農園の愉しみ, 感動の種を蒔きたい。

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畑のエピソード(エッセイ)
畑の感動(写真)

街道に 馳せる思いや 唐辛子

2018-08-23 08:24:34 | 日記
夏の盛りが過ぎ農園に変化が現われています。ナスの収獲が最盛期を迎え、毎年大収穫となる里芋の水やりや土寄せに汗を流すことが多くなります。酷暑の多い今年は、なおさらです。また今年は、鮮烈な黄色い大輪が目を楽しませてくれた向日葵の季節が終え、代って真っ赤な唐辛子が色付き始めました。江戸時代に高遠内藤藩の江戸下屋敷で栽培されていた、内藤とうがらしの復活運動に携わっていたスローフードの仲間たちと、ここ上野原の農園で栽培を始めて、まる7年を数えますが、毎年極寒の1月から苗作りを行い、失敗のない収穫を迎えています。唐辛子だけに、自慢の種というワケです。この内藤とうがらしは、鷹の爪とは違った八つ房と呼ばれる唐辛子の一種で、空に向かって房状に実り、真っ赤な絨毯が広がるように見えます。江戸時代この内藤とうがらしは、内藤藩の下屋敷の一角に作られた追分宿から甲州街道を通じ、周辺の村々に栽培範囲を広げたものと推察されますが、奇遇なことに、この下屋敷と上野原は、今も甲州街道で結ばれています。甲州街道から甲斐に入ると、江戸・日本橋から数えて18番目の宿場が上野原宿。今を遡る9年前、鶴川べりの畑や、野田尻宿の兼業農家の庭先で、真っ赤に実った唐辛子に遭遇。鷹の爪のようであり、八つ房唐辛子のようであり、それとは違うようであり、内藤とうがらしが、参勤交代や茶壺道中、文人墨客など、甲州街道の往来を通じ、この地に定着したのでしょうか。ただこの界隈の人たちは一様に、唐辛子を「なんばん」と呼ぶようですが、関東以北、東北、北陸、北海道等には「なんばん」と呼ばれる細長い唐辛子があります。この矛盾。唐辛子に秘められた、江戸のロマンを収穫したいものです(ストロー・ハット)







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