腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ファザナドゥ(Wii VC版)

2018年04月16日 00時49分51秒 | ファミコンゲーム感想文
【ハード】ファミコン(Wii VC版)
【メーカー】ハドソン(現コナミ)
【発売日】1987年11月17日(オリジナル版)2010年10月5日(VC版)
【定価】514円
【購入価格】514円
【プレー時間】8時間


俺は本来、理屈っぽい人間じゃない。……知ってる? 言ってることが全然論理的じゃないから分かる? やかましい。
だって理屈考えるのって、面倒臭いだろ。俺は楽が好きなんだよ。……俺とお前がツーカーの仲なら、もっと楽なのになぁ。
とにかく。筋道立てて「この面白さの理屈は~」とか、そういうの面倒臭い。そんなん他所のレビュアー様がやってくれ。
本来は「このゲームなんか面白かった」「このゲームなんかつまんなかった」で終えたいのだ。それでいいと思うのだ。
「なんかいい」「悪い」で完結する感想文こそ、俺の理想である。……いや本当なんだって。理想と現実の違いに愕然とするね。
でも実際、人間は感情の生き物、そっちの方が自然だし、「本物」だと思う。直感は正しい。少なくとも本人にとっては。
それがいいと感じたなら、俺にとってそれはいい。誰の批判も、同意すらも関係ない。俺にとってそれはいい。終わり、である。

「ファザナドゥ」である。今から30年以上も前にファミコンで発売された、アクションRPGに属するゲームである。
と言っても俺は発売よりかなり遅れてプレーした。友達から借りて、ね。91年くらいだったかな? 覚えてねーや。
んで。今作、世間的な「名作」ではない。実際知名度は全然ない。でも俺には、このゲームこそ正に「なんかいい」なのである。
名作レベルではない。ダメゲーでもない。まぁ普通に面白い佳作ってとこだ。けどけど、今作は何かもう、「なんかいい」のだ。
……訳わからん、って? しゃーねーだろ、これを上手く言葉で説明できるなら、俺今頃もっと金持って幸せに生活してるよ。
そんな、理屈で説明し難い「なんかいい」佳作であるファザナドゥは、当然初プレー当時から俺の心と記憶に強く残った。
その後も何度か借りて4回くらいクリアーした。20年ほど前、大きい声では言えないがエミュレータでやったのが最後だと思う。
何度やっても、めっちゃ面白いとは言い難いが、「なんかいい」ゲームだった。間違いなく俺のファミコン史に残る一本だ。

しかしながら、所持したことはない。こりゃいかん。データでいいから買わないと。……と思ったのは10年くらい前か。
WiiでのVC化は知っていたが、何だかんだで買わずにいた。人間、「いつでもやれる」と思うとついつい放置しちまうのな。
だが先日、WiiのVCが半分終了。「確保すべきタイトル」をリスト見ながら考えた結果、今作を選んだ。ごめんな遅くなって。
有名作・名作なら後継機での再販売も期待できるが、今作にそれは望めそうもない。このVC版が最後のデータになるかもしれん。
そもそもWiiでVC化されたこと自体が考えてみれば驚きだ。担当者おかしいよ。「ヴァーミリオン」決めたのと同一人物かも。
ともあれ購入。買った以上焦る必要はないが、せっかく「熱」が高まってるんだ。すぐやろう。ファミ魂、SWITCHオン。
約20年ぶりにファザナドゥのタイトル画面を堪能。……タイトル曲を聴くだけでグッと。嗚呼。何も変わらず、なんかいい……。

今作は、タイトルからしてなんかいい。「ファザナドゥ」である。なんかヘタレな感じしない? 右肩下がり感というか。
実は今作、PCの名作として知られる「ザナドゥ」のファミコン移植版なのだ。少なくともそれで企画が始まったのは確かなはず。
そう、「ファミコンのザナドゥ」だから「ファザナドゥ」なのである。どうツッコんだらええねんこれ。担当者出てこい。
まぁタイトルはいいとして。よくないけど。完成し発売された今作を見て、元版の製作者やファンはかなり驚いたらしい。
「どこがザナドゥなんだよ!」と。俺は元版を知らんが、今作はそれとは似ても似つかないゲームに生まれ変わっていたらしい。
ハドソンとしては「ファミコンに最適化」したつもりなのだろうが、これは質の問題じゃない。そして人は分かり合えない。
今作はボロクソに言われ、売上も悪かったらしい。……何分古いゲームなので情報が少なく、ほぼ伝聞になるが。ごめんなさい。
まぁ元版を知らず、当然それに何の思い入れも持たない俺にンな話は関係ない。だからこそ純粋に今作を好きになったのかもな。
寧ろ「不遇の佳作」という新たななんかいいポイント追加である。はっは。屁理屈は何にでも付けられる。便利なものだ。

さて、ゲーム開始。……当時、最初の名前入力画面で、ファミコン少年たちは軒並み驚いたことだろう。「文字デカっ!!」と。
ファミコンの表示文字と言えば、ドラクエのサイズが有名だ。実際9割はあの大きさだろう。だが今作は、ざっとあの4倍はある。
それはもう衝撃的なまでに大きい。「度肝を抜くグラフィック」と言ってもいいかもしれん。……それはフカしすぎか。
無論そんだけ大きいから、非常に見やすい。これは現代HDゲームにすら勝る今作の特徴かもしれん。子供にも安心だ。
また文字の巨大化により、漢字も使われるようになった。容量の問題はあるからそこまで多用はしていないけど。
言うまでもなく、この巨大文字も今作の「なんかいい」である。実にいい。素晴らしい。他にはない、今作の特長だ。
……まぁ大きすぎてメッセージウインドウに表示される文字が少なく、文章の区切り方が微妙という欠点もあるのだが。
そういう「いいんだけど100点じゃない」のがまたいいんだよなぁ。もう難癖レベルで褒めてるが、いいんだよ好きなんだから。

ゲームは、横スクロールアクションRPGである。「リンクの冒険」に近い。発売は同年だが、影響は受けたのかな? 分からん。
横移動とジャンプと攻撃、しゃがみはない。やれることは少ないが、間合い調整なんかで結構腕が必要なゲームだと思う。
ぶっちゃけアクション部分については、あまり語るところがない。ファミコンらしい、荒めのゲームってところだ。
武器攻撃と魔法攻撃があり、魔法は有限、基本的に武器攻撃重視。魔法は色々と性能が中途半端で、あまり使えない。
敵の挙動はファミコンらしく理不尽気味でダメージを食らうことは多いが、被ダメは低めで、今でも十分「やれる」バランスだ。
攻略は「丁寧に」がコツか。……まぁそんなの当たり前だな。雑魚戦もボス戦も、動きをよく見て丁寧に対応すれば、勝てる。
逆に横着プレーに走るとあっという間に死んでしまう。まぁ今作は死のペナルティが軽いから、それも別に構わんけど。
ただ何度も死んでるとさすがに気分が悪くなる。ちなみ、WiiのVCには「まるごとバックアップ」は搭載されていない。
中断は可能だが、インチキセーブは不可能なのである。あくまでファミコンらしく取り組まねばならない。ふっ、上等ナリよ。
過去何度もクリアーしたゲーム、今の俺に出来ない道理はない。程よい懐かしさと理不尽さを噛み締めつつ、ゲームを進めた。

……うーん。やっぱ今作、アクションの面白さとしてはそこそこだな。つまらんとも言わんけどさすがに絶賛は出来ん。
攻撃を当てることに快感はあるが、敵の種類が少なく、全体的にかなり単調だ。色違いでもいいからもっと多彩さがほしかった。
何度かあるボス戦も流用だらけで、「ダンジョンの奥にいるちょっと強い雑魚」がボスの役割を果たしている形だ。
また強さの調整もおかしく、最初のボスになる鳥野郎がゲーム中最強クラスの敵だったりする。ゴリ押しでまぁ勝てるけど。
つっても難度が高いわけではなく、やれば進める。総じて「あまり真剣にやる気になれない」バランスだ。ファミ魂は薄め、か?
ただ死ぬとやり直しが面倒なので、それが嫌なら真面目に取り組むべきだろう。丁度いいっちゃいいバランスかもしれん。
俺は今回かなり緩くプレーしたので、死に回数も多く、結構ムカついた。でもそれはファミコンらしさを味わうことでもあった。
今作はサクサク進めば1日で楽にクリアー出来る。慎重にやればそれも可能かもしれん。でもそれじゃちょっとつまらんよ。
せっかく久々になんかいいゲームをやったんだ。ムカつきや何やらも一緒に味わえ。弛んだ現代ゲーム感覚に喝を入れろ。
……単純に下手だからってのは無しで。いやー。「やれそうな気」はするんですけどね。実際は、やれないんだよなぁ……。

今作はアクションRPGということで、主人公はレベルアップする。が、その「レベル」の概念は、他ゲーとは大きく違っている。
今作のレベルは「称号」である。例えば最初はゼロの経験値を1000溜めて教会に行けば「アスパイアラント」の称号を貰える。
以下同様で、敵を倒して経験値を規定の数字にしてから教会に行けば、より上位の称号を授けられる。でも強さは、据え置き。
……えええ!?!? そう、ここが今作の特徴だ。何と経験値を上げて凄い称号を貰っても、強さは一切変わらないのである。
主人公のHPとMPの上限は最初からずっと同じ、限界値。攻撃と防御力は装備によってのみ変わり、称号は何の効果も齎さない。
じゃあ何の意味があんねん!? と誰もが突っ込むが、実は金絡みで意味がある。称号は「手持ち金」を保証してくれるのだ。
どういうことか? 今作は店でアイテムを購入する機会が多い。またアイテムはかなり高価で、金は非常に重要だ。
それでいて今作は死にやすい。初期状態で死ねば、教会で復活はするが、所持金はゼロになる。これではゲームにならない。
しかし! 称号を得ていれば、死んでも「最低保証金」を持った状態で復活出来るのだ。アスパイアラントなら、500G持ちだ。
これはパスワードコンティニューを行う時も同様だ。今作はパスワードでゲームを再開しても、完全に元の状態には戻れない。
所持品は引き継がれるが、所持金は称号に合わせられるのである。称号無しならゼロ、高位称号なら大金持って再開となる。
再開する度にいちいち金稼ぎをするなんて面倒極まりない。よって一気クリアーをする気がないなら、称号は必須だ。
ちなみに「保証」されるから、称号を得てからアイテムを買い込み、わざと死ねば、金を得た上で復活できる。錬金術である。
どうだろう。かなり特異で面白いレベルシステムだと思わんだろうか。まさに今作的「なんかいい」である。実になんかいい。
「強さに全く関係がない」てのは酷いと思うが、それもまたいい。……いやこれは良くねーよ! その説明もないし! 
まぁでも最低保証システムは面白いから許す。国が払ってくれてるんかな。ファミコンじゃ珍しい、勇者に協力的な国だな……。

武器防具は種類が少なく、たった4種しかない。その分買い換えると効果覿面で、「強くなった」感はここで味わえる。
種類は武器・鎧・盾の3つ。「ジャイアントソード」刃先が三叉になってるのが笑える。そんな剣あるんかいな。
今作の盾は「敵の魔法攻撃を軽減する」というもので、ゼロには出来ないが、幾らかは防げる。食らうと痛いから大事だ。
が! 何故か最強の盾が「バトルヘルメット」という兜になっていて、しかも強制装備。最後は盾無し状態になってしまう。
じゃあヘルメットが魔法を防いでくれるのかと言うとそんなことはなく、ただ食らうだけ。意味不明。どんな最強装備やねん。
防具は鎧と盾だけで、頭にはない。それが最後にいきなり登場するから「おお!」と思ったのに、まさか無意味だったとは。
まぁヘルメットと同時に強制装備させられる鎧は高い防御力があるから、そっちで補填できるとも言えるけど。ったく変な話だ。
こういう、何とも言えない「抜けている」感じが今作のなんかいいなのだが……伝わらんよなぁ。非常に感覚的なことだかんね。
しゃーない。武器防具は少ない代わりに装備するとグラフィックに反映されるという、時代的にかなり素敵なことをやっている。
最強装備にすると目に見えて強そうになるのは嬉しい。故に無意味なヘルメットもオッケーである。はっは。

物語は……実は今作、「エルフとドワーフ」のお話だったりする。主人公を含む味方側はエルフ族なのだ。
つってもそこは30年前、まだ比類なき「ロードス島戦記」の彼女は広まっていない。「ああいうエルフ」は存在しない。
いやそもそも人外を描く気すらないのか、エルフ族の登場キャラはどいつも人間そのものにしか見えん。どういうセンスだよ。
ゲームが始まると「ぼくは〇〇 旅に出ていた」と主人公が喋る。……で、これがゲーム中最初で最後の台詞。おえおぇ……。
旅から戻ると国が荒れ果てていたから王様に事情を聞きに行ったら、何やらドワーフが突然襲いかかってきたらしい。
そしてエルフの噴水が止まり、井戸が枯れた。何人もの男が調査に向かったが誰も戻らず、もう残る希望は主人公だけ、という。
……主人公、王宮付きの戦士だったの? よう分からん。とにかく事態の収拾するべく、主人公の新たな旅が始まるのだった。

その後は幾つもの町やダンジョンを越えて泉を元に戻し、ドワーフの親玉を倒してクリアーとなる。……あっさりしている。
ファミコンゲームだけに演出面は非常に薄く、イベントらしいイベントは殆ど無い。名ありキャラさえ誰もいないほどだ。
一応シナリオはあるが、淡々と進んでいくだけで、感動も興奮もない。ここに面白さは一切ないと言ってもいいだろう。
面白いのは寧ろ「どこがエルフとドワーフやねん」というところだろう。当時のイメージを考慮しても変なのではないか。
敵は「隕石の影響でおかしくなったドワーフ」とのことだが、もちろん俺らが思い浮かべる髭面の小さな男たちなんかではない。
1つ目の化け物だったり、鎧の騎士だったり、ゾンビっぽい奴もいる。「こんなドワーフがおるか!」と叫ぶこと請け合い。
世界設定とグラフィックが全く噛み合っておらず、筆舌に尽くし難い間抜けさが漂っている。そこが今作は面白い。
もちろんなんかいい、である。物語なんかどうでもいいのだ。テキトーに悪い奴を倒しに行くお話、以上。
ラストは ドワーフの王を倒す→実は王を操ってるドワーフ法王が黒幕→ラスボスの法王を倒す で終了となる。
そこだけ少しドラマチックだと思ったが、神父さんが事情を説明してくれるだけで、敵は一言も喋らんから何ともはや。
ちなみに王も法王も非常に弱い。法王は直前に拾える無敵アイテムを取れば無傷ガチャプレーで倒せる。あーあ。
ほんま、どっかズレてるというか、締まらないというか。おかしな空気のゲームである。ほんま、そこがいい。はぁ。

グラフィックは、かなり美しい。どこがエルフやねんてのはあるが、それを無視すれば当時のトップクラスではなかろうか。
キャラもフィールドもよく描き込まれており、またよく動く。中盤の「霧のダンジョン」では「やるなぁ」と思ったよ。
主人公は若者だと思われるが、見た目がどうもオッサンぽい。説明はないから、実際40代とかなのかもしれない。だと嬉しい。
それでなくても今作、実は非常にオッサンが充実しているのである。オッサン度で言えば当時No.1だったことは間違いない。
というのも、町では一部会話相手の姿が大きく表示されるのだが、これが誰も彼も凄まじくオッサンなのだ。
ああもう、何言ってるか分からんよな。でもマジな話、「オッサン充」は、今作の魅力を語るに欠かせない要素だと思う。
ちょっとレビューを入れてみよう。おっさんキャラクロス(嘘)レビューだ。原作ファンなら買い。

・王様
普通に王様。最初と最後だけ登場。白髭と冠の「まさに王様」なお姿。オッサンではあるがそう呼ぶのは相応しくないか。
事態が事態なのでかなりの困り顔なのが面白い。旅の支度にそれなりの金をくれるので、無茶振りにも悪い印象はない。

・神父
称号をくれたりパスワードを教えてくれたりする他、ゲーム進行上会話が必須な神父も多い。個人ではないが重要人物である。
顔は神父としてはイカツイが、中身は立派な聖職者である、と思う。オッサン度は低い。

・民家の男
顔グラフィックはないが、重要情報をくれることが多い謎の事情通。アップがないから分からんが、まぁ多分オッサン。
今作はアップでない表示キャラの絵もかなりいい味だしている。レベル高いと思うよホント。

・民家の女性
↑の男と一緒にいることが多いので、恐らく奥さんだろう。アップ顔はないが、多分おばさん。特にコメントはありません。

・酒場の男1
アップ顔はない。壁にもたれて腕を組みながら煙草を吸っている。ダンディなオッサンであると想像できる。

・酒場の男2
アップ顔はない。白髪なのでオッサンではなく爺さんかもしれない。

・鍵屋の親父
やる気なさそーに座って煙草を吸いながら店番をやっているオッサン。営業努力が見られないので好感度低し。
もちろんオッサンではあるのだが、アップ顔は三人衆に比べてキャラが薄く、印象に残らない。5点。

・精肉屋の親父
オッサン三人衆の一人で、物凄くオッサン臭いアップ顔を見せてくれる。素晴らしい。オッサン好きが歓喜するオッサン。
「体力のつくかんそうにく」を売っている。値段の割に効果が高く、今作の主要回復アイテムだ。
その品質に自信があるのか、アップ顔は非常にドヤ顔。オッサンのドヤ顔好きにはたまらない人物と言えるだろう。10点。

・よろず屋の親父
オッサン三人衆の一人。凡そエルフという言葉から一番遠いと思われるオッサン。そのふざけた幻想をぶち殺される。
精肉屋とは逆に、アップ顔が非常に困り顔で、何かこっちが申し訳ない気分になる。一体何がそんなに悲しいんだよオッサン。
もしかしたら店の経営が苦しいのかもしれん。でも商品かなりボッタ値だよね? なかなか巧みなオッサンだ。8点。

・看護婦
病院にいる、今作唯一の若い女性、つまりメインヒロインということになる。だったらいいなと思った。
重要な情報をくれるわけでもなく、あんましな人。それでも若い女性ってだけで10点。オッサンゲーに咲いた一輪の花。

・医者の親父
最後に紹介するオッサンにして三人衆で唯一ムカつくオッサン。病院は今作の回復施設で、HP・MPを全回復してくれる。
しかし精肉屋に比べて治療費は非常に高く、声を上げて驚かされるレベルだ。幾ら何でも足元を見すぎである。
そしてこの医者(院長?)が、経営理念を表しているかのように嫌味な顔をしているのだ。愛嬌が全くなく、ただただムカつく。
更に嫌々ながら治療を受けると「あまりむりをしないほうがいいですよ」などという煽りをカマしてくるのである。ムキー!!
ドワーフなんかよりこの医者親父をブッ倒したいと思うプレーヤーは多いはず。黒幕はコイツにすべきだったよムキー!

いかがだっただろうか。まぁ伝わるわけないので流して下さい。ファミコン随一のオッサンゲーであることだけは保証する。


音楽。これも非常に、なんかいい。俺は今作の何が好きかって、音楽が一番好きだ。昔からずっと、脳内サントラ常備である。
タイトル曲は非常に勇壮でカッコイイ。今作らしからぬと言えるくらいだ。一方名前(パスワード)入力曲は妙に物悲しい。
町の曲は非常事態のはずが何か活気がある感じで、フィールドやダンジョンの曲は複数あってどれも雰囲気が出ている。
俺は特に「最初の町を出てからしばらく流れるテーマ」が好きだ。ああ、色んな意味で伝わらない。仕方ない。
けど何より今作を象徴する一曲は「民家・店のテーマ」だと思う。これがもう……いい、なんかいい、なんかとてもいい!!
のんびりした曲ながらどこか今作らしい間抜けさ・脱力感があり、聴いてて非常に馴染む、和む。これぞファザナドゥ。
民家の曲こそファザナドゥのテーマ曲に相応しい。もしCM打つことがあればそこで流すべきだ。……当時CM流したんかな。
音楽について語る時はいつももどかしい。言葉で言い表せるもんじゃないからなぁ。ましてなんかいい、なんて。無理だ。
20年近く間を空けていても、今作の音楽だけは俺の頭にずっとあった。久々に聴いても、まごうことなきファザナドゥだった。
いいもんである。やっぱ今作は俺にとって特別だ。こういうゲームがあったハード、ファミコン。俺の原点、なんだよなぁ……。


ふぅ。ラスボスを倒すと王様に感謝され、主人公は再び旅に出てED。が、スタッフロールがない。え、なんで!?
これは当時としてもおかしな話だと思う。今作を作ったスタッフのことは是非知りたいのに。……元版への後ろめたさ、か?
時代的に当然だがクリア後要素はない。一応最後の称号を取り、最強装備を揃え、有用アイテムを持ったパスワードをメモした。
完全クリアーである。あ、ちなみに色々忘れまくってたけど、ネットは見なかったよ。当然でしょ、ファミ魂でしょ。
ゲーム中に「僕のひえんやまんきんたんの術が使えない」「俺はスリの銀次だ」なんて身内ネタ台詞があり、時代を感じさせた。
はー……やっぱええわ、このゲーム。買って、改めてやってよかった。面白さだけがゲームじゃない。今作は、替えが利かない。
こういうゲームがあるからファミコンは止められない。いつも心にファミ魂を。死んであちらに行く日まで。

俺は別に、「ファミコン時代は今よりゲームが面白かった」と言う気はない。今も昔も、面白いゲームはある。
それでもファミコンはやっぱ俺の「原体験」であり、特別なのだ。そこは現代ゲームがどんなに面白くても、勝てない。
原体験はそれであるが故に強烈で、刻まれる。面白さだけでなくつまらなさも、平凡さであってもだ。全てが特別。
俺にってファザナドゥは特別だが、今こういうゲームがないわけではないと思う。でも、触れても、俺には多分残らない。
あの頃にやったからこそ俺にとってファザナドゥはファザナドゥになった。全ては巡り合わせ、奇跡。大袈裟じゃなく、な。
比類なきファミコンの「なんかいい」ゲーム、ファザナドゥに乾杯して終わり。面白さそこそこの、大切なゲームである。

……次にプレーするのはいつになるのかな。頻繁にやるもんじゃない。5年か10年後ってとこか。……そんな先か。
その時もまだ、俺の中に今作はなんかいいで残っているかな。当たり前だと言いたいが、未来のことは分からない。
そもそもまだゲームをやれる生活が続いているのか? いやもっと言えば生きているのか? 未来のことは分からない。
ファミコン時代も今もゲームは面白いが、環境差は歴然としている。あの頃は俺にも未来があった。可能性があった。
やれやれ、気が滅入る。止めとこう。またいつか会おうファザナドゥ。その時もまた「なんかいい」と感じられますように。
は~ぁ……。






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2 コメント

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Unknown (グレイ)
2018-04-18 22:37:32
ザナドゥシリーズはコンプリートコレクションにてザナドゥシリーズ各種(除くNEXT、最近の東亰)を持ち、
FCのファザナドゥも持っていながらにして全部積んでるダメっぷりを晒しています。
やる気出したらやると思って早1年以上……。
音楽は大好きなのですが(ファザナドゥも同じく。タイトルとか好きです)

ファザナドゥはハドソンアレンジの効いた良作アクションと聞いていましたが、おっさんゲーとは知りませんでした。
FC設置の際にちょっくら確かめてこようと思います。

>スタッフ
音楽はボンバーマンなどを担当している竹間ジュンさんですけどそれ以外のスタッフが謎ですね。
当時のハドソンは割と謎です……。

>原体験
ですねえ。
自分にとってはN64、GB、GBAの一部の作品が世間的評価はさておき
「自分が良いと思うから良いゲーム」
と判断を下せるものです。今でも定期的にプレイしたりしてます。
この原体験の時期に触れたゲームはやっぱり特別なものですよねえ。新作を遊ぶのとはまた違う楽しさがあります。
返信する
Unknown (ota)
2018-04-19 01:27:47
>ザナドゥシリーズはコンプリートコレクションにてザナドゥシリーズ各種(除くNEXT、最近の東亰)を持ち、
>FCのファザナドゥも持っていながらにして全部積んでるダメっぷりを晒しています。
俺はPCエンジンで風の伝説2作はやりましたが、名前以外はザナドゥと言えるものなんですかね。よう分からんや。
ファザナドゥが原型を留めていないのは言うの及ばず。元作にあったらしいパズル要素は残してほしかった気がします。
オッサンゲーというか、女性成分がほぼ無い上に、店の親父の印象が強すぎるのです……。

>音楽はボンバーマンなどを担当している竹間ジュンさんですけどそれ以外のスタッフが謎ですね。
ボンバーマンの人なんですか。今作、絵と音はかなり良い仕事していると思います。当時のハドソンのレベルを感じます。

>この原体験の時期に触れたゲームはやっぱり特別なものですよねえ。新作を遊ぶのとはまた違う楽しさがあります。
「オタク化してなかった頃」とも言えますね。オタク化が悪いとは思ってませんが、どうしても純粋さは薄れてしまうもの。
ごく単純にゲームの魔力に魅せられてたあの頃の感覚はもう何をどうやっても戻りません。こればっかりはしゃーないですね。
プレー時間の制限によるゲームへの飢えもあの頃ならではだなぁ。当時はもっとやりたかったけど、母に感謝ですわw
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