「ペットの郷日誌」-ここだけの話        

自然豊かな施設の風景や動物だ~い好きな管理人の想いなど、
毎日だらだら書いてます。良かったら寄ってって。

最期のとき…

2008-10-01 14:04:46 | Weblog
今日はちょっと真面目な話。

これまで何回かお客様からお問い合わせいただいたことがある。

「これ以上看られないので、どうにかなりませんか?」

まず、第一に、施設はお亡くなりになった子をご供養する
場所なので、お預かりすることはできません。

それでも、電話の向こうの切羽詰った飼い主さんの様子が
ヒシヒシと伝わってくるので、非常に辛い。

ワンちゃんやネコちゃんにも痴呆があります。
同じ場所をぐるぐると歩き回る。
狭い場所に無理やり入り込む。
昼夜逆転し、夜になると鳴き始める。
そんな症状が出てきます。
足腰が弱くなれば排泄の世話が必要になるし、
当然、食事の介助も…。

「仕事もあるし、もう家族も限界なんです」

そんな声を聞くと「最期まで面倒を見るのが飼い主の義務です」
なんて、杓子定規な言葉は出てこない。

お客様の中に、夜になると鳴き始めるワンちゃんの介護で
1年間パジャマに着替えることができなかった方がいる。

寝たきりのワンちゃんに床ずれができないように、10分おきに
体位交換をし続け、腰を痛めた方もいる。

本当に頭が下がる…。
だからといって、それが当然だと決めつけることはできない。

20年以上前に父を看取った。
余命3ヶ月を宣告され、2ヶ月と2週間で逝った。
時に痛みでもがき苦しみ、7本もの点滴につながれた体。
夜になると痛みが増し、2人がかりで体を押さえつける日々が続き、
心身ともにボロボロ状態。
どうせ助からないならもういい!
正直、そう思ったこともあった。

動物も人間も介護の大変さは同じ。

すぐに安楽死を勧める獣医さんと、
どんな状態であっても安楽死はしないと
言い切る獣医さんがいる。
どちらも獣医さんなりの考えがあってのことなので、
否定も肯定もできない。

病気や高齢など、ケースは様々だろうが、
助けられない命に直面したとき、
飼い主としてどうすればいいのだろう…。
答えはなかなか見つからないし、もしかしたら正解はないのかもしれない。

施設に訪れるお客様からよく聞く言葉。

「あの時、こうしていたら…」
「もう少し、早く気付いてあげれば…」
「これも食べさせてあげたかった…」

大変だった闘病や介護生活を聞き、
それ以上は無理でしょう…と思う方からも
こうした言葉が発せられる。

どんなに一生懸命に看たとしても、大切なペットを亡くし、
喪失感を知った時には必ず「もし、あの時」という後悔が
頭をもたげてくる。

「後悔しないように…」というのはなかなか簡単に
できるものではない。

だから、せめてその後悔が少しでも減るように、
元気な時にたくさんの楽しい想い出を作ってあげて下さい。
そして、長く一緒にいたあなただからこそ分かる、あなたにしか
分からないワンちゃん・ネコちゃんの気持ちを汲み取って
最期の時を迎えて下さい。

大丈夫!
必ず最期は「バイバイ! ありがとう」って
虹の橋を渡って行きますから。




    いっぱい走って、いっぱい遊んで、
    いっぱい笑って、少しでも長く
    一緒にいようね
    それが飼い主さんみんなの願いだから。