遅ればせながら古本屋で見つけたので読んでみました。なんとまあ面白い本なんでしょうか。しかも読んでるうちにレースひらひらのロリータちゃん達の気持ちがわかってきちゃいました。ついでにヤンキーちゃん達の気持ちも。嶽本野ばらってただの気味悪いおじさんだと思っていたんですが、ロリータを愛する気持ちの奥深さを知った今は違います。もう街中でメイド姿の女の子を見ても「なんじゃありゃ」なんて思いません。なぜなら私もロココを愛する気持ちが理解できたから。…なーんちゃって。でも「なんじゃありゃ」と思わないのは本当です。いい本読んじゃったな~(遠い目)。
これまたなんて暗い話なんでしょう。短編集なんですが救いのない話ばっかりです。作者が若竹七海ですから当然と言えば当然ですがそれにしても暗い。…でも面白い。私ってフ・ク・ザ・ツ。主人公は渋谷で勤務する刑事、一条風太。彼がある事件をきっかけに人の残留思念を読む事が出来る井伏美潮という女性と知り合うことからこの話は始まります。ところで、この井伏美潮は友人のオフィスの一角を借りて「悩み相談」を開業しているんですが、なんと美潮の友人は輸入代理店を開いていて扱っている商品は香港・台湾からのCDやビデオだっていうんですよ。ひゃ~びっくり。香港を愛する私には心憎い設定であります。この小説が書かれたのは1995年。「恋する惑星」が世界に衝撃を与えた(大げさ?)のが1994年ですからまだまだ香港映画が日の目を見ていなかった頃にこんな小説を書いていたなんて、ますます若竹七海が好きになっちゃいました。
小型旅客機がハイジャックされ、犯人の命令でアンデス山脈の高所に無理やり不時着させられることに。ところが着陸時に機体は激しく損傷。犯人も死んでしまう。生き残ったパイロットと乗客の9名は高山病と戦いながらも救助を求めて下山を始めるが、そこに待ち構えていたのは武装した男達だった…。
1980年に刊行されて絶版になっていた冒険小説が再出版されました。そこまでするなら面白いに違いないと買っちゃた私です。…私にしては珍しくアタリでした。なんといっても武装勢力に立ち向かう乗客達の武器がスゴイんです。廃村に捨てられていた金属片で作った弓矢と投石器!なんかもう「ザ・冒険小説」って感じで面白かったです。オススメですよ~。ちなみにイラストはフラウ・ボゥ。弓矢はクロスボウ。…おあとがよろしいようで。
1980年に刊行されて絶版になっていた冒険小説が再出版されました。そこまでするなら面白いに違いないと買っちゃた私です。…私にしては珍しくアタリでした。なんといっても武装勢力に立ち向かう乗客達の武器がスゴイんです。廃村に捨てられていた金属片で作った弓矢と投石器!なんかもう「ザ・冒険小説」って感じで面白かったです。オススメですよ~。ちなみにイラストはフラウ・ボゥ。弓矢はクロスボウ。…おあとがよろしいようで。
旅先から送ってこられたら困るようなカスのような絵ハガキ、それが「カスハガ」。日本全国にひっそりと存在するプリティなカスハガ達を詰め込んだのがこの本です。なんでも雑誌モーニング誌上で「あなたの身の回りにカスハガ落ちてませんか」と募ったところ何千枚と応募がきたそうな。カスハガ恐るべし。そんな中から選りすぐったカスハガ達の魅力をみうらじゅんが時には突っ込み、時には呆れながらマンガで解説。このマンガがいいんですよね~。オールカラーなんで結構値が張りましたがこれなら惜しくありません、ハイ。ちなみにイラストは「カスハガ・ベスト10」の中の一枚です。オリジナルは二人の胸が丸見えです。…爆笑です。
読み終わったのに感想を書くのを忘れてました。物凄く暗い話でしたが面白かったです。ドラマよりも民子(米倉涼子)が情けない感じでした。宝石をデザインするわけでもなく、一日中鬼頭洪太(平幹二郎)の世話(世話と言ってももちろん食事の支度などではありません。念のため)。この状況を利用して自力でなんとかしてやろうという米倉のような気概は微塵もなく、「ねーおじいちゃん、私の将来のことちゃんと考えてくださいね!」なんてシナをつくっちゃってます。むむ~これはこれで面白い。ドラマはどんなラストになるのか楽しみです。
ところで某巨大掲示板の「けものみち」のところを読んでいたら「ミキティ」と呼ばれている人がいて誰だろう…と思ってたら平ミキ二郎のことでした。ぷぷぷ。
ところで某巨大掲示板の「けものみち」のところを読んでいたら「ミキティ」と呼ばれている人がいて誰だろう…と思ってたら平ミキ二郎のことでした。ぷぷぷ。
ドラマ「氷壁」の原案となった井上靖の小説を読みました。読み始めてびっくり。登場人物の名前がドラマと違う!小説では魚津恭平→奥寺恭平。小坂乙彦→北沢彰。…この法則のよくわかんない変更はなんなんでしょ。もうひとつびっくりしたのが山男を狂わせる魔性の女美那子(鶴田真由)の生まれ年。なんと大正14年!ひゃーっ、この小説ってそんなに昔の話だったのね~としみじみ。まぁそんなこんなで驚きの連続でしたが話は面白かったです。NHKがわざわざ「原案」とするだけあって話はほとんど別物なのでドラマを楽しみにしている人が読んでもあまり問題はなさそうです…たぶん。夢枕獏の「神々の山嶺」を読んだ時にも思ったんですが、山男ってほんとカッコイイですよね。まさに「男の世界」って感じ。…こんなこと言ったら田島陽子センセイに叱られちゃうかしら。
前に読んだままほったらかしていた本の感想をひとつ。作者が馴染みのない名前ですがそれもそのはず、イタリア人なのでした。なんで読んだこともないイタリア人法廷ミステリーを買ってしまったのかというと、これまた帯なのでした。だって「ジェフリー・ディーヴァー激賞!」って書いてあったんですもん。きゃーっまたどんでん返しの連続だわ!とウキウキしながら読み始めました。…結果はどんでん返しの連続どころか、とてん返しくらいでした。期待していただけにがっくり。最初から「妻に逃げられ、失意のどん底にある弁護士が徐々に自分を取り戻していく物語。おまけにちょっとだけびっくりする法廷シーンも」って言っててくれりゃあそれなりに楽しめたのにな~と思います。宣伝文句信じちゃダメですよね。…わかっちゃいるんですが。ところで今回のイラストは「刑事コロンボ」です。イタリア人つながり…苦しいですね~。「刑事コロンボ」大好きだからいいんです。
言わずと知れた大河ドラマの原作です。私は「国盗り物語」「燃えよ剣」「新選組血風録」が大大大大大好きなのでわくわくしながら読み始めました。…ところがですね、読んでてもあんまり気分が乗らないんですよ。なぜかというと、千代(山内一豊の妻:仲間由紀恵)のことが好きになれないからなんです。なにしろ物凄く「出来た嫁」。決してでしゃばることなく夫をおだて、夫に気付かれないように進むべき道をほのめかし、夫は出世街道まっしぐらですもん。…やっぱり軽くムカつく。私が「出来てない女」だからでしょうか。続きを買うのは頭を冷やしてからにします。
「ラッシュライフ」が面白かったのでデビュー作も読んでみました。いや~びっくり。かなりシュールでした。だってこの小説の舞台はなんと、江戸以来150年もの間外部との交流を持っていない孤島(!)で、しかもそこには言葉を話し、未来を予知するカカシ(!!)がいるんですもん。…んなアホな。この設定を受け入れられたら面白いし受け入れられなかったらつまんないって感じです。私はまあまあでした。いまひとつ受け入れられなかったので「ラッシュライフ」ほど面白くなかったけど、怒るほどつまんなくもなかったです。むーん、微妙。書評では結構褒められてますがどうなんでしょうね~。
突然ですがここでクイズ!絵の人物は何の登場人物でしょう?…どうか通じますように。←ペコペコの祈り。
突然ですがここでクイズ!絵の人物は何の登場人物でしょう?…どうか通じますように。←ペコペコの祈り。
博士だからハカセ…すみません。
寺尾聡と深津絵里で映画化されたので原作を読んでみました。交通事故によって80分しか記憶がもたない数学者と、そこに雇われた家政婦とその10歳の息子の話です。もう読む前から悲しいです。だって毎日毎日お世話したって博士にとっては会う度に初対面なんです。普段はなんとも思ってないけど「時を重ねる」ってすごく重要なことなんですね。今回は珍しくしんみりしちゃいました。ドラマチックさのかけらもない淡々とした話だし、家政婦さんにはイマイチ感情移入できませんでしたが博士と息子のやり取りは良かったです。数学にしか興味のない博士だけど…というよりそうだからこそ、なんのてらいも打算も計算もない深い愛情を息子に注ぐシーンには鬼の私でもやられました。地味だけどいい話です。
寺尾聡と深津絵里で映画化されたので原作を読んでみました。交通事故によって80分しか記憶がもたない数学者と、そこに雇われた家政婦とその10歳の息子の話です。もう読む前から悲しいです。だって毎日毎日お世話したって博士にとっては会う度に初対面なんです。普段はなんとも思ってないけど「時を重ねる」ってすごく重要なことなんですね。今回は珍しくしんみりしちゃいました。ドラマチックさのかけらもない淡々とした話だし、家政婦さんにはイマイチ感情移入できませんでしたが博士と息子のやり取りは良かったです。数学にしか興味のない博士だけど…というよりそうだからこそ、なんのてらいも打算も計算もない深い愛情を息子に注ぐシーンには鬼の私でもやられました。地味だけどいい話です。
篠田真由美を初めて読みました。この人は「建築探偵桜井京介」シリーズで有名です。なんで突然買ってみたかというと帯に「恩田陸との対談収録」とあったからです。いや~相変わらず踊らされてます。内容をサックリ説明すると吸血鬼の話です。ジャンルで言うと伝記モノ。シリーズになってるらしくて次回作(「東日流妖異変」)も文庫になってます。感想は…まあまあでした。本編より対談のほうが面白かったです。二人が菊地秀行について語ってるとこなんて特にうれしかったです。なんせ菊地秀行といえば「エロス&バイオレンス」。大っぴらには好きって言いにくいな~と常々思っていたので、この二人も好きなんだとちょっと安心。ちなみに次回作の巻末対談は菊地秀行。…そこだけ立ち読みしちゃいました。へへへ。菊池秀行のオススメは「魔界都市ブルース」シリーズ。主人公の秋せつらがおーっそろしく美青年でめーっちゃくちゃ強くてステキです。
この前、私の好きな若竹七海の新刊「心のなかの冷たい何か」が出ていたので買いました。ところが読んでびっくり、なんかこれ読んだことがある!新刊なのになんでだーっと思って調べたら、バブルの頃に出版されて一度絶版になっていたものが復刊ドットコムで復刊されていたのでした…。(それで昨日のネタが復刊ドットコムだったわけです、ハイ)そういや図書館で借りたような。いや~やっちゃいました。ただ、犯人を覚えてなかったのでたいして問題はないんですけどね。面白かったです。この人は本当に人間の毒を書くのがうまいです。この人の本はたいてい後味悪いですよ~。でも好きです。あはは。ところでこの本には毒殺マニアが出てきます。しかもグレアム・ヤング好き。…ちょっと前のニュースを思い出しませんか?若竹七海、時代先取りです。と思ってたらあとがきに「現実に追い越されてしまった小説としてひっそりとほったらかされていた」って書いてました。若竹さんからすると先取りじゃなくて追い越されちゃったことになるのか、へ~って感じです。
ちなみにイラストはチョウセンアサガオ。トロピン系アルカロイドを含む有毒植物です。この小説を読むと身近に有毒植物や有毒成分があることがわかって結構怖いです。
ちなみにイラストはチョウセンアサガオ。トロピン系アルカロイドを含む有毒植物です。この小説を読むと身近に有毒植物や有毒成分があることがわかって結構怖いです。
復刊ドットコムというサイトをご存知ですか?今は絶版になってしまった本などを「どうしても欲しい!」とリクエストすると、リクエストが多ければ復刊してくれるという夢のようなサイトです。ぼんやり見ていると「あっこれ私ももう一回読みたい」なんて本が出てきて面白いです。そんな中で見つけたのが私も持ってるこの本。江戸川乱歩賞受賞の推理小説なんですがいつの間にか絶版になっていつの間にか復刊されててびっくり。この本、超オススメです。なんとあの「楽聖」ベートーヴェンが弟子のチェルニーとともにモーツァルトの子守唄に隠された謎を暴くんです。しかも二人のやりとりがまるで漫才。いや~面白い。その上イラストが魔夜峰央なんです。最高。
新年早々申し訳ないですがイラストは駄洒落です。本とは全く関係ないので「伊佐坂先生出るんだ~」なんて誤解しないでくださいね。…しないか。初めて読んでみた伊佐坂…じゃない伊坂幸太郎。平行して進む4つの物語に最初はとまどいましたがすぐ慣れました。と思ったらなんだか不条理な展開に。こりゃとんでもない本を買ってしまったか?!と不安になったところでさらに急展開。最後は「んまぁっ!やられたワ!」とすがすがしい気分になりました。面白かったです。登場人物の会話が気が利いてるところも良かったです。デビュー作の「オーデュボンの祈り」も読んでみるかな。
この本の作者って有名な脚本家なんですね~。帯の「2006年1月ドラマ化」(主演は篠原涼子…絵が似てない?重々承知しております)に釣られて買っちゃっただけなので読んでびっくりしました。でもなんか納得。物凄い斬新な文章だったのは普通の小説家じゃなかったからなんですね。なるほどなるほど。…でも私は苦手な感じでした。しかも始まりが猟奇殺人。裏表紙に書いといてくれー!怖いかったよー!…はぁ。疲れました。ドラマも見るかどうか迷ってます。…はぁ。