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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

補修される漆器 銀吹の食器

2017-05-26 00:01:00 | 漆器
祖父の代に揃えられた器が家に遺っていますが、日頃使っていたのでだいぶ痛みがあります。母が大切に保存していましたが、「直す必要があるのよ。」と言っていた作品に「銀吹」という輪島塗の作品群があります。



最初に直したのが御櫃でした。透明の漆が痩せてきて、化粧の銀の粉が剥離している状態でしたので輪島の工房に依頼して直す方法を相談しました。



銀の剥離した部分は少し目立ちますが、巧く保守できたと思います。「銀吹」の食器は本家におそらく220客以上の揃いがあったのでしょう。その中から10客分が別家である母に譲られたもののようです。



蓋付の汁碗も10客ありますが、銀の粉が剥離してきており早急に補修が必要な状態です。



姿が美しい汁碗です。近代の樹脂製のものとは素地も違いますので捨てがたい骨董の分類になります。内側には福寿草をあしらった金蒔絵が描かれていますので、正月の席に使えます。



家紋入の重箱にも「銀吹」の作品があります。こちらは状態がすこぶる良く、補修の必要はなさそうです。家紋入は普段は使わなかったのでしょう。



お盆も2客ありますが、かなり使い込んでいます。



重ねるとぴたりと収まります。研ぎ直しと透明漆の塗り直しが必要でしょう。



膳は一の膳、二の膳が10客揃っていますが、こちらも銀粉が剥離してきています。この修理が一番費用がかかりそうです。輪島工房と良く相談しないと・・・。



三の膳は梨地のようです。磁器の食器の揃いは柿右衛門と平戸の染付があります。東北の田舎で昭和の初めにこのような食器を揃えたという祖父の趣味のセンスが伺えます。

男の隠れ家にはまだまだ打ち捨てるにはもったいない作品群が眠っていますが、保存や修理は思いのほかたいへんですね。

さて、本日は名古屋まで出張・・。


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