今、若い世代のがんが増えているという。婦人科系、なかでも乳がんの発症時期が低年齢化しており、若いころからがんを作り出す体になるという、恐るべき現象が起きているそうだ。現場で数千人以上のがん患者の食生活をみてきたという、管理栄養士の幕内秀夫氏は、「乳がんにかかった方は『食』に問題が多い」と話し、乳がんと食生活の関係について次のように指摘する。
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乳がん患者に共通した食生活、それは「カタカナ食」です。朝はパンとハムエッグにサラダ、コーヒー、ヨーグルト。昼はパスタやピザ......。40代以上で7割、20代、30代で8割もの乳がん患者が朝にパンを食べているのです。
パンが悪いという話ではなく、パンを常食にすると必然的に高脂肪な食事になるよという話。パンにはバター、コーヒーにミルクを、サラダにドレッシングやマヨネーズと、無自覚に高脂肪型食生活になっているわけです。
それが女性ホルモンの過剰を招き、婦人科系の病気を増やしている。
パン食に合うハムやソーセージなど食肉加工品は、脂肪分だけでなく添加物も入っています。さらに、マヨネーズ、ケチャップ、ソースといった調味料も見直したい。調味料の頭文字をとって、「マヨケソ」と私は呼んでいますが、砂糖や油が多く、カタカナ食に合う。加わることでどんな料理もおいしく感じる。マヨネーズは日本人の口に合いますが、スナック菓子以上の脂質が含まれることを自覚してほしいのです。
※週刊朝日 2012年7月13日号
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/20558?page=3
---肉牛・乳牛への汚染をゼロにはできない、いかに基準値内に抑えるか。その「技術と工夫」を現地の農家・畜産家に見た
果物畑が拡がる山裾の道をドライブすると、次々に観光果樹園や、店先に梨、桃、リンゴ、ブドウなどを並べた直売店が目に飛び込んでくる。福島市の西側に広がる吾妻連峰の麓を走る県道5号線は、約14kmにわたり「フルーツライン」の愛称で親しまれる観光スポットだ。
例年なら今頃は、県外のマイカーや大型観光バスが列をなし混雑する。が、今年は様相が一変した。すれ違う車は地元の福島ナンバーばかりで、店に立ち寄る客も少ない。ある店で車を停めると、店主が笑顔で迎え入れ、すぐに桃2個と梨1個をむいてくれた。
「今年は天候も良かったのでとても美味しいですよ。でも、観光客は9割も減った。果物が余っても処分するのにもおカネがかかるから、店に来てくれた人には皆さんに食べてもらっているんです」
店主はそう話しながら、
〈桃18・4ベクレル 梨17・5ベクレル ぶどう5ベクレル〉
と、記したメモを示した。
「皆さん、セシウムの数値を気にされるので、農家で行った検査結果を見せています。これは9月9日の数値。ただ『大丈夫ですよ』と言うより、数値を伝えたほうが安心するでしょ。国の基準は500ベクレルです。果物は一人で何㎏も食べるものじゃないし、大丈夫ですよね」
一生懸命、そう説明するのである
福島県産の農産物が苦しんでいる。果物だけでなく、野菜も米も肉も牛乳も、あらゆる物が放射能汚染を疑われ、消費者離れを起こしているのだ。福島ブランドに再生の途はないのか。本誌は25年前に原発事故を起こしたロシア(旧ソ連)・チェルノブイリ周辺のウクライナ、ベラルーシに飛び、放射能汚染に対する農業政策の実態を取材した。そこで見たものは、「放射能との共存」を大前提にした農業だった。前号に続き現地ルポをお届けする。
プルシアンブルーの効果
今回、本誌が向かったのは、チェルノブイリ原発から約50km圏にある農業エリアだ。この周辺は「中程度汚染地域」にあたる。詳細は後述するが、原発事故直後から政府の政策で様々な除染が試みられてきた。ウクライナ人のガイドが言う。
「'86年4月の事故直後、政府は広範囲の線量マップを作りました。高線量の放射能が確認された地域では、農業や酪農を中止。中程度の汚染地域では、乳牛の飼育を禁じました。セシウム137などがミルクに濃縮されやすいからです。また、汚染されていない餌を与え、家畜の体内の汚染量を下げる対策もとりました」
ロシア政府の方針は明確だった。まず、概ね30km圏内の住民らを早急に避難させる一方、事故発生2ヵ月後までに、牛約9万5500頭、豚約2万3000頭が殺処分された。放棄された農場の面積は、ウクライナだけでも約5万7000haにもなったという。
「そして'86年6月からは、セシウムの汚染数値を低減させるため、牛などの餌として牧草を使うのはやめて、放射性物質を吸収しにくいトウモロコシで飼料を作るなど、生産段階での汚染を防止する方法を積極的に採用しました。それでも汚染された肉牛が見つかった場合は、ハムやソーセージ、ハンバーグなど加工食品にして出荷するように義務づけた。汚染数値の低い肉と混ぜて加工することで濃度が薄まるからです。牛乳に関しても、同様に加工すると放射能汚染が低くなるため、チーズなどの乳製品に加工して出荷することが義務づけられました」(前出・ガイド)
これらが事故2~3ヵ月後から実施された対策で、'90年代になると、「プルシアンブルー(ヘキサシアノ鉄酸塩)」という薬品が使われるようになった。これはドイツの研究機関が開発したもので、牛に飲ませるとセシウム結合体を体外に放出する効果があるとされる。ただ、高価なので、ウクライナの貧しい村では「粘土質のミネラル結合体」を牛に舐めさせた。プルシアンブルーに比べると効果は低いが、セシウムを吸着して外に放出する一定の効果があるという。
セシウムなどの放射能汚染から農産物を守るために、土地の改良も行われた。ウクライナ人の農家がこう説明する。
「表土を除くという除染方法は、農地には不適切でした。費用が嵩む上、土壌の肥沃さを失ってしまう。しかも、汚染土をどこかに埋めなければならず環境問題を引き起こす。そこで、汚染された土地では、セシウムを吸収しにくい作物を育て、やせた土地にならないように耕しながら、ゆっくりとセシウムの数値が低下していくのを待つのです。こうした土壌処理を〝徹底改良〟と呼んでいます」
例えば、石灰を主成分とした肥料を追加することで、セシウム137、ストロンチウム90の植物移行を半減できる。要は、放射線量を何とか基準値以内に抑えこんで、農作物を作り続けようという発想なのだ。ベラルーシの農家に聞くと、放射能対策を隠す様子はなかった。
「検査を通過しないと出荷できないのだから、言われた通りにやってきた。いろいろ工夫してちゃんとクリアしている」
むしろ、セシウムを減らすテクニックに胸を張る。ある畜産農家もこう笑った。
「あるもの(放射能)はしかたがない。付き合っていくしかない。25年間やってきて大丈夫なんだから、問題ないさ」
流通・販売も「放射能汚染ありき」の態勢をとっている。ウクライナでもベラルーシでも、市場やマーケットごとに「ラボ」と呼ばれる検査室が設けられているのだ。ここには専門のスタッフが常駐し、すべての食品の汚染を検査してから販売している。買い物中の主婦に、不安はないかと尋ねると、
「毎日検査しているんだから、心配なんかないわ。あたりまえでしょう」
と、陽気に答えた。
県が日常食の放射性物質検査 7地域の県民78人対象 http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4107&blockId=9978185&newsMode=article
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県は今月から来年3月まで県内7地域の県民78人の日常食に含まれる放射性物質のモニタリングを実施する。4日の県災害対策本部会議で明らかにした。
期間中、1人当たり4回実施する予定だ。
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(2012/06/05 08:57) |
ポロニウムあのアレクサンドル・リトビネンコ毒殺事件の毒物です。
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/1104/201104_066.html
放射性同位体ポロニウム210は,多くの人が考えているよりもずっと身近なところにまで広がっている。世界で年間に6兆本近いタバコが吸われているが,その1本1本が少量のポロニウム210を肺に送り込んでいるのだ。
植物のタバコには低濃度のポロニウム210が蓄積する。その大部分は肥料に含まれている天然の放射性元素から生じたものだ。喫煙者が吸入したポロニウムは肺の“ホットスポット”に定着し,がんを引き起こす原因となりうる。ポロニウムはタバコの煙に含まれる発がん物質として主要なものではないだろうが,それでも米国だけで年間に数千人がこのせいで死亡していると考えられる。
そしてポロニウムが他の発がん物質と異なるのは,これらの死が単純な対策によって避けられたはずだという点だ。タバコ産業はタバコにポロニウムが含まれていることを50年近く前から知っていた。私はタバコ産業の内部文書を調べ,メーカーがタバコの煙に含まれるポロニウムの濃度を劇的に減らすプロセスを考案までしていたことを発見した。しかし巨大タバコ企業はあえて何もせず,その研究を秘密にすることに決めた。結果として,タバコは現在もまだ半世紀前と同量のポロニウムを含んでいる。
しかし,状況は変わろうとしている。2009年6月,オバマ大統領は「家族の喫煙予防とタバコ規制法」に署名した。この法律によって,タバコは初めて米食品医薬品局(FDA)の管轄下に置かれ,FDAはタバコの特定の成分を規制できるようになった。タバコの煙からポロニウムを除去するようタバコ産業に義務づけるのが,タバコの害を少しでも和らげる最も明快な方法だといえるだろう。
著者
Brianna Rego
グアテマラのアンティグアで生まれ,米国のアイダホ州で育ち,現在はスタンフォード大学大学院の科学史専攻の学生。タバコ産業のポロニウム関連研究に関する彼女の論文(学位論文の一部)は2009年に出版され,全米タバコ・フリー・キッズ・センターのメンバーに配布されて,喫煙に関する画期的な法律の成立につながった。
原題名
Radioactive Smoke(SCIENTIFIC AMERICAN January 2011)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120604-00000301-jisin-soci
女性自身 6月4日(月)7時32分配信
放射能汚染の風評被害で、深刻な消費者離れをを起こしている福島県産米。その生産量は全国7位の35万トンで、国内産流通米の4.1%を占めている。しかし、福島県産の米を福島県外の小売店の店頭で見かけることは少ない。いったいどこへいっているのだろうか?
先だって長野県駒ヶ根市の米卸業者『橋本商事』が米の産地偽装の疑いで家宅捜索を受けた。「長野県産として発売した26トンの米が、実は21トンの福島県産米と5トンの青森県産米をまぜたものだった。偽装米の大半は福島県産のものだったのです」(社会部記者)
しかし、福島県の米の流通業者は「そんな偽装のリスクを背負わなくても流通させることは可能だ」と語る。
「外食や給食用なら福島県米を『国内産』として販売しても、法律的に問題はないのです。多くの福島県産米が、外食産業や給食用として卸されている。外食産業のほとんどのお店では『国内産』の表示ですませています。病院の入院食などの場合、少しでも安い価格の米が求められます」
米の消費者表示はJAS法およびトレーサビリティ法で決まっているが、「ブレンド米の場合、国内産ならば産地の表示はしなくても構わないことになっています」と流通に詳しいジャーナリストは言う。消費者は産地の確認がしようもない『国産米』を食べているのだ。
「新米が出回り多くの注文がはいるはずだった昨年11月ごろ、うちは放射能物質が検出されていない米しか扱っていなかったのですが、県外からほとんど注文は入りませんでした。でもここにきて昨年より若干高いところまで価格も持ち直しています」(前出・流通業者)
風評被害にさらされる福島に罪はない。だが、産地を隠して福島産の米を流通させる現状があることも事実のようだ。
最終更新:6月4日(月)7時32分