
昨夜、ビデオ録画にて「科捜研の女」という番組を観ましたが、この番組は実に品がない。骨董に関する情報はデタラメであることはまだしも子供の命を無意味に危険にさらすような番組構成は企画した者の品格を疑うものでした。。良識ある者は観るのをやめるべき番組です。
さて今年も正月には帰京がてらに秋田市にある平野氏の保戸野窯を訪ねてきました。

奥様共々皆さま、元気そうなので安心して帰ってきました。

今回は新た製作したという面取りの辰砂の花入れを購入させていただきました。後ろの作品が現在、在庫のある数少ない?作品群・・。

ちなみに今回の作品のお値段は2万円なり。(共箱、送料は別)
先日の初釜で「茶入」の話題が出ましたが、「茶入」の見どころはどこでしょう?と改めて考えました。
考えるに、残念ながら「茶入」の製作に挑戦したことのある方しかその実際の見どころは実感できないと思います。
熱くもない茶を入れる器、よって薄造りの造形が主眼となります。「茶入」は轆轤の技術の一瞬の勝負です。確かな轆轤技術のない者には「茶入」は作れません。小さな器で、しかも薄造り、端正な品格の良いフォルムを保ち、口は真円となり、底は勢いのある糸切りが原則です。削りなどという工程はほとんど一切ありません。
よって釉薬の厚い青磁や民芸の茶入は皆無で、確かな轆轤技術のある者しか茶入は作れません。作家で代表的なのは野々村仁清、金重陶陽など確かな技術のある陶工のみ。
浜田庄司らの民芸陶芸家、加藤唐九郎、魯山人、荒川豊蔵ら多くの著名な陶工にさえ見るべき「茶入」の作品は皆無なのです。
下記の作品は当方の所蔵作品からの紹介です。
瀬戸写菖蒲錆絵茶入 野々村仁清作
仕覆付 金森宗和箱書 二重箱
高さ105*最大胴径55*口径31*底径34

備前茶入 金重陶陽作(「土」銘)
共箱
胴径70*高さ87*口径34

作家以外では瀬戸、唐物など名も無き陶工に優れた作品が多いのが特徴です。
薄造りの轆轤技術が見どころで、瓢型の茶入などはそういう点では、最も難しいものです。大海などフォルムの多少崩れたものにも美を見出すのが茶入の見どころとしてありますが、茶入の王道はそのフォルムに適った厚みをもった轆轤技術そのものですので、瓢形のバランスが崩れた作品には見るべき点はありません。
決して仕覆、箱などが茶入の見どころではないのです。これらは家元制度による後世の余計なもの!といって過言ではありません。
釉薬の流れさえ付属した美でしかありません。あくまで轆轤技術の冴えが見どころです。
下記の作品は小生の家の仏壇に収納されていた箱も仕覆もなかった作品。どこで入手したのやら・・・。
祖父や父は買ってきた茶入などの茶道具は奥さんに与えたようです。祖母や母は最後は仏壇に収納したようです。真贋はともかく少なくても先祖はセンスが良いものを蒐集していたようです。
古瀬戸肩衝茶入
未測定 仕覆 箱無 元は蓋もない

高取茶入
古高取 胴径45*口径28*高さ58 本象牙蓋 仕覆 箱無

金海のような作品は当方には下記のものしかありません。

小生が保戸野窯で「茶入」の製作に挑戦したことがあるのですが、あえなく撃沈! 見本で先生があっというまに作られましたが、まじかで見たその見事な轆轤技術は未だに忘れられません。
茶入は滅多に作る作品ではないのですが、、すぐに作れるその轆轤技術における細かな手の感触には神が宿っているのでしょう。出来上がった作品は母に献上したのですが、どこへしまったのか現在は行方不明です。母は蓋や仕覆を用意すると言っていたのですが・・。
上記の花入にも確かな轆轤技術が見られるものですが、近年の陶芸家は不確かな轆轤技術しかない人がやたら多く、陶土や釉薬、近代彫刻なような下手物作品ばかり・・・。特に備前の作品は見るべきものは皆無となっています。近年の備前は土が悪い、技術が低いのです。
我々はもっと厳しく陶芸家の作品を観るべきでしょう。よくある銀座での個展? いいものは皆無! よく展示するものと感心しきり・・。
さて話題を変えます。
掛け軸の作品の整理する段階で、出来の良い作品ながら痛んでいる作品は表具を新調しています。そのひとつが出来上がってきましたので紹介します。

渡辺省亭の「双鳩(仮題)」という作品ですが、以前に本ブログで紹介してる作品です。

保存する作品は太巻き、二重箱が基本です。このようないい作品を厳選して遺していきたいと思います。

昨年の平成29年4月2日は、渡辺省亭の100回忌にあたり、回顧展などが開催されたようですが、本作品は渡辺省亭の作品の中でもとくに優品の部類に入ろうかと思います。
茶入も掛け軸も見るべきポイントは同じかもしれません。すべて品格があるか否か・。
いいものが少ない時代、少しでも過去のいいもの、現代のいいものを先人のように遺していきたい。
ところで早速、平野先生の携帯に連絡し、近況を聞くとともの本格的なオーソドックスな茶入を注文。こういうことは思い立ったら吉日!
さて今年も正月には帰京がてらに秋田市にある平野氏の保戸野窯を訪ねてきました。

奥様共々皆さま、元気そうなので安心して帰ってきました。

今回は新た製作したという面取りの辰砂の花入れを購入させていただきました。後ろの作品が現在、在庫のある数少ない?作品群・・。

ちなみに今回の作品のお値段は2万円なり。(共箱、送料は別)
先日の初釜で「茶入」の話題が出ましたが、「茶入」の見どころはどこでしょう?と改めて考えました。
考えるに、残念ながら「茶入」の製作に挑戦したことのある方しかその実際の見どころは実感できないと思います。
熱くもない茶を入れる器、よって薄造りの造形が主眼となります。「茶入」は轆轤の技術の一瞬の勝負です。確かな轆轤技術のない者には「茶入」は作れません。小さな器で、しかも薄造り、端正な品格の良いフォルムを保ち、口は真円となり、底は勢いのある糸切りが原則です。削りなどという工程はほとんど一切ありません。
よって釉薬の厚い青磁や民芸の茶入は皆無で、確かな轆轤技術のある者しか茶入は作れません。作家で代表的なのは野々村仁清、金重陶陽など確かな技術のある陶工のみ。
浜田庄司らの民芸陶芸家、加藤唐九郎、魯山人、荒川豊蔵ら多くの著名な陶工にさえ見るべき「茶入」の作品は皆無なのです。
下記の作品は当方の所蔵作品からの紹介です。
瀬戸写菖蒲錆絵茶入 野々村仁清作
仕覆付 金森宗和箱書 二重箱
高さ105*最大胴径55*口径31*底径34

備前茶入 金重陶陽作(「土」銘)
共箱
胴径70*高さ87*口径34

作家以外では瀬戸、唐物など名も無き陶工に優れた作品が多いのが特徴です。
薄造りの轆轤技術が見どころで、瓢型の茶入などはそういう点では、最も難しいものです。大海などフォルムの多少崩れたものにも美を見出すのが茶入の見どころとしてありますが、茶入の王道はそのフォルムに適った厚みをもった轆轤技術そのものですので、瓢形のバランスが崩れた作品には見るべき点はありません。
決して仕覆、箱などが茶入の見どころではないのです。これらは家元制度による後世の余計なもの!といって過言ではありません。
釉薬の流れさえ付属した美でしかありません。あくまで轆轤技術の冴えが見どころです。
下記の作品は小生の家の仏壇に収納されていた箱も仕覆もなかった作品。どこで入手したのやら・・・。
祖父や父は買ってきた茶入などの茶道具は奥さんに与えたようです。祖母や母は最後は仏壇に収納したようです。真贋はともかく少なくても先祖はセンスが良いものを蒐集していたようです。
古瀬戸肩衝茶入
未測定 仕覆 箱無 元は蓋もない


高取茶入
古高取 胴径45*口径28*高さ58 本象牙蓋 仕覆 箱無

金海のような作品は当方には下記のものしかありません。

小生が保戸野窯で「茶入」の製作に挑戦したことがあるのですが、あえなく撃沈! 見本で先生があっというまに作られましたが、まじかで見たその見事な轆轤技術は未だに忘れられません。
茶入は滅多に作る作品ではないのですが、、すぐに作れるその轆轤技術における細かな手の感触には神が宿っているのでしょう。出来上がった作品は母に献上したのですが、どこへしまったのか現在は行方不明です。母は蓋や仕覆を用意すると言っていたのですが・・。
上記の花入にも確かな轆轤技術が見られるものですが、近年の陶芸家は不確かな轆轤技術しかない人がやたら多く、陶土や釉薬、近代彫刻なような下手物作品ばかり・・・。特に備前の作品は見るべきものは皆無となっています。近年の備前は土が悪い、技術が低いのです。
我々はもっと厳しく陶芸家の作品を観るべきでしょう。よくある銀座での個展? いいものは皆無! よく展示するものと感心しきり・・。
さて話題を変えます。
掛け軸の作品の整理する段階で、出来の良い作品ながら痛んでいる作品は表具を新調しています。そのひとつが出来上がってきましたので紹介します。

渡辺省亭の「双鳩(仮題)」という作品ですが、以前に本ブログで紹介してる作品です。

保存する作品は太巻き、二重箱が基本です。このようないい作品を厳選して遺していきたいと思います。

昨年の平成29年4月2日は、渡辺省亭の100回忌にあたり、回顧展などが開催されたようですが、本作品は渡辺省亭の作品の中でもとくに優品の部類に入ろうかと思います。
茶入も掛け軸も見るべきポイントは同じかもしれません。すべて品格があるか否か・。
いいものが少ない時代、少しでも過去のいいもの、現代のいいものを先人のように遺していきたい。
ところで早速、平野先生の携帯に連絡し、近況を聞くとともの本格的なオーソドックスな茶入を注文。こういうことは思い立ったら吉日!