多摩川の河川敷を一緒に歩きながら、やっぱりトオル君は柔らかく笑った。
「ごめんね。ハルナちゃん。あいつら今度シメトクから」
彼のこおゆうところって何だかほっとする。
あ。そだ。聞いてみよ。
さっきのこと。
「あの、トオル君。さっきの子達、トオル君のこと先生って……」
そういい掛けた時、前方から小さくて可愛らしいスピッツを連れた白髪の紳士が声を掛けてきた。
「Toru! Bonsoir!」
トオル君とその紳士は英語ではない言葉で2、3言葉を交わすと、手を振って別れた。
トオル君は私と目が合うと、にこっと笑った。
「あの人はフランスの人で、この河川敷をスナフキンと散歩をしていたら友達になったんだ。○○大学のフランス語文学の教授をされているとかで、とても気さくないい人なんだ。」
「そうなんだ。じゃぁ、今、トオル君が喋っていたのは、フランス語?」
「え?ああ。そうだよ」
「じゃぁ、じゃぁ!もしかして、トオル君はフランスの人なの?」
そう彼に尋ねて、私ははっとした。
トオル君の顔からふぅっと笑顔が消えたからだ。
「いや、違うよ。僕は……日本人だ」
厳しい口調で彼は答えた。
私は、聞いちゃいけないことを聞いてしまったような気がして気まずい思いになった。
トオル君はさっきまでの笑顔がウソみたいに消え、険しい表情になってずんずんと私の前を歩いて行く。
彼が燃え盛る夕陽に今にも消えちゃいそうで不安になる……。
どうしよう。
なんだか鼓動が早くなってきた。
あれれ。涙が……。
私が目を擦っていると、トオル君が振り向いた。
「えっ!?ど、どうしたの?ハルナちゃん?大丈夫?」
トオル君は心配そうに私の目を覗き込んだ。
トオル君の手が優しく私の頬に触れた。
ど、どうしよう。
私きっとまた顔、真っ赤になってるかも……。
しかも、涙が止まらない。
困ったことに、増量中。
だって、あまりにもトオル君が優しいから……。だから……。
「大丈夫?」
そういうトオル君はいつもの優しいトオル君に戻っていた。
私は、もうそれだけで胸がいっぱいになった。
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「ごめんね。ハルナちゃん。あいつら今度シメトクから」
彼のこおゆうところって何だかほっとする。
あ。そだ。聞いてみよ。
さっきのこと。
「あの、トオル君。さっきの子達、トオル君のこと先生って……」
そういい掛けた時、前方から小さくて可愛らしいスピッツを連れた白髪の紳士が声を掛けてきた。
「Toru! Bonsoir!」
トオル君とその紳士は英語ではない言葉で2、3言葉を交わすと、手を振って別れた。
トオル君は私と目が合うと、にこっと笑った。
「あの人はフランスの人で、この河川敷をスナフキンと散歩をしていたら友達になったんだ。○○大学のフランス語文学の教授をされているとかで、とても気さくないい人なんだ。」
「そうなんだ。じゃぁ、今、トオル君が喋っていたのは、フランス語?」
「え?ああ。そうだよ」
「じゃぁ、じゃぁ!もしかして、トオル君はフランスの人なの?」
そう彼に尋ねて、私ははっとした。
トオル君の顔からふぅっと笑顔が消えたからだ。
「いや、違うよ。僕は……日本人だ」
厳しい口調で彼は答えた。
私は、聞いちゃいけないことを聞いてしまったような気がして気まずい思いになった。
トオル君はさっきまでの笑顔がウソみたいに消え、険しい表情になってずんずんと私の前を歩いて行く。
彼が燃え盛る夕陽に今にも消えちゃいそうで不安になる……。
どうしよう。
なんだか鼓動が早くなってきた。
あれれ。涙が……。
私が目を擦っていると、トオル君が振り向いた。
「えっ!?ど、どうしたの?ハルナちゃん?大丈夫?」
トオル君は心配そうに私の目を覗き込んだ。
トオル君の手が優しく私の頬に触れた。
ど、どうしよう。
私きっとまた顔、真っ赤になってるかも……。
しかも、涙が止まらない。
困ったことに、増量中。
だって、あまりにもトオル君が優しいから……。だから……。
「大丈夫?」
そういうトオル君はいつもの優しいトオル君に戻っていた。
私は、もうそれだけで胸がいっぱいになった。
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