夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

黄初平 小杉放庵筆

2016-05-18 04:47:42 | 日本画
お茶室で息子が遊びだしました。



家内の真似をしているらしい。いつもはお茶をいただくのを真似していたのだが・・・。



ご機嫌である・・。



つい本作品を思い出しました。

黄初平 小杉放庵筆
和紙本水墨淡彩 色紙 タトウ
画サイズ:縦270*横230

賛は「叱石化羊黄初平」と記されています。



「黄初平」についてはなんども本ブログで作品を取り上げています。

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黄初平:(こう しょへい、328年? - 386年?)晋代中国の仙人。「黄」は「皇」と書く場合がある。黄大仙(道教系寺院)に本尊として祀られる。浙江丹渓(浙江省金華市)の人。

15歳の時に命じられて羊飼いをしたが、一人の道士に気に入られて金華山の石室に連れて行かれる。兄の初起が40年後に探し当て、初平は白い石を1万頭の羊に変じる術を見せた。兄もまた妻子を捨てて初平とともに仙道をきわめ、不老不死となった。初平はその後「赤松子」と名を変え、初起も「魯班」と称したと『神仙伝』にあるが、赤松子・魯班(公輸般)ともに前の時代の伝説的人物である。

石を羊に変える逸話は「富を生む」とされ、縁起のいい仙人として知られており、多くの画家に描かれ、雪舟の重要文化財となっている作品などが著名です。中国では「すべての願いを叶える神としてご利益があり、信心を集めています。

初起が道士に遇って所在を聞きだし、初平と再会することができたが、道士によれば、いまだに羊飼いをしているはずの初平の周囲には一頭も羊が見あたらない。そこで、不思議に思った初起が問いただすと、初平は、「羊はいますよ。ただ兄さんには見えないのでしょう」と言って鞭を振るい、周りの白い石を叱って、石をことごとく羊に変じさせたという。

修行を終えた仙人にとって、石は羊でもあり、羊は石でもある。物質界が、ある一側面からの物の見方によって定義づけられた、制約の多い特殊な世界であるという教えであると考えられてます。多くの画家が画題として描いています。

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本作品は郷里にある骨董店から購入した作品で、他の福田豊四郎の作品らとまとめて入手した作品。

その日に福田豊四郎の作品を二作品でまとめて購入したこともあり、廉価で譲っていただきました。ただそのときに迷った近藤浩一路の作品はいい出来でしたが、どうも遊印が「複製」に読めるような漢字で、工芸作品の疑いが晴れずこちらを購入しました。



このような和紙に描いた小杉放庵の作品は、小杉放庵の代表作で人気が高く、これもまた工芸作品が多く存在します。どうもこの印章がみたことがないので気になります。これも工芸品? 

近藤浩一路の作品も本作品もプロに市を経て売られている作品で、プロの意地にかけても印刷は売らないはずなのですが、それでも紛れ込むのが巧妙な印刷工芸品のようです。時には贋作より巧妙です。

 

工芸作品は通常ならはっきりと「工芸印」が押印されているのが基本ですが、紛らわしい工芸品が存在します。特殊印刷に手彩色となるととても素人では印刷か肉筆かは判別できないようです。


通常は工芸作品となる作品は、著名な作品が多く、市場やインターネット上に同一の図柄の作品があり、気がつくことが多いものです。

この作品には現在はそのようなことはないようですが、最終的な判断は後学としますが、贋作ではないので「伝」とはしません

工芸品を購入する人は筋がいいといわれるそうです。物自体は本物だからということ

「窯よ窯! 羊にな~れ」と富を生む縁起のいい仙人に息子がなるのかもしれません

PS.
昨夜のなんでも鑑定団に「鮎之図 小泉檀山筆」が出品されていました。ようやく出品されたかという感じです。本ブログでも紹介されている作品です。鮎が同じく11匹・・。1匹20万? 一桁違うのはいつものこと。



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