沈黙の春

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【中国書記官スパイ疑惑】

2012-05-30 12:19:00 | 中国

情報根こそぎ 摘発は戦後わずか6件

2012.5.30 01:21 (1/2ページ)

 在日中国大使館の1等書記官(45)に29日、スパイ疑惑が浮上した。中国の諜報活動は情報提供者に警戒されないよう巧妙に接触する「特殊性」から把握することが難しく、警察当局が戦後に摘発した事件は6件にとどまる。今回の捜査は5年間の行動確認で実を結び、野放しになっている諜報活動への牽制と評価する声も上がっている。

合法的に活動

 

 「ロシアや北朝鮮のようにピンポイントで情報を狙ってくるのではなく、中国の場合は大使館員や新聞記者、留学生らが合法的に活動を展開し、大きく網をかけて公開情報も含むあらゆる情報をごっそりと持ち出して分析している」

 中国の情報収集活動の実態について、警察庁の幹部はこう指摘する。

 情報提供者に警戒されないよう特定の資料を求めない半面、入手できる情報は強力な掃除機で吸い取るようにすべて集める-。その特徴から「真空掃除機型」といわれる。

 米連邦捜査局(FBI)の元主任分析官、ポール・ムーア氏は2001(平成13)年8月24日付のワシントン・ポスト紙に「(中国の諜報活動は)スパイのように見えず、スパイのように行動もせず、秘密情報を大量に盗みもしない」と寄稿している。

 警察庁によると、中国からの貿易継続の見返りに日本で軍事・産業技術の情報収集活動を展開していた香港在住の中国人貿易商が昭和51年、警視庁に外為法違反容疑で逮捕されたのを皮切りに、研究文献流出事件(53年)▽横田基地中ソスパイ事件(62年)▽国防協会事件(平成15年)▽中国事業顧問事件(18年)▽中国人技術者による社内データ不正入手事件(19年)-の6件が摘発された。

 だが、北朝鮮の約50件、ロシアの約20件と比べて少ない。中国の諜報活動の巧妙さが摘発の難しさの背景として挙げられる

 

日本人も利用

  中国の情報機関の要員は、対日関係機関の職員や外交官、留学生など多様な身分を隠れみのにして日本に合法的に入り込む。

 日本人をエージェントとして獲得・利用する巧妙な手口での情報収集や工作も行い、摘発の網にかかりにくいようにしている。さらに、軍需工業などのハイテク化を図るため、多数の研究者や技術者、留学生、代表団などを派遣し技術・知識の取得に当たらせている。

 米下院情報特別委員会は2000(平成12)年、米中央情報局(CIA)とFBIの共同報告書を公表。中国は1990年代初頭から対米スパイ活動を活発化させ、在外公館に駐在する外交官が情報収集を進めていると指摘していた。

狙いは牽制

 

 中国の諜報活動の摘発が困難な中、公安部は書記官を平成19年7月の大使館入り直後から、要注意人物としてマークしてきた。その結果、20年の口座開設(ウィーン条約違反)と外国人登録証明書の不正更新を突き止めた。

 出頭要請のタイミングが日本固有の領土である沖縄・尖閣諸島などをめぐる日中関係の先鋭化と重なり、さまざまな臆測を呼んでいるが、警視庁幹部は「違法行為を確認したので、淡々と処理するだけ」と話す。

 中国大使館員の任期は5年の場合が多く、書記官も今年7月に帰国する可能性が高まっていたことも、出頭要請の時期と関係があるようだ。

 警視庁幹部は「何事もなく帰国させれば、再び来日する可能性があった。出頭しないなら、日本でこれ以上違法行為をさせないように出国させるしかない」と諜報活動への牽制を示唆している

 



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