人生ラベリント

人生は迷路!! 芸術と日常、たまにミスコン・ネタも紹介しちゃうブログ。
最近はバレエ・ネタに執着中😅💦

マリインスキー・バレエ(9)

2021年06月16日 | バレエ
2019年4月刊行の雑誌「ダンス・ヨーロッパ」に掲載された、マリインスキー・バレエのユーリ・ファテーエフ芸術監督のインタビュー記事から、一部を抜粋して紹介します。


EK:マリインスキーのような大きなバレエ団の監督を務めていて、もっとも難しいことは?

YF:たくさんありますが、〜〜〜(一部割愛)〜〜〜そのダンサーを個人的に嫌いだから特定の役を付けないのではなく、そのダンサーがその役に向いていないのだということを、納得させなくてはならないのです。
 マリインスキーには、伝統的なルールがあります。あるダンサーはこの役を踊り、別のダンサーは別の役を踊る。その線引きが揺らぐことはないんです。西洋のバレエ団では、プリンシパル・ダンサーであれば何でも踊りますよね。『白鳥の湖』『ドン・キホーテ』『ジゼル』…でもそれは正しいことではない。ダンサーの個性はそれぞれ違います。何でも踊れるダンサーもたまにはいるでしょうが、普通はそうはいきません。〜〜〜〜〜

・・・と言うことなんですね。

まぁ、次から次と様々な役を踊っているマリア・ホーレワみたいな例外(*後記)もいますが、永久メイさんの場合はどうなんだろう。
どう見ても他のダンサーと比べて特殊な立場に置かれているので、ユーリ・ファテーエフの思考に沿って考えてみると、個性的でワガノワ流以外の表現も身に付けている永久メイさんに対する使い方は決めていそうな印象を受けます。

先ず現状では、「白鳥の湖」のオデット・オディールは無い、「ドン・キホーテ」のキトリも無い、ってか、キトリどころか(今のところ)何故かドリアードの女王(森の女王)も踊らせて無いんですね。

とは言え、元から脇役に収めるつもりもないと感じられるので、本人にバッチリ似合っているキューピットなど(日本公演では踊ってましたが)これから先、出番は無さそうな、そんな感じもします。
では、一見似合っていそうな「眠れる森の美女」のオーロラ姫はどうだろうか。

「眠れる森の美女」ってグランド・バレエの王道を行く作品で、1890年にマリインスキー劇場で初演されているので、劇場側やサンクトペテルブルク市民からしたら思い入れの深い演目と理解します。
多分ですが、オーロラ姫役のイメージって出来上がっているんではないですかね。

そう考えると、おいそれと外人、しかもアジア人に踊らせるかな❓今のメイさんのイメージだと後半に結婚式のゲストとして登場する(青い鳥と)フロリナ姫で固定している感が拭い去れません。

そうやって消去法で考えていくと、果たして次の主役級の新演目は一体何になるんだろうかと興味と期待が広がります。

*(注)サンクトペテルブルク市民に思い入れの深い演目について、同様に(メイさんが何回も踊っている)「くるみ割り人形」のマーシャ役もありますが、話しがゴチャゴチャになるので別の回に改めて述べることとします。


*上記「「マリア・ホーレワみたいな例外」について一言。
ホーレワについては、いずれ改めて取り上げる予定なので、ここでは簡単に述べます。
入団後の躍進著しく、当初から特別扱いの様子ですね。
思うに、マリインスキー側は、次世代のスターを育てることが急務と考えているのではないでしょうか。当然、次世代のスターは、伝統を重んじるサンクトペテルブルク出身者から選ばれるでしょう。後々、地元のバレエに貢献できる下地を要求されるので、当然と言えば当然ですが、外人ではダメなんですね。
ただ、それだけではないのかも知れないとも考えられます。
見えない部分ですが、バックに大きな圧力が加わっている可能性も捨て切れません。
いずれにせよ、その期待に答えるがごとく、精力的に演目をこなして来ているのも確かです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マリインスキー・バレエ(8) | トップ | マリインスキー・バレエ(10) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

バレエ」カテゴリの最新記事