水に浮かび物思う

カリフォルニアの海でカヤックに出会う。キャンプやハイキングの話も。

伊豆・下田へ その1

2008年08月14日 | カヤック

お盆休みに南伊豆へ漕ぎに行った。ぼくが子どもだったころ、ドライブ好きの父親の提案で伊豆に家族旅行に行ったものだった。伊東とか熱海とか、そのあたりだったと思う。まだ幼かったのでよく覚えていないのだけど、景色の様子は脳裏の片隅に残っている。伊豆半島に出掛けるのは何年ぶりだろう。とにかく思い出せないくらい昔である。

ぼくはネットで見つけた下田のワンダフルワールドにお邪魔することにした。シーカヤックのツアーを開催していて、さらにキャンプサイトやキャビンもあるのだ。ぼくはキャンプサイトを二泊分予約し、ウィスパーを宅配させていただいた。宅配ってほんと便利だなあ。あと、えきネットで踊り子号を往復分予約する。あとは伊豆の地図をゲットすれば準備は完了だ。

のどかな海辺の景色の中を通り抜けていく踊り子号を、終点の伊豆急下田で降り、そこから吉佐美(きさみ)までバスで移動、最後はてくてく歩いてワンダフルワールドまでやってきた。受付を済ませ、荷物を受け取り、テント場を確保した。といってもタープなし、ソロテントだけの実にコンパクトなスペースである。

早速浜へ行ってみた。するとそこは人、人、人!たくさんの人が海水浴を楽しんでいた。今は海水浴シーズンなのだ。ビーチは海水浴客でいっぱいなのである。この国の夏の海を甘く見ていた。これではカヤックが出せない。この時期にしか休みのとれないサラリーマンであることに、ちょっとブルーになりかけた。

しかしまー、そういうこともあるのである。というか、想定してた気もする。この時期のビーチは海水浴客のものなのだ         日中は。明日は思いっきり早起きすることを誓う。早朝ならきっと大丈夫だろう。ぼくは気を取り直して、子どもたちに混ざり普通に海水浴を楽しんだのだった。

夕方、ツアーから帰ってきたお客さんやガイドやスタッフのみなさんとウッドデッキで歓談する。お客さんはお子さん連れが多いようだ。子どもたちはみんなすぐに仲良しになり、一緒に虫取りをしたり、水鉄砲で遊んだり、犬のリッキーをからかったりして、ひと時も遊びをやめようとしない。子どもは退屈が大嫌いなのだ。昔子どもだったはずのぼくたち大人は、「ここはいいところだねえ」とかなんとかいい、プシュッと一杯やったりしている。大人は退屈を求めているのかもしれない         少なくとも一日の終わりには。

ぼくはデッキのすみにおいてあった埃をかぶったギターを見つけて、ポロンポロンと弾いてみた。古いポップソングなどを弾いていると、10歳くらいの女の子がやってきて、平成JUMPの曲を弾いてくれとぼくにゆう。 -_-; しょーわならなんとかなるんだけどな、などとぼくが苦しい言い訳などをしていると、「じゃあ嵐でいいや」とゆう。森本嵐ならなんとかなるんだけどな、と言いたかったけれど、通じるわけがないので心にしまった。苦し紛れに「太陽がくれた季節」を弾いたら、その子はふっといなくなり、代わりにぼくと同世代のスタッフの女の子が遠くで盛り上がっていた。なんとなく世代の違いというのを感じる瞬間である。どうでもよいのだが、最近君が代がはっとするくらい素晴らしい名曲に聴こえるのだけれど、これも歳のせいなのだろうか。そういえば最近、退屈な時間に幸せを感じることが増えたような。

初めての方と団欒する時間は非日常的でとても楽しかった。ガイドの方にもいろいろ土地のことを教えていただいた。やっぱりここを選んで正解だった。明日はなんとか漕ぐことが出来そうである。

つづく。


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