農水省、迷走の連続…牛肉セシウム「二重基準」(読売新聞) - goo ニュース
(読売新聞)
牛肉など食品に含まれる放射性セシウムの数値をめぐり、農林水産省の姿勢が定まらない。
同省は昨年、世界的にも厳しい新規制値に関し、牛肉については適用を遅らせるよう求めたが、今年3月になって一転、自治体に前倒しを促すなど、あやふやな対応で実質、「二重基準」の状態に陥っている。新規制値が導入された4月以降も、流通や小売りにより厳しい独自基準の自粛を通知し、直後に鹿野農相が打ち消すなど迷走の連続だ。
厚生労働省は昨年12月22日、新規制値案を提示した。従来は「肉・卵・魚・その他」は1キロ・グラムあたり500ベクレルだったが、4月から同100ベクレルに厳格化するなどの内容。ただ牛肉は、生産者への配慮を訴える農水省の強い要望で適用を半年猶予し、同500ベクレルが維持される経過措置が設けられた。
ところが農水省は3月9日、新規制値を前倒し適用し、同100ベクレルを超える牛肉が出た場合、生産者らに廃棄を要請するよう自治体側に求める通知を出した。
担当の同省食肉鶏卵課は、「牛肉は冷凍で長期保存される。基準が厳しくなる秋に向けて、暫定規制値時代の牛肉を減らすためだ」と消費者を意識した狙いを説明する。しかし、不審に思った畜産農家から「経過措置があるのに、新規制値を超えたら出荷できないのか」と問い合わせを受けた自治体もある。通知に従い群馬県は4月5日、同100ベクレル超のケースで販売自粛と廃棄処分を生産者に求めた。
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