ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

石塀

2010-02-07 14:10:38 | 建造物入門
 高知県の東部地域・奈半利の町には、こうした石塀が所々にあります。
 蔵のある古民家と石塀のある道は、時間の経過が止まっているように思えます。

 石塀も職人さん達の力作ばかりなのですが、面白い話があるのです。
 それは石の話です。丸い石を半割りにして、積んであるのですが、多くの石を割るときの話です。石には目があるのだそうで、そこへ正確に打ち込むと石は割れるそうですが、そんな名人芸はみんなが出来るはずもなく、そこで考えられた方法があるのです。

 それは乾燥させた芋の茎を割る方向に巻きつけて、燃やしたあとその石をすぐ、水に入れて急冷するのだそうです。そのあと叩いて切断をするのです。急加熱と急冷によって石をもろくするのです。

 職人の経験則から生まれた技術でしょうが、なかなかのものです。

 さて、この石塀は奈半利の倉床といわれた野村家のものです。数多く残っている奈半利の石塀の中でも、よく保存されている石塀だと思います。
 倉床は、藩政時代年貢米を集める地主だったそうな。

 石塀自体は明治の後期に作られたものとされています。半分に割られた石と石の間を赤土等で埋めており、練り積みといわれています。また一つの石を囲むように下に2つ、両脇に一つづつ、そして上に2つ、として7つの石をワンセットにして、連続的に積んであります。
 なかなかに丈夫なのです。

 奈半利にはこうした石塀があちこちにありますから、石塀を探して廻ってもけっこう時間がかかります。
 楽しめますよ。