
所蔵している漆器類の整理は帰省のたびに行なっているので、なかなか整理が進んでいないのが現状です。

帰省の間の整理は少しずつしか進まない状況です。コロナ禍も大きく影響しました。

それでも着実に進んでいて遺すべき作品として処分すべき作品に振り分けられています。

50客と思われた「波に千鳥」の真塗の高脚の膳も詳しく見ていくととうも大小各三十客揃いの品物らしい。

せっかく自宅で作って資料も修正しなくてはいけない有様です。

これらの宴席用に用意された上等な器はどうも最低30人揃いを基準にしてあるらしい。普段使い器はどうも50揃いらしいが・・・。

よくこれだけ揃えたものと感心するが、さらには無傷に近い状態で遺っているのも感嘆に値する。

これだけの作品を揃えられたのは余程の財力があったのだろう。

「波に千鳥」の膳は今では作れないし、他には遺っていない佳作であろうと思う。

金と銀で施されたデザインは今でもお見事というしかない。

包装しいてる和紙には下記の記載がありますが、製作したところのものかどうかは不明です。下記の記載の漆器店は輪島に現存するようですが、単に包装用に使ったものかもしれません。

整理してある杉の箱も状態が良い。

大きな方の膳は3箱に、小さな方の膳は2箱に分割されて丁寧に収納されています。

さて本日紹介する作品は平福百穂の作品です。
平福百穂の作品の真贋の判断は非常に難しいと本ブログで再三指摘してますが、飲み込みの悪い欲深い当方では百点を超える作品を手元に置いても未だに戸惑うばかりです。
本日は真作に相違ないであろう作品の紹介です。なにしろ島田柏樹と舟山三郎の鑑定付きですから・・???

石榴図 平福百穂筆 昭和8年(1933年)頃 その104
紙本水墨淡軸装 軸先象牙 舟山三郎鑑定書付(昭和53年) 島田柏樹鑑定箱
全体サイズ:縦1210*横463 画サイズ:縦330*横330

昭和期のなってからの最晩年の作と推定されます。柘榴を描いた「子孫繁栄の吉祥の題材」の作品ですね。

この筆捌きが平福百穂の真骨頂。

「昭和の新南画を極めた」と称されるところでしょう。

箱書き、鑑定は下記のとおりです。箱は新たに誂えたのでしょう。共書の部分が嵌め込みされていますが、この手の凝った箱の誂には贋作は皆無なようです。

無論、これを承知で贋作を作ったら別ですが・・・。掛け軸においては指物師まで絡んでの贋作はなかなかないということでしょう。


舟山三郎氏の鑑定書までありますが、舟山三郎氏の鑑定は信頼度が低いとされていますので鵜呑みにはしないことです。

「真筆相違なきなり」・・・、鑑定人によっては言い回しにおいて「本物らしい」というものなど通常三種の言い回しがあるとか・・。

ところで作品をこのようにブログの記事に纏め上げるには結構手間のかかるものです。写真を撮って、作品を調べ上げて、ブログに記事を載せるというのはひと作品を仕上げるのに3日ほどかかることもあります。なにしろ仕事が終わって、帰宅して、子供を寝かしつけてからですから・・。ブログに記事が間に合わないので記事は粗雑なままであり、投稿後に修正することもあります。

郷里にある作品もなかなか整理が進まないのもうなづけます。「退職したらやろう。」というのはどうも思うようにいかないと思っています。趣味はあくまで仕事の合間でやるものと感じています。いつになったら満足できる整理になるやら・・。