放射性物質飛散による食への不安が高まる中、先週末から三春町のコミュニティカフェ「おりょうにおまかせ」に簡易型放射能測定器が設置されている。
これは、小林伸行・横須賀市議による「横須賀市における放射性物質による食品への影響調査」として行われているもの。
市内に出回っている食品の汚染の実態を知るため、市民や農・漁業関係者、流通業者などに無償ボランティアとして調査協力を依頼するというシステムだ。実施者による政務調査のため、依頼者に別途測定結果を伝えるという形式はとっていない(測定の見学は可能)。実施期間は9月30日までで、まずは、この間に集めたサンプルをもとに調査結果をまとめ、公表していく方向だという。
「市民簡易測定所」は議会で不採択
今年3月の市議会では、市民から「横須賀市市民放射能簡易測定所の設置」に関する請願が出されたが、担当部局は「現状として、県内で生産されている農海産物の放射能検査と結果の公表は随時行われている」と回答。
また、精密な測定機器(ゲルマニウム半導体検出器)は高額だということ、簡易測定器を用いて、仮に高い数値が出た場合、市としては正確な数値を測り直す必要性が生じる―などの理由から不採択という結果になっている。
ただ、近隣では茅ヶ崎市が3月、市役所に食品等の測定器を設置し、持込での測定を開始。藤沢市でも市民団体と協働で市役所内に測定器を設置している。
また、県内では独自に「市民測定所」を開設する民間団体もあるという。「横須賀市内でも昨年来、この請願を含めて、測定のできる場所があれば、という声もあり関心が高いと感じている。市内の実態調査として、できるだけ多くの測定サンプルを集めることができれば」と小林議員は話す。
今回の測定では、同店内の『小箱ショップ』に、検出限界が約20Bq(ベクレル)/kgの簡易型ベクレルモニターを設置。同店のスタッフに測定作業を委託しており、測定時間は午後1時から6時15分の間、1コマ45分で予約制。1回につき1検体(細かく刻むなどしたもの500ミリリットル分、土壌などは応相談)。実施に関する問い合わせは【携帯電話】070・6640・3927(小林議員)へ。測定予約は「おりょうにおまかせ」【電話】046・822・4170、店舗は三春町1の1(横須賀三春西郵便局近く)。
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