フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

夕焼け染めて

2005年07月26日 11時55分51秒 | 第2章 恋愛ラビリンス編~ハルナの章~
雲が晴れ、夕日に照らされる多摩川の土手をトオル君と歩いた。
水面に反射した光が、トオル君の髪をキラキラと金色に輝かせていた。

「キレイ……」
思わずそう言ってはっとした。
「でしょう?この辺はこの時間が一番神秘的でキレイなんだ」
トオル君は無邪気に笑った。

「センセー!その人、カノジョ~!?ヒューヒュー♪」
はやし立てる声が下の方から聞こえてきた。

「この子は、友達だよ!」
トオル君は下に向かって叫ぶと、「あの子達は、僕の友達なんだ」と私に説明した。

「え?!友達?」
「そう。一緒にたまに野球をする」
「でも、あの子達……」

どう見ても、小学生だ。それに、先生って……。

「ちょっと待っててくれるかな」
そう言うと、トオル君は滑るように彼らのところまで降りて行き、子供達の輪の中に入って行った。

「今日は誰も怪我しなかった?」
「誰も怪我しなかったよぉ~!ねぇ、ねぇ!それよかさぁ、センセ~。ホントはカノジョなんでしょぉ~?あのヒト」

彼らははしゃぎながら私を指差した。

「でさ、キスとかするのぉ?」
「エッチとかするんだよね~」

キ、キス・・・エ、エッチ・・・。

過激な小学生の言葉に私は瞬時に顔が赤くなるのが分かった。

「あ!センセ~!!カノジョの顔、真っ赤だよ~」

子供達が私を指さし、からかい始めた。
顔が更に真っ赤になって行くのが自分でも分かり、両頬を急いで両手で隠した。

その時、こちらを振り向くトオル君と目が合った。

「夕焼けのせいで赤くなっているんだよ。ほら、みんな、野球、野球!」
そう答えるトオル君も耳まで赤くなっていた。




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