沈黙の春

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米電力大手、原発新設計画を撤回 ガス価格下落で

2012-09-03 18:33:38 | 原発関連

【ニューヨーク=小川義也】米電力大手のエクセロンは28日、南部テキサス州の原子力発電所の新設計画を撤回すると発表した。米国で新型天然ガス「シェールガス」の増産によりガス価格が下落。米経済の低迷で電力需要も伸び悩み、原発新設は相対的に高コストで「経済性が合わない」と判断した。

 エクセロンは米原子力規制委員会(NRC)に、2010年に提出した予備的な認可申請の取り下げを通知した。

 同社は米国内で合計10カ所(17基)の原発を運営する。テキサス州南部のビクトリア市近郊に、原発2基を新設する方向で検討していた。原子炉のメーカーは決まっていなかった。

 米国では国内の天然ガス埋蔵量を約100年分に増やした「シェールガス革命」の影響で、ガス価格が約10年ぶりの水準に下落。今後も低位安定するとの見方から、ガス火力発電の優位性が高まっている。

 一方、原発の建設コストはガス火力発電所の約5倍とされ、福島第1原子力発電所事故を踏まえた安全対策の強化で一段の上昇が見込まれる。エクセロンは声明で「原発の新設は今も近い将来も経済性が合わない」と説明した。

 米国は今年、1979年のスリーマイル島原発事故以来34年ぶりに原発の新設計画2件を相次ぎ認可した。ただNRCは今月中旬、原発から出る使用済み核燃料の取り扱いに関する新たな指針を策定するまで、新設や既存原発の運転延長の認可を凍結する方針を発表。電力業界の動向が注目されていた。

 米国では別の電力大手NRGエナジーも昨年4月、福島第1原発事故の影響で「規制動向など先行きが不透明になった」として、東芝とテキサス州で進めていた原発2基の新設計画への投資を打ち切った。同計画の認可申請は取り下げられていないが、事実上計画は宙に浮いている。



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