沈黙の春

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中国の噂。。。何故か歯切れが悪い

2012-09-13 11:30:41 | 中国

木語:なぜか歯切れが悪い=金子秀敏

毎日新聞 2012年09月13日 東京朝刊


 <moku−go>

 中国の習近平国家副主席の姿が最近、見えないと新聞各紙が書いているが、実は、それどころではない。暗殺未遂事件が起きたといううわさが流れている。真偽が確認できないので持って回った書き方になっているのだ。

 出所は「博訊」というサイトに9月9日流れた記事だ。2時間で削除されたが、他のサイトに転載され広がった。

 こういう話だ。4日夜、習副主席の乗った車が、両脇から2台の大型ワゴン車にはさまれ大破した。後部座席にいた習氏は昏睡(こんすい)状態で301病院に収容された。いまは意識がはっきりしている。

 ほぼ同じ時刻に、賀国強・党中央規律検査委員会書記の車が、後方から追い上げてきた大型トラックに追突され、路側に転倒した。賀氏も301病院に搬入されたが重体。

 2人とも共産党の最高指導部である党中央政治局常務委員会のメンバーである。ただちに党中央が秘密会議を開き、暗殺未遂事件と断定し、「軍警関係者」を2人拘束して取り調べた。

 2人は、失脚した薄熙来前党政治局委員の支持者で、薄氏を追い落とした胡錦濤国家主席、温家宝首相、習氏、賀氏の4人に復讐(ふくしゅう)を計画した。胡、温両氏は警備が厳しかったので、習、賀両氏を狙ったという

話はこれで終わらない。党中央は、薄氏を支持してきた周永康・党中央政法委員会書記(党中央政治局常務委員)の関与を疑っている。事件当日、周氏は薄氏の妻に執行猶予付きの死刑という緩やかな判決を下した安徽省合肥の裁判所を視察していた−−。

 このうわさには、交通事故と政治陰謀の二つの要素がある。陰謀のほうは確認しにくいが、交通事故がデマならすぐテレビのニュースに当人が出てくれば簡単に否定できることだ。

 習副主席は5日に予定されていたクリントン米国務長官ら外国要人との会談をキャンセルした。中国側は米国側に「背中の負傷」と説明したという。10日のデンマーク首相との会談も予告されたのになかった。賀氏も12日やっとメディアに動静が出た。

 外務省の記者会見で、外国人記者が暗殺計画の真偽をたずねた。報道官は「あなたに伝える情報はない」と微妙な回答をした。普通は「根拠のないデマ」と答えるのに、妙に歯切れが悪かった。

 しかし、この間、胡主席がロシアへ行き、温首相が雲南省の地震視察に出た。北京を空けていられる。だから陰謀話は混乱を狙った謀略デマという見方もあった。だが、歯切れの悪さで、うわさがうわさを呼んだ。(専門編集委員)

http://mainichi.jp/opinion/news/20120913ddm003070169000c2.html


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