帰国してからおよそ月に一度の割合で上京している。Eに会うためだ。ちょっと前にEもアメリカで働いていた仕事を辞めたので、二人とも時間だけはたっぷりとある。茅ヶ崎にある彼女のアパートからは海が近いので、天気の良い朝(といっても昼に近い)には二人で海岸まで散歩に出たりする。まずぼくの目はサーフの状態を確認し、江ノ島を眺め、伊豆大島を仰ぐ。伊豆大島が見えたらそれをEに報告して、次に富士山に取り掛かる。だいぶ空気が澄んでないことには、富士山は見えない。雪をかぶった堂々たる富士山を見ることが出来た日は、海岸に平行して通る歩道を富士山の方向へ歩く。何かいいことが起こりそうな予感がして嬉しくなる。
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歳を取るごとに富士山を美しいと思うようになる。ほんとうにそうなのである。昔は富士山が美しいなどと思わなかった。けど今はうつくしいと思う。富士山への愛は時間に対して単調増加関数であるようだ。経験的にそう思うのだけど、証明の仕方は分からない。今日見る富士山が一番いい。
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以前、知人の結婚式で一緒にギターを弾いた友人が山形旅行に行かないかとさそってくれた。彼自身は東京育ちなのだけれど、親の代まで山形で、今は家族が別荘のように使っている家があるという。ぼくとEは友人の誘いをありがたく受け、二泊三日の旅を友人と一緒に楽しんできた。ちょうど紅葉が見ごろで、たいへん美しかった。山形の旅の話はまた今度書こう。
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山形から帰ってきた翌日はEと二人で東京へ出た。恵比寿のガーデンプレイスへ。ここは昔エビスビールがビールを造っていた所だ。現在はなんかおしゃれになっていてビールを試飲することができる。ぼくはここでエーデルピルスとエールを飲んだ。これが大変おいしい!エーデルピルス最高!はやく一般に販売してほしいのである。
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ここのビールは一杯250円。お求め安くなっております。
一昔前の日本には本当においしいビールも、まずいビールも存在しなかったように思う。アメリカには昔からその両方があった。近年になって日本のビールにも幅が出てきたのではないだろうか。大変よろこばしいことである。
その昔、ブリア・サバランという人が「君が食べてきたものを言いたまえ。君がどんな人間かあててみせよう」とゆったといわれてるみたいなんだけど、これをビールに置き換えてみよう。例えば「ぼくはエビスが好きですけど普段は発泡酒飲んでます」と答えたら、君は実に誠実で実直だ、そのままがんばりなさい、ということになるかもしれない。あるいは、「運動の後はスーパードライだがや!」という答えだったら、君は体育会系でしかも名古屋だ、と見抜かれるかもしれない。こうやはり、ビールをもってして人の人格を察することが出来るくらいに幅があってほしいものである。
つづく。