夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

地釉象嵌縄唐草文皿 島岡達三作 その7

2017-05-24 00:01:00 | 陶磁器
保戸野窯の平野庫太郎氏の作品「油滴釉片耳付花入」を何気なく、床に置いておいたら、家内が花を生けてくれました。



なにの花か解りますか?



さて、浜田庄司、金城次郎、バーナード・リーチという民藝運動の陶芸家は数多くの大皿を製作していますが、かなりの体力を使うために基本的には晩年には数は少なくなってるようです。数多くとはいえ、やはり他の茶碗や花入などに比べて作品数が少ないようです。

浜田庄司、金城次郎、バーナード・リーチの大皿の作品は市場にでる数も少なく、特に浜田庄司は震災によって壊れた作品もあり、希少価値がますます高まったようです。

本日紹介するのは、意外に気軽に入手できる島岡達三の大皿の作品です。

地釉象嵌縄唐草文皿 島岡達三作 その7
共箱
口径447*高台径*高さ103



気軽に入手できるとはいえ、40センチを超える大皿は珍しいかもしれません。前回紹介した作品は40センチ弱の作品でした。天皇陛下の退位表明の後ろに展示されていたり、なんでも鑑定団に大皿が出品されかなりの高評価を受けたこともあり、人気が出てくるかもしれません。



「地釉」と箱書にありますが、これは透明釉の中に磁器を焼く時のカオリンという土を僅かに混ぜ、それで全体を上掛けしてあるものです。そのためしっとりとした柔らかさが出てきます。浜田庄司もよく用いましたが、これが島岡達三の焼き物の特徴のひとつでしょう。



次に記されている「(縄文)象嵌」とは、まだ生の柔らかい土の上を、組紐を転がし、そこへコバルトを混ぜた白い土を埋め込む技法です。中央の見込みの円窓に白泥と鉄砂で草花文を描いている。それを1300度くらいの高温で焼き締め、叩くとまるで磁器のようなカーンという音がします。深さもあり、重さはかなり重い作品です。」



前に紹介した大皿の比較しても一回り大きさが大きくなっています。中央の見込みが唐草文というのは珍しいと思います。



印章の具合から、今まで紹介してきた作品よりも若い頃に製作された作品ではないかと推察されます。

 

備前の大皿、呉須赤絵の大皿、古伊万里の大皿、染付の大皿、民藝運動の大皿と大皿に数が増えてきましたが、大皿は大きめの壷は観ていて飽きがこないものです。

息子は「黒いの好きだよ!」と油滴天目釉が気に入ったようです。



花は紫蘭とブラックベリーです。畑はブルーベリーの花が満開です。ジャムや冷凍にしておくといつまでもブルーベリーが愉しめます。週末も昨年冷凍にした実を息子と食べて、息子の舌が黒くなりました。「黒いのすき!」



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