夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

干し網 酒井三良筆 その7

2017-10-06 00:01:00 | 掛け軸
なにやら家内がお稽古用に使う面白そうな棗を入手したようです。



田舎の家屋?に人物? なにかの物語性のある図柄のようですが、家内も判らないとか・・。



保存用に付いてきた紙製の箱のサイズが合わないとかで、家内が自分で箱を直して「写真を貼ってね!」だと・・。そう、保存には箱の外に写真を貼っておくと中身を見ないで何か入っているか判るので便利・・・。



本日は「その7」となった酒井三良の作品の紹介です。

干し網(仮題) 酒井三良筆 その7
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱 
全体サイズ:横665*縦1415 画サイズ:横540*縦445



<本作品は共箱ではなく、作品のみですが、酒井三良の作品は共箱でないことはよくあります。酒井澄のよる鑑定箱などをよく見かけますが、本作品には鑑定箱書もありません。当方では参考作品「朝寒」(箱)・知人の旧蔵作品「汀」などと印章が一致し、作品の出来と相俟って、真作と断定しております。



本作品は酒井三良がよく描く湖畔?の風景画です。



知人(叔父)が酒井三良の作品が好きで、数多くの作品を蒐集しており、まだ酒井三良を小生が知らない頃に見せて頂いたことがあります。



「酒井三良を知っているかい?」と聞かれた時に「いや、知りません。」と答えたら寂しそうな顔をなされたのをよく覚えています。



酒井三良、小川芋銭といった画家を蒐集が本格的になるにつれて知ることとなり、その寂しそうな顔をされた意味がだんだん分かってきたように思います。



「昭和21年、横山大観の勧めで茨城県五浦の大観別荘に移り、昭和29年、東京都杉並久我山に転居するまで暮らす。戦後、生活も徐々に安定していく酒井三良は自然と親しんでいた経験を元に、日本の風景や四季を愛しその風景を中心に描くようになる。自然に包まれながら生きる人々を素朴な筆致で詩情豊かに描いた画風で知られる。その淡く白みを基調とした作品はどこか繊細であり、緻密な表現力で描かれる日本人の琴線に触れるような作風が特徴。」と本ブログでも他の作品の解説にて投稿しているように、日本の自然の中での営みを情緒豊かに表現した作品を描いています。



意外に思うよりも、ファンの多い画家ですが、今でもは知る人も私の蒐集前と同じで少ないでしょうね。

ちなみに酒井三良の作品は共箱よりも「酒井澄」などの所定鑑定人による箱書の作品が多く存在します。真贋は鑑定などなくても、数多くの作品を見ながら勉強していくととだんだんと解ってきます。酒井三良よりも要注意なのは小川芋銭ですね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。