沈黙の春

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東電値上げ公聴会、単なるガス抜きかと怒る利用者

2012-06-08 11:45:10 | 原発関連

東電公聴会 値上げに利用者厳しい声東京新聞昨日の夕刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012060702000222.html

東電は平均10・28%の値上げを求めているが、多くの利用者から厳しい声が上がった。

 午前九時から始まった公聴会では、事前に申し込んだ利用者十人がそれぞれ、東電の西沢俊夫社長らに直接値上げの理由について意見や質問を述べた。

 意見陳述した塚田悟さんは「東電の経費削減努力は不十分で、値上げは地域独占の既得権による甘え。消費者を無視した体質の改善が重要だ」と指摘。値上げの前提として、さらなる人件費削減や発電部門と送電部門を分ける発送電分離による競争促進を求めた。西沢社長は「徹底した合理化を進めているが、燃料費の増加をまかなうことは非常に難しい」と釈明した。

 静岡市沼津市の学習塾経営工藤崇さん(48)は「原発は絶対に安全と言いながら福島の事故を起こした国や電力会社などの『原子力ムラ』が責任を取ることが、値上げを認める条件だ」と述べ、原発推進政策の見直しを求めた。

 東京都板橋区の翻訳会社経営坂井正明さん(54)は「家庭向けで九割を稼ぐ利益構造や、大企業平均より高い給与水準を維持すると知った。国民感情として、値上げを受け入れるのは難しい」と反対を表明した。

 午後からは、消費者団体や中小企業団体の代表者ら計十人が意見を述べる。公聴会での意見は、枝野幸男経産相が値上げの可否を最終判断する際の参考にする。

 経産省は当初、一日あたり五十~七十人の参加を見込んでいたが、東京は平日開催であることなどから大幅に下回った。インターネットを通じた意見募集には六百十五件(四日現在)が寄せられている。公聴会は九日にも、さいたま市で開かれる。

 東電は福島第一原発事故に伴う原発の停止で、火力発電用の燃料費が急増し、経費削減しても年間約六千七百億円が不足するとして七月からの値上げを経産省に申請している。

東電公聴会 怒る参加者 「ガス抜きだ」人件費に批判集中

今日の朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012060802000119.html

東電の言い訳やはぐらかしが目立ち、経産省側は回答の先送りに終始した。結局、やりとりはかみ合わず、意見を述べた参加者からは「利用者の不満のガス抜きに利用されただけ」との冷めた声も聞かれた。

 公聴会では一般の利用者十人と、経産省が依頼した消費者団体や中小企業団体の代表ら十人が意見を述べた。値上げを全面的に容認する声は一握りで、徹底した経費削減の取り組みがない中での値上げには反対という意見が大勢を占めた。

 特に人件費をめぐっては、削減後に大企業平均年収(五百四十三万円)を下回るのは二〇一二年度だけで、一三年度以降は約五百七十万円とする点に批判が集中。東電の西沢俊夫社長は「社員20%、管理職25%のカットは続ける」と釈明したが、公的支援を受ける企業として適切かどうかについては言及を避けた。

 料金の原価計算の前提に、一三年四月からの柏崎刈羽原発の再稼働を盛り込んだ点にも反対が相次いだ。元東電社員の鈴木章治さん(72)=神奈川県横須賀市=は「原発は危険と声を上げた社員は社内で差別を受けた。安全神話に固執し反省もなく、原発再稼働を前提とする値上げには反対だ」と東電の内情を交えて訴えた。

 西沢社長は「安全と地元の理解が大前提だ。決して再稼働ありきではない」と繰り返す一方で、「電力の安定供給には原発は必要だ」と再稼働に固執する姿勢ものぞかせた。

 一方、経産省側は回答の先送りに終始。利用者の質問に、資源エネルギー庁の蓮井智哉企画官が「第三者の電気料金審査専門委員会で検討する」と何度も連発したため、会場から「同じことばかり言うな」とヤジが飛ぶ場面もあった。

 公聴会を東京と埼玉での二回しか開かない経産省の運営にも「あまりに拙速で、利用者をないがしろにしている」(山梨県消費者団体連絡協議会の斉藤いずみ事務局長)との批判が出た。

 意見陳述した東京都杉並区の元高校教諭山崎嘉永さん(79)は公聴会後、「結局、利用者のガス抜き大会だった。経産省も東電も『検討します』の回答で、不満を言わせているだけ。こんな公聴会なら何回やっても同じだ」と話し、公聴会の存在意義に疑問を呈した。

 <公聴会> 国民生活にかかわる重要政策について、申し込みのあった国民から意見を聞いて、政策に反映させる場。電気料金を改定する際には、経済産業相は公聴会を開いて、広く一般から意見を聞くことを、電気事業法で定めている。東京電力の電気料金の値上げ申請をめぐり公聴会が開かれるのは1980年以来、32年ぶり。公聴会での意見は今後、枝野幸男経産相が値上げの可否を判断する際に参考にする、とされている。



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