁ。
ほんの3ヶ月ほどで気持ちは落ち着いちゃったけど、当時、ヒデキのおかげでどれだけストレスが軽減されたことか。

そして、ようやく仕事にも慣れてきた夏から秋にかけてBSで放送された「シェルブールの雨傘」と、それに続いて流れた「ロシュフォールの恋人たち」で運命の曲がり角がやってきた。

父が亡くなったのを機に自分でも驚くほどに楽器への興味が消え「やっぱり身体動かさなきゃ」と某スポーツセンターでクラシックバレエを再開していたんですが、ロシュフォールに出ていたジーン・ケリーが琴線に触れたのでした。

忘れてた。
そして思い出した。

二十代前半、ジーン・ケリーの大ファンだった時期があったことを。
で、YouTubeで「雨に唄えば」をどんなだったか確認するぐらいの気持ちで見てみたら、ほんとに開いた口がふさがらないぐらい凄くて、もう一気に再びジーン・ケリー熱が再燃してしまいました。
若かった私はタップダンスはダンサーが踊るものだと信じてて、そしていつものように熱が静まってからは、タップダンスっていうと「タケシが踊ってたっけ」という記憶だけになっていたんだけど、もういい年になってしまったことが逆に私の背中を押したのでした。

タップダンス、踊りたい!

2018年になった時に、まさか年末には自分がギターをすっかり辞めていて、代わりにタップダンスを習いはじめているだなんて、私の人災面白すぎるよ。

(´ー`)


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「いつも上天気」

2018-12-13 22:01:56 | エンターテインメント
公開から四半世紀は経とうというのに、主人公のファーストネームだけでググっても真っ先に映画のページが多数ヒットする程に名作な「レオン」。
主人公、ジャン・レノ扮する殺し屋レオンのピュアな内面が垣間見えるモチーフとして使われているのが「いつも上天気」の一コマですが、誰だってあのシーンを見たらピュアな笑顔になっちゃうよなぁ。

というわけで、「レオン」観た人はきっと「あのスーツ着た男の人がローラースケートで幸せそうに踊ってる映画何なの?」になって、そのシーンがある映画「いつも上天気」を見てみたいと思う流れになるだろうに、現在日本ではソフト入手不可能って・・・。

仕方がないのでアメリカからお取り寄せしました。
英語字幕は出せるので、一時停止で辞書アプリを駆使しながらまさに「読む」作業を重ね、かろうじて大筋は理解できたし、いくつかのステキなやりとりは意味も分かったけど、テッドとジャッキーが互いの想いを確認し合う場面がね、出会いのやりとりでちゃんと種まいてたのを最後に刈り取っているであろうヒロインの大事なセリフが「ん?どゆこと?」っていう。

いずれ日本語字幕付きのBlu-rayが発売されると祈っていますが、需要がある作品をここまで日本の市場に出さなかったからには、なにか出せない問題があるのかも?

ともあれ、ググってもこの作品について書かれた記事って少ししかないので、その少しを広げるべく、ネタバレ前提で書きたいことを書きますね。
興味ない人はこの時点でもう他サイトへ飛んじゃってるはずだから、ま、いっか。


登場人物:

テッド・ライリー(ジーン・ケリー)・・・ピッツバーグ出身。若い頃から頭が良くてスポーツ万能。人望も厚い。子供の頃から超優秀、ロースクールを出て将来は政治家になると自他共に信じて疑わなかった程有能な男で、戦争が終わり、将来を誓った恋人と明るい人生を歩んで行くはずが、待っていたのは「あなたのことほんとに心配してたのよ。ところで、実は最近結婚したの。ジョーって最高なのよ〜♡」的な内容の手紙。
失意のどん底から這い上がれぬまま10年が経ち、ギャンブルに明け暮れているうちにキッド・マリアッチというボクサーのマネージャー(たぶんギャンブルで勝ってその権利を手に入れた)にはなったものの、夢見ていた自分とのギャップは著しく、サラリーマンとしてはかなり成功したがつまらない男になってしまったダグと、愛妻と田舎でハンバーガースタンドを営む子だくさんのアンジーと10年ぶりの再会を果たしたTim's Barで歓喜に沸くも、いちいち噛み合わず、たちまち「来るんじゃなかった」なことに。

ジャッキー・レイトン(シド・チャリース)・・・テレビ局の敏腕ディレクター。「Throb of Manhattan」という深夜のバラエティショー担当。超美人。抜群のプロポーション。恐らく天才的なIQ。
頭が良すぎて釣り合う男が見当たらない。いたとしても自分で結末を予想出来ると(信じているため)二の足を踏む、恐らく石橋を自分で叩き壊すタイプ。よって生きがいは仕事。
テッドに言い寄られても彼女流のナンパ撃退法で反撃に出る。

ダグラス・ハラートン(ダン・デイリー)・・・画家志望で退役後ヨーロッパへ武者修行に行くも、結局安定を求めてサラリーマンに。広告業界で成功し、ダグがデザインを手がけたミスモップアップはクレンズライトという洗剤のイメージキャラとしてブレイク。結婚しているが、離婚の危機にある。本人は奥さんがなぜ別れたがっているのか見当もつかないが、テッドやアンジーに対する態度を見ても、仕事人間かつ上流気取りなヤな感じなので、察しがつきます。

アンジェロ・バレンタイン(マイケル・キッド)・・・この10年で愛妻と5人の子供に恵まれ、自分の店も構えて地に足をつけて生きてきたアンジーだけど、ハンバーガースタンドに「コルドンブルー」なんて似つかわしくない名前をつけてしまうのはいかにもな田舎者で、そこが彼らしさなんだろうけど、心に余裕のないテッドとダグには恐らく羨ましさからアンジーのダサさがカンに触る。

マデリン(ドロレス・グレイ)・・・深夜の人気バラエティ「Throb of Manhattan」のプレゼンター。
茶の間に感動と興奮を与えたいという情熱に反してスタッフが用意してきた素材がイマイチでイライラ中。
食べてストレス発散したいけど、太りやすい体質らしく、超肥満なプロデューサーから太るから食うなとダメ出しされて益々イライラ。


物語:

戦争が終わり、四年もの間苦楽を共にした三人が連れだって訪れたのはニューヨークにある馴染みの店Tim's Bar。
ツケを清算し、これからは一般市民として希望する道を歩いて行くぞと意気揚々だったのも束の間、テッドは恋人からの別れの手紙に落胆します。二人に励まされるも、もはや共には過ごせません。
10年後の今日、ここで会おうと日付を書いた紙幣を三等分して別々の方向に歩み出す三人。
そして約束の日、馴染みのバーで再会するテッドとダグとアンジーの三人。
しかし再会の喜びも束の間、それぞれがすっかり変わってしまった事に気づくのにそう時間はかかりませんでした。一番の出世頭になっていたはずのテッドは10年前の失恋が尾を引いて厭世感から日陰の人生を送っているし、ダグも好きなことを封じて組織に組み込まれた結果世間的な成功は手にしたものの奥さんとの関係は崩壊寸前、ストレスで胃薬が欠かせない日々。アンジーは幸せな家庭を築いて地道に小さな食堂を営んでいるけれど、他の二人とは接点が全くなく。
高級レストランでランチをすることになった三人は上流気取りだのゴロツキだの田舎者だのと互いへの不満をついに爆発させ、口論に。
お開きになりかけたところでダグの会社の関係者が偶然レストランにやってきて、ダグが手がけた商品クレンズライトの会社がスポーンサーであるバラエティの女性ディレクタージャッキーもたまたまそこに居たもんだから、流れで収録スタジオを見学することに。

みんなでタクシーで移動するはずが、ちゃっかりジャッキーと二人だけで出発しちゃうテッド。
ところが必殺ナンパ殺しの技をかけられます。
でも、そんじょそこらのナンパ野郎とは格が違う彼はインテリのジャッキーと互角に戦い、ナンパ野郎どもを見下していたジャッキーのハートを掴むのでした。

一方、リハーサル中のスタジオで「こんなつまらないショーならやらないわよ!」と駄々をこねるマデリンに妙案があると言うジャッキー。
三人の元G.I.の再会物語を番組で全米に生中継しようというのです。
企画は内密にする必要があるから、オンエアまでは三人には内緒にしましょうと、ダグのことは上司のフィールディング氏に、アンジーのことはマデリンに「オンエアの11時まで繋ぎ止めといてね」と割り当てて、自分は「もう一人は私が」と、企画ありきというより気になるテッドとまた会いたいという下心ありきなカンジです。

野郎どもの集うボクシングジムにやってきたジャッキーは出会った時とは打って変わって積極的で面食らうテッド。

そんな時、テッドはキッドが八百長に加担していると聞かされて、自分を陥れようとしている奴らにひと泡ふかせようと策を講じます。

スタジオに立ち寄ったジャッキーとテッド。
彼が何故ゴロツキのふりをしているのか、彼女が何故そこまでガードが固いのか、互いの本質を見抜き合い、急速に距離を縮める二人。

八百長にハメられるところを巧みに回避するつもりが、思わず八百長そのものを成立させない手段に出たテッドはチンピラに追われることに。
ジャッキーとはスタジオで合流することにして、追っ手からひとり逃げるテッド。
ローラースケート場で追っ手を巻くと、つい今しがたジャッキーと互いの気持ちを確認したことを思い出し「今までは自分のことが嫌いだったけど、あんなに素敵な彼女が僕のことが好きって言ってくれるんだから、きっと僕はイケてるに違いない。彼女は僕を好き。だから僕も僕のことが好き!」って、命の危険すら迫っていることも忘れ、紳士淑女がそぞろ歩くニューヨークの街中でローラースケート履いていることにも気づかずに歌い踊り、気づいた後は居直って、しまいにはタップまで踏んで拍手喝采。

ところで、追っ手どこ行った?

いよいよショーのオンエア時刻。
テッドも無事スタジオにやってきます。
何も知らされぬままステージ上に連れて行かれる三人。
マデリンから話を振られたテッドは、テレビカメラに向かい「テレビの前の若者たち、くれぐれも俺みたいになるなよ」と自嘲し、散々だった10年ぶりの再会のこと、そして二人のことが嫌いだと思ったけど、そう思った理由が今なら分かる。それは自分で自分のことが嫌いだったからなんだと。そして友情を取り戻すためなら何だってする。そしてこれから10年後にもう一度、きちんと会えるように努力すると言ってステージを去ります。
テッドの気持ちが痛いほど分かったダグとアンジーもテッドを追ってステージを降りると、テッドの前に八百長の元締めが収録スタジオだと気づかずに入ってきて、生中継で全米に流れているとも知らず、テッドの誘導尋問にアッサリ乗って八百長ボクシングのアレコレを喋りまくったものの後の祭り。

テッドの策略に気付いた元締め達が彼を殴りつけたのをきっかけに、生中継が入ってるのもおかまいなし。ダグとアンジーも加勢しての大乱闘が始まります。
程なくして警察がかけつけ元締め達は御用。
再びTim's Barで祝杯をあげる三人。
ダグは放送を見ていたという奥さんと仲直りし、アンジーもコルドンブルーなんてふざけた名前は取り下げると言い、これで何もかも片付いたなと言うテッドの言葉を背後から遮ったのはジャッキー。

「まだやり残したことがあるんじゃない?」

二人は口づげをかわし手を繋ぎ、ダグ、アンジーと別れを告げ、10年前と同じように、それぞれの方向へと歩き出しました。


ジーンの伝説的なローラースケートの例のやつとシドの超カッコいいソロは別格としても、ダン・デイリーのソロは上出来だし、シネマスコープを三分割してのonce upon a timeは曲も振り付けも大好きだし、「美しき青きドナウ」の替え歌は良く出来てるし、冒頭のマーチはつい鼻唄歌っちゃうぐらいキャッチーだし、ドロレス・グレイのショーは豪勢だし、三人がゴミ箱のフタを足にはめて踊る有名なシーンもちょっと長いけど楽しい、とても中身の濃いミュージカル作品、なんですが、「雨に唄えば」とかと比べると華やかさに欠けるというか、全編に漂うビターな味わいのせいで地味な印象になっちゃってるのかな。
私なんかはむしろ前日譚の「踊る大紐育」より好きだったりします。

なんと言ってもアンドレ・プレヴィンの音楽とコムデン&グリーンのシナリオがとても良く(シェイクスピアの引用のくだりとか気が利いてる!)て、撮影中にスタンリー・ドーネンとの関係が決定的に悪化して決別しちゃったのが影響しちゃったのか、ジーンとシドのデュエットが無いのがかなり残念だけど、もうほんと、みなさん、Amazon.comでのお取り寄せを強くお勧めします。

そして、英語が出来るそこのあなた、シドのセリフの意味をコソッと教えてください。
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