にいやンが飛び込んできた。
「きた!きた!」来ることは分かっていたのだ。いや来るといいなと思っていたというのが本音のところか。
「やっと来てくれたね。よう来たねえ。」
いつの間にか、寝てしまった子の寝顔を見ながら、にいやンは繰り返し繰り返し言っている。
彼女は、その表情を見て、ほっと安心したようだ。
「大変やったろう。」「ここは駅からも遠いし、連絡をくれたら迎えに行ったのに。」
ほんとは、電話をしたのだが、留守がちなことから連絡がつかなかったのだ。
「さあ、どうしよう。」「泊る所の掃除もできてないし、晩飯の準備もせんといかん。」
口では、にいやン、忙しそうなのだが、嬉しくて仕方がないようだ。
「時間もあまりないようやったら、ここでみんなで食べて行ったらどうじゃ。」
「掃除はしてこんといかんき、2人でいってきいや。」
「子供はおいちょいたらえいわや。」
普段しゃべらん爺やんが、一気にしゃべった。
「爺やん、かまん?」目で確認すると、2人で家に向かっていった。
「さて何があるろう。」冷蔵庫をのぞいて見ると、いつものごとく酒の肴程度なのだ。
「こんな時やき、下の店に無理を聞いてもらうかな。」
「すまん。そうよ。無理ゆうて済まんけんど、弁当を4つ届けてくれんかなあ。」
「酒はあるある。けんど酒を2升一緒に持ってきて。」
「秋さんかえ。猪はないかえ。あったら欲しいがやけんどなあ。」
「値は?。そんなもんじゃろ。」
飲み会の準備は慣れたもので、2本の電話で大方のところは10分で手配を終わってしまった。
「これからやけんどなあ。にいやンは、どうする気やろう。」爺やんは少し心配になった。
子供は、よく寝ている。長旅で疲れたのだ。不安を抱えたままの母の気持ちも伝わっていたのだろう、よく寝ている。
小一時間たったころだろうか、にいやン達は帰ってきた。
爺やんは顔を見るなり、「にいやン、口紅がついちゅう。」
「下へ、食べに行こうか?」とにいやん。
「たのんだ。あと20~30分もしたら弁当が届くようになっちゅう。」
「そんなことより、病院に連絡をしたかよ。亮ちゃんに電話。」
「まだしてない。」「してくるき。」家に向かって走り出した。
子供の泣き声がした。起きたのだ。
彼女が子供をあやし、ミルクをやっていると、弁当というには少し豪華な食事が届いた。酒も2升。いつもの奴だ。
柚子の香りが辺りを包んで、広がっていた。
車が止まって、秋さんが新聞に包んだ、猪の肉を持ってきた。
「おいちょくきに。」
「又出て行くき。」と爺やん。
秋さんは、普段の爺やンの家と違う雰囲気を感じたのだろう。すぐ出て行った。
いつもは小一時間も離して行くのだが、爺やンの顔を見て出て行った。
「1キロもあるにゃあ。」
「さて、汁でも炊こうかねえ。」爺やんは準備にたった。
「きた!きた!」来ることは分かっていたのだ。いや来るといいなと思っていたというのが本音のところか。
「やっと来てくれたね。よう来たねえ。」
いつの間にか、寝てしまった子の寝顔を見ながら、にいやンは繰り返し繰り返し言っている。
彼女は、その表情を見て、ほっと安心したようだ。
「大変やったろう。」「ここは駅からも遠いし、連絡をくれたら迎えに行ったのに。」
ほんとは、電話をしたのだが、留守がちなことから連絡がつかなかったのだ。
「さあ、どうしよう。」「泊る所の掃除もできてないし、晩飯の準備もせんといかん。」
口では、にいやン、忙しそうなのだが、嬉しくて仕方がないようだ。
「時間もあまりないようやったら、ここでみんなで食べて行ったらどうじゃ。」
「掃除はしてこんといかんき、2人でいってきいや。」
「子供はおいちょいたらえいわや。」
普段しゃべらん爺やんが、一気にしゃべった。
「爺やん、かまん?」目で確認すると、2人で家に向かっていった。
「さて何があるろう。」冷蔵庫をのぞいて見ると、いつものごとく酒の肴程度なのだ。
「こんな時やき、下の店に無理を聞いてもらうかな。」
「すまん。そうよ。無理ゆうて済まんけんど、弁当を4つ届けてくれんかなあ。」
「酒はあるある。けんど酒を2升一緒に持ってきて。」
「秋さんかえ。猪はないかえ。あったら欲しいがやけんどなあ。」
「値は?。そんなもんじゃろ。」
飲み会の準備は慣れたもので、2本の電話で大方のところは10分で手配を終わってしまった。
「これからやけんどなあ。にいやンは、どうする気やろう。」爺やんは少し心配になった。
子供は、よく寝ている。長旅で疲れたのだ。不安を抱えたままの母の気持ちも伝わっていたのだろう、よく寝ている。
小一時間たったころだろうか、にいやン達は帰ってきた。
爺やんは顔を見るなり、「にいやン、口紅がついちゅう。」
「下へ、食べに行こうか?」とにいやん。
「たのんだ。あと20~30分もしたら弁当が届くようになっちゅう。」
「そんなことより、病院に連絡をしたかよ。亮ちゃんに電話。」
「まだしてない。」「してくるき。」家に向かって走り出した。
子供の泣き声がした。起きたのだ。
彼女が子供をあやし、ミルクをやっていると、弁当というには少し豪華な食事が届いた。酒も2升。いつもの奴だ。
柚子の香りが辺りを包んで、広がっていた。
車が止まって、秋さんが新聞に包んだ、猪の肉を持ってきた。
「おいちょくきに。」
「又出て行くき。」と爺やん。
秋さんは、普段の爺やンの家と違う雰囲気を感じたのだろう。すぐ出て行った。
いつもは小一時間も離して行くのだが、爺やンの顔を見て出て行った。
「1キロもあるにゃあ。」
「さて、汁でも炊こうかねえ。」爺やんは準備にたった。