
休日につき臨時投稿として失敗談?を投稿します。
骨董店でも、インターネットオークションでも出回っているのは精巧にできている印刷(工芸作品)や版画の作品ですが、このような作品をさも肉筆画のようにして売られていたり、出品されているのが現状のようです。とくに写真でしか判断できないインターネットオークションは非常に見極めが難しくなります。
本日はそのような作品を紹介します。
失敗談 混同してはいけない工藝作品 酣春 伊東深水筆
濱田台児鑑定シール 紙本着色額装 タトウ+黄袋
F10号程度 全体サイズ:横695*縦730 画サイズ:横695*縦510

まずは作品の題名である「酣春(カンシュン)」の意味は「春まっさかり。春たけなわ。春の盛り。」という意味です。

画集にもなかなかない作品のようですが、インターネットで検索すると版画の作品が出回っているようです。

伊東深水らの作品は一部に手彩色されており、肉筆と勘違いしやすい作品も数多くあります。

原画を忠実に写していますので、描き方などに違和感はありませんし、印章についても「工芸印」でない限り、本物と同じ印章を押印している作品が多々あります。

正当に販売されいる版画でも300部限定で売られていますので、販売当時もそれなりのお値段であったのでしょう。

その版画にそれらしい鑑定証まで添付しているとますます肉筆かどうかが解らなくなりますね。

作品中の落款と印章、鑑定シールは下記の写真のとおりです。滲みなども違和感はありませんが・・。


額から外して手で触れてみると印刷や版画と肉筆の違いはよく分かります。当方では版画系統を含めた工芸作品や複製の作品は蒐集対象外なので、即時処分、もしくは返品されることになります。この作品は返品可能となりましたが、多くの出品者は返品や返金に応じようとしないのが実状です。
このような失敗は蒐集する者には恥ずかしながらよくあることですが、そこから経験を積むものかと・・・。
*本ブログではこのような経緯、経験を積んで成り立っている蒐集の紹介ですので、口汚しの点もあろうと思いますがご了解下さい。