去年1年間、DCのゲームを一本もやらなかった。
これは我がゲー道において罪に等しき失態であり、猛省した。多分。
まぁそんなわけで、テキトーに過去に縛られつつ、今年一本目のDCゲーム。
所持未プレーだった「ソニックアドベンチャー インターナショナル」をやってみた。
……ちなみにこのソフト、DC本体(2代目、中古3000円弱)を購入した際、タダで貰った。無料である。
ついでに言うともう一本「ブルースティンガー」も一緒に付いてきた。はややや。
DCには他にも「バーチャストライカー」や「セガラリー2」など、100円以下で新品が流通したソフトが
何本かあるが、ソニアドもそのうちの一つだったのだろう。
そりゃゲームをタダで貰えりゃ嬉しいけど……当時複雑な気分になったのを覚えている。
そういやこのゲーム、悪名高き完全版商法の一角「インターナショナル版」の元祖かもしれんな。
完全版商法だけでも好かんのに、日本人のアメリカコンプレックスを突くこの手法が死ぬほど気に入らない。
なんで海外版ってだけで売りになるんだよ。なんで新作扱いで平然と売るんだよ。ふざけんな。
はぁ。はいはい、商売商売。金だよカネ。そうですね……。
ふぅ。
まず俺とソニックについて語らせて頂くと、実は結構付き合いが長い。
と言うより、記念すべき初代メガドライブ版発売から間もなく購入し、プレーした。
当時は気楽にゲームを買える財力など無かったが、たまたま金を持った時にソフトが売っていたのである。
そしてその購入動機は、ぶっちゃけ「雑誌の評価が高かった」からだった。
当時の青臭い俺が殆ど妄信してたファミ通でも、またメガドラ専門誌でも、初代ソニックは絶賛されていた。
やれスピード感が凄いだの、やれSFCじゃなくても回転拡大縮小は出来るだの。
「あんなに雑誌の評価が高いなら、絶対面白いに違いない」……とまぁ、とってもコッパな動機で購入したのである。
が、俺自身の評価は、「そこまでの出来か?」というものだった。
何周も何周もし、キッチリやり込んだと言えるが、とても雑誌ほどの高評価を与えることはできなかった。
つまらなかったわけではないが、無茶苦茶面白かったわけでもない。普通。
俺の、この初代への感想はソニックシリーズに対する接し方に大きく影響し、
その後続編が何本出ても、ハードが変わっても、別段興味を引かれることはなかった。
DCに思い入れがあるのにソニアドをプレーしていなかったのも、正直興味がなかったからだ。
俺とは関係ない次元の話だが、日本全体の市場でもソニックはイマイチ受け入れられなかった。
後に様々なハードで浴びるほど続編が発売されたが、日本で大ヒットしたと言える作品は、ない。
最も成功したセガハードであるサターンでは、何故かパッタリと供給が止まったし。はぁ。
まぁ出し続けてはいたのである程度の知名度はあるだろうが、マリオやドラクエとは比べるべくもないシリーズ、
それが日本におけるソニックの立場とと言えるだろう。
しかしこれが海外となると、マジでソニックは大人気であるらしい。
特に初代の与えた影響は大きく、一時はMDが海外SFCから市場の半分を分捕るほどだったとか。
……そんだけ人気があるなら、海外だけでもセガハードが成功してていいと思うんだが……ま、いいか。
そんなこんなでソニックとの付き合いは長いんだが、プレーしたタイトルは少なく、よく知らない。
DCで3D化し、ソニックの新たな幕開けとなったソニアドをプレーするのは、その意味でも適切だろう。
まぁ御託はこれくらいでいい。取り敢えず、やってみる。やってみた。
初代ソニックは、比類なき「スーパーマリオブラザーズ」を徹底的に研究した上で製作されたらしい。
それが目論み通りに大ヒットし、一時は任天堂を脅かすほどのタイトルになったのだから、製作者も本望であろう。
してこのソニアド、今度は「スーパーマリオ64」を参考にしているなと感じた。
アドベンチャーフィールドとアクションフィールド、アクションフィールドには3つのエンブレム。
この作り、殆ど3Dマリオまんまである。
先に3D化したライバルを、今回も後追いの形で見習わせて頂いたということだろうか。
まぁパクリっつーほど酷いわけじゃないし、こんなのはパクッてても別に問題ではないと思うが。
ただ、アドベンチャーフィールドは作り込みが甘く、意義を感じない半端な謎解きばかりなので、
やるならもう少しパクって欲しかったというのが正直な感想である。セガらしいっちゃらしいが。
で、本編であるアクションフィールドと、そこでのアクション。
……これは何と言うか、良くも悪くも予想通りの内容だった。
俺が初代ソニックに感じた違和感と、驚くほど重なるものがあった。
言うまでもなく、ソニックシリーズは「スピード感」を最大の売りにしている。
スーパーマリオはとても面白いゲームだが、スピードや爽快感を求めるタイプのゲームではない。
そこに自らの独自性を狙ったソニックは、名の通り高速でフィールドを駆け抜ける、爽快なアクションゲームとして生まれた。
そしてそれがユーザーに受け入れられ、好評を博したのである。
……が。
俺は初代の時点で、このソニックシリーズの売りに疑問があったのだ。
確かにソニックは、スピード感を楽しめるゲームである。フィールドをぶっ放すのが楽しいゲームである。
しかし、本当にただゴールまで突っ走っているだけでは、リングを思うように集められない。
リングを一定数集められないと、真ED条件であるボーナスステージに行けない。
また後半のステージになると、そうそう飛ばしてばかりで進める甘い作りにはなっていない。
無茶して飛ばすと敵に激突したり、落下死が多発する。慎重さが要求される。
本当にソニックの売りであるスピード感を味わおうとすると、綺麗な形でゲームを進めることができない。
これが、俺が初代ソニックに感じた違和感であり、「凄く面白い」とは思わない理由だった。
ただ走り回るだけでも序盤は楽しめるが、先に進めば進むほど、上手くなればなるほど、そうは行かなくなってくる。
狭い足場を慎重に飛び移ったり、細い通路をゆっくり歩いたり。
結局の所、「他のアクションゲーム」と大差ない細やかさを要求される。しかもゲームの大事な局面で、だ。
普段の移動が速いだけに、立ち止まって慎重に足場を飛び移る時などは、不快感が反比例して襲ってくる。
そう、他のアクションと違い、ソニックでの細かい動作は、明確に不快感なのである。困った事に。
初代は何度もクリアーしたが、最後まで爽快にプレーできた記憶は残念ながらない。
特にボーナスステージでは、カオスエメラルドを取る為に慎重に慎重に操作したものだ。
ハッキリ言えば「看板に偽りあり」ではないか。初代「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の感想は、こうだった。
で、DCで大幅パワーアップしたソニアドも、やっぱりソニックはソニックだった。
先に褒めておくと、売りのスピード感は凄まじいことになっている。もんの凄く速い。想像以上だった。
絵が3Dになったことで疾走感が大きく上がり、ぶっ放す爽快感は2Dを遥かに上回っている。
製作者もここが売りである事は重々分かっているので、ぶっ放しが出来る場面は多数用意されている。
この速さには、単純に驚いた。もう10年以上も前のゲームなのに、今の俺が驚いた。
仮に今10年前のマリオをやっても、面白さはともかく驚きはまず感じられないだろう。
そういう意味では大したものである。素直に感心した。
……しかし、ゲームを進めると、上述の欠点が次第に目立ってくる。
序盤こそガンガン飛ばせるが、先のステージほど作りが複雑になり、どんどん細かい操作を要求される。
ジャンプアクションはもちろん、物を持ち運んだりスイッチを押したり、正直非常に面倒臭い。
スピード感は3D化したことで大幅に上がったが、3Dアクション永遠の課題「分かり難さ」もまた大幅に上がっており、
恒例の極悪カメラ視点も絡み、今作は細かい動作が非常にやり難い。
ただスイッチを押すだけ、足場を移るだけでも何か矢鱈と難しく、とにかくイライラする。
また、それに絡むのだが、今作は非常にポリゴンが「粗い」。
これはグラフィックが汚いという意味ではない。
まぁ10年以上前の作品だから今見れば見劣りするのは当然だが、気になるほどではない。
問題は、ポリゴンの繋がりが異様に甘いことだ。
これはどういうことかと言うと、つまりオブジェクトがきちんと作られていない。
例えば、足場がちゃんと足場になっておらず、ただ走ってるだけでいきなり底が抜け、落下死することがある。
同様に、走っているとコースの側面をいきなりすり抜け、落ちてしまうことも多々あった。
フィールドを形作る床や壁でさえそうなんだから、オブジェクトはもっと酷い。
持とうと思っても判定が変で思うようにいかなかったり、やたらと何かに引っ掛かったり、見えない壁があったり。
グラフィックから想像する存在判定と実際のそれが全く合っていない。
これは個人の感じ方もあるかもしれないが、フィールドの粗さを見れば、その可能性は低いと思う。
これが原因でますます細やかな動作がしにくくなり、ますますイライラが募る。
「制限時間内にクリアーしろ」のステージだともう最悪で、何度かぶち切れかけたほどだ。
このゲーム、マリオのような隅々まで手の込んだ作りとはとてもじゃないが言えない。
取り敢えずこの点は断言できるだろう。
はぁ。
3D化によって爽快感は格段に上がり、細かい動作のやり難さが激増した。
ある意味非常に分かり易い進化をしている。
この大きな長所と欠点、長所を強く好む人は、欠点をも受け入れ、このゲームを大いに楽しめると思う。
逆に長所を認めつつも欠点をどうしても受け入れがたい人は、絶賛はできないだろう。
俺の場合、残念ながら後者である。確実に光る部分はあるが、総合的な荒っぽさが鼻につく。
マリオのように、細部に渡る製作者の拘りを感じない。「爽快感が最優先、それ以外は二の次」という意思を感じる。
その考えも間違いとは言わないが、俺個人はそれを甘え、手抜きと感じる。
せめてポリゴンの粗さは、もう少し作り込むことで修正できなかったのだろうか。
何となく思ったんだが、これはかつての対戦格闘ゲームにおけるカプコンとSNKの関係に似ている。
割と地味だがバランスに定評のあるカプコンと、バランスが出鱈目でも勢いと迫力が売りのSNK。
両社はどちらも対戦格闘ゲームの全盛期を演出し、どちらも世間に受け入れられた。
よってどちらが正しいとも、どちらが間違っているとも言えない。個人の趣味の範疇だ。
……うん、やはりこれ、マリオとソニックの関係に似ていると思う。
ちなみに俺はどっちかと言うとSNK派だったが、カプコンも嫌いと言うわけではなく、ごく普通にプレーしていた。
あの頃の対戦格闘ゲームには魔性の面白さがあったので、作りの良し悪しはあまり考えずに何でも楽しめた。
良い時代だったなぁ。……っと、この辺で止めておく。
難度は、クリアーするだけなら低い。
各ステージには3つのエンブレム、つまりミッションが用意されているが、クリアーに必要なのは一つ目、
一番簡単なミッションだけで、さほど苦労する事はない。苦労するのはコンプリートを狙った時だ。
また要所要所で挟まれるボス戦は拍子抜けするほど簡単で、あれならムービーで済ませた方が良かったのではないか。
ラスボスも非常に弱い。手応えがない。まぁアクションフィールドが主戦場だからこれでいいのかもしれんが。
今作はもちろんソニックが主役だが、他に使用できるキャラが5人、計6人のキャラを操れる。
6人はそれぞれアクションもミッションも違うので、同じステージでも全く違うゲームとして楽しめる。
これはなかなか良い作りだと思った。マリオにはこんなのないし。はは。
ただソニック以外のキャラは調整が甘いというか、フィールドも難度も作り込みを感じなかった。
これもまた悪い意味での粗さ、甘さと手抜きを感じた。
それでも多彩さは味わえるので、まぁ良しとしよう。本当に分かり易い作りだ。
クリアーする以上の事、エンブレム集めを狙うと、難度は急激に上がる。
特にコンプリートを目指すとなると、相当苦戦することになるだろう。
中でもソニックとビッグ・ザ・キャットは非常に厳しい。
キャットはデカい魚が全く釣れないし、ソニックは単純に制限時間がキツイ。
ショートカットが重要なのは分かるが、粗いポリゴンを突いた何か納得がいかないものも多いので、探す気がしない。
最初は全キャラのエンブレムコンプを狙っていたが、ソニックとキャットは断念した。
ゲームに負けた形になるが、製作者が悪いとも思う。
もうちょっと調整に時間をかけて欲しかった。まして一応リメイク版なんだし。
ゲーム本編とは別に「チャオ(小動物)育成」というミニゲームがあるが、こちらは全く手をつけていない。
というのも、チャオ育成にはビジュアルメモリが必要だからだ。
で、俺のDCメモカは非純正品で、記憶だけで液晶モニタが付いていないのである。
これではどう頑張ってもプレーできないので、早々に断念した。
まぁビジュアルメモリ持ってても、やりたいとは全然思わないが。
無理矢理突っ込んだ蛇足ミニゲームに思えてならない。
グラフィックは、さっきちょっと触れたが、今見てもそれほど酷くはない。
寧ろ今回初めてじっくり眺めた3Dソニックは、単純にカッコ良いと思えたほどだ。
元々デザインは複雑じゃないから、3D化に向いていたというのもあるだろう。ナイスだ。
フィールドの質はそれほど高くないが、なにせ高速移動するゲームだけに、殆ど気にならない。
このゲームでいちいちポリゴンを書き込んでも殆ど意味がないので、これは正しい判断だと思う。
……それでも判定はキッチリ作りこんでほしかったがね。はぁ。
音楽は世界設定に合った曲が揃っていると思う。
EDで流れる主題歌がキャラ毎に用意されており、なかなか力が入っている。
洋楽なのが玉に瑕だが。誰もがアメリカ語を崇拝してると思うなよ。ったく。
ジャンプ時の効果音は初代ソニックそのままであり、この辺にシリーズ作品であることを感じた。
一応アドベンチャー仕立てのゲームなので、物語も用意されている。
操作キャラが6人いて、ソニックを軸に他のキャラの物語が絡み、
全キャラクリアーすることで事件の全容が明かされるという凝った作りになっている。
また6キャラクリア後は最後のシナリオ「スーパーソニック編」が登場し、これが真のEDとなる。
……スーパーソニック、比類なき超サイヤ人まんまやん。情けないパロディだな……。
物語の作りは凝っていたが、内容は別にどうと言う事もない感じ。
各キャラのシナリオにバラバラに真相を配置した結果、中身がややこしくなってしまった事は否めない。
3Dソニック初作なんだから、普通にエッグマンの悪巧みって内容で良かったと思う。
凝った作りにしたって、ぶっちゃけ誰も見てないんだから。
キャラは、意外と個性的で良かった。
ソニックはなかなかに魅力的なヒーローキャラ。正直見直した。
テイルスは、キャラは良いけど声の棒読みが酷すぎる。誰か知らんがマジ最低。
エミーは、ソニックのガールフレンドキャラとしてまぁ良い感じ。ソニックが迷惑がってるとこがいい。
ナックルズはソニックのライバルキャラだが、どうやら関係が一方的な模様。ちょっと情けない。
他2キャラはあんましソニックと関係なかった。あまり存在意義を感じない。
これらのキャラは恐らく続編でもガンガン登場するだろうから、頭に入れておこう。
このゲームだけでなく、ソニックシリーズとしてもキッチリ把握しておかないとね。
ふぅ。
不満は多かったが、実際は結構ハマってプレーできた。
序盤だけでゲームの粗さは見えていたので、こんなにハマれたことは自分でも意外だった。
かつてのSNK格ゲーよろしく、このゲームにも不満を凌駕する勢いと迫力があったのだろう。
率直に言って、初代ソニックは超えていると思う。褒め言葉である。
粗さはあったが、想像以上のスピード感という嬉しい誤算もあり、十分楽しめた。
DCゲープレー、ソニックシリーズ久々のプレーという目的も達成できた。うむ。
……にしても、ドリームキャスト、うるさいね。
稼動音もそうだし、読み込み音がこれまた尋常でないくらいうるさい。XBOX360もビックリの騒音だ。
アクションゲーだからまだいいけど、ギャルゲとかやるとこれがマジで洒落にならない欠点なんだよ。
だって感動的な台詞に聞き入ろうにも、いちいちジャージャーと騒音読み込みが入るんだよ?
ヘッドホンで防げる次元の音でもないし。ホント何とかならんのか。
あとDCと言えば、個人的にゲーム史上最悪と思っている糞コントローラーだ。
今回もその糞っぷりは相変わらずで、「ああDCだなぁ」と認識させられたよ。畜生。
何度見ても死ぬほどダサいデザインだ。幾らセガでもこれはない。
でもDCにはこれしかない。これからもDCやるならこのコントローラーだ。
そして俺はこれからもDCゲーをプレーするのだ。ったく、しゃーねーな。ったくよぉ。ふひひ。
取り敢えず今年はDCゲーをやったってことで、義理は果たしたな。
……そんな動機でゲームやってどうすると思うが、まぁある程度はしゃーないよね。はぁ。
しかし改めて手持ちのDCゲーを眺めてみると、普通にプレーしたいタイトルもちゃんとある。
まぁそれは他のハードでも同じことだが。単純に、ゲームがあれば、何でもプレーしたくなるよな。
だって俺ゲームオタクなんだもん。あはは、分かり易い。
新しいハードやソフトと比べるとどうしても見劣りしてしまうが、
それがゲームソフトである限り、俺にとって魅力あるモノであることは変わりない。
多少の義務感は挟んでも、ちゃんと前向きに、古いハードとソフトに触れていきたいもんだね。
時間や金やハードの寿命やその他、色々事情はあるけど、まぁやれる所まではね。
当たり前のことだが、俺のDCはまだ起動した。まだまだハードとして動くのだ。
じゃあ現役だ。押入れで寝かしたりしねーぞ。死ぬまで動け。死ぬまで俺を楽しめませろ。
いつまでやれるかは分からんけど、まぁやれる所までは、ね。
やれやれ。
拍手を送る
これは我がゲー道において罪に等しき失態であり、猛省した。多分。
まぁそんなわけで、テキトーに過去に縛られつつ、今年一本目のDCゲーム。
所持未プレーだった「ソニックアドベンチャー インターナショナル」をやってみた。
……ちなみにこのソフト、DC本体(2代目、中古3000円弱)を購入した際、タダで貰った。無料である。
ついでに言うともう一本「ブルースティンガー」も一緒に付いてきた。はややや。
DCには他にも「バーチャストライカー」や「セガラリー2」など、100円以下で新品が流通したソフトが
何本かあるが、ソニアドもそのうちの一つだったのだろう。
そりゃゲームをタダで貰えりゃ嬉しいけど……当時複雑な気分になったのを覚えている。
そういやこのゲーム、悪名高き完全版商法の一角「インターナショナル版」の元祖かもしれんな。
完全版商法だけでも好かんのに、日本人のアメリカコンプレックスを突くこの手法が死ぬほど気に入らない。
なんで海外版ってだけで売りになるんだよ。なんで新作扱いで平然と売るんだよ。ふざけんな。
はぁ。はいはい、商売商売。金だよカネ。そうですね……。
ふぅ。
まず俺とソニックについて語らせて頂くと、実は結構付き合いが長い。
と言うより、記念すべき初代メガドライブ版発売から間もなく購入し、プレーした。
当時は気楽にゲームを買える財力など無かったが、たまたま金を持った時にソフトが売っていたのである。
そしてその購入動機は、ぶっちゃけ「雑誌の評価が高かった」からだった。
当時の青臭い俺が殆ど妄信してたファミ通でも、またメガドラ専門誌でも、初代ソニックは絶賛されていた。
やれスピード感が凄いだの、やれSFCじゃなくても回転拡大縮小は出来るだの。
「あんなに雑誌の評価が高いなら、絶対面白いに違いない」……とまぁ、とってもコッパな動機で購入したのである。
が、俺自身の評価は、「そこまでの出来か?」というものだった。
何周も何周もし、キッチリやり込んだと言えるが、とても雑誌ほどの高評価を与えることはできなかった。
つまらなかったわけではないが、無茶苦茶面白かったわけでもない。普通。
俺の、この初代への感想はソニックシリーズに対する接し方に大きく影響し、
その後続編が何本出ても、ハードが変わっても、別段興味を引かれることはなかった。
DCに思い入れがあるのにソニアドをプレーしていなかったのも、正直興味がなかったからだ。
俺とは関係ない次元の話だが、日本全体の市場でもソニックはイマイチ受け入れられなかった。
後に様々なハードで浴びるほど続編が発売されたが、日本で大ヒットしたと言える作品は、ない。
最も成功したセガハードであるサターンでは、何故かパッタリと供給が止まったし。はぁ。
まぁ出し続けてはいたのである程度の知名度はあるだろうが、マリオやドラクエとは比べるべくもないシリーズ、
それが日本におけるソニックの立場とと言えるだろう。
しかしこれが海外となると、マジでソニックは大人気であるらしい。
特に初代の与えた影響は大きく、一時はMDが海外SFCから市場の半分を分捕るほどだったとか。
……そんだけ人気があるなら、海外だけでもセガハードが成功してていいと思うんだが……ま、いいか。
そんなこんなでソニックとの付き合いは長いんだが、プレーしたタイトルは少なく、よく知らない。
DCで3D化し、ソニックの新たな幕開けとなったソニアドをプレーするのは、その意味でも適切だろう。
まぁ御託はこれくらいでいい。取り敢えず、やってみる。やってみた。
初代ソニックは、比類なき「スーパーマリオブラザーズ」を徹底的に研究した上で製作されたらしい。
それが目論み通りに大ヒットし、一時は任天堂を脅かすほどのタイトルになったのだから、製作者も本望であろう。
してこのソニアド、今度は「スーパーマリオ64」を参考にしているなと感じた。
アドベンチャーフィールドとアクションフィールド、アクションフィールドには3つのエンブレム。
この作り、殆ど3Dマリオまんまである。
先に3D化したライバルを、今回も後追いの形で見習わせて頂いたということだろうか。
まぁパクリっつーほど酷いわけじゃないし、こんなのはパクッてても別に問題ではないと思うが。
ただ、アドベンチャーフィールドは作り込みが甘く、意義を感じない半端な謎解きばかりなので、
やるならもう少しパクって欲しかったというのが正直な感想である。セガらしいっちゃらしいが。
で、本編であるアクションフィールドと、そこでのアクション。
……これは何と言うか、良くも悪くも予想通りの内容だった。
俺が初代ソニックに感じた違和感と、驚くほど重なるものがあった。
言うまでもなく、ソニックシリーズは「スピード感」を最大の売りにしている。
スーパーマリオはとても面白いゲームだが、スピードや爽快感を求めるタイプのゲームではない。
そこに自らの独自性を狙ったソニックは、名の通り高速でフィールドを駆け抜ける、爽快なアクションゲームとして生まれた。
そしてそれがユーザーに受け入れられ、好評を博したのである。
……が。
俺は初代の時点で、このソニックシリーズの売りに疑問があったのだ。
確かにソニックは、スピード感を楽しめるゲームである。フィールドをぶっ放すのが楽しいゲームである。
しかし、本当にただゴールまで突っ走っているだけでは、リングを思うように集められない。
リングを一定数集められないと、真ED条件であるボーナスステージに行けない。
また後半のステージになると、そうそう飛ばしてばかりで進める甘い作りにはなっていない。
無茶して飛ばすと敵に激突したり、落下死が多発する。慎重さが要求される。
本当にソニックの売りであるスピード感を味わおうとすると、綺麗な形でゲームを進めることができない。
これが、俺が初代ソニックに感じた違和感であり、「凄く面白い」とは思わない理由だった。
ただ走り回るだけでも序盤は楽しめるが、先に進めば進むほど、上手くなればなるほど、そうは行かなくなってくる。
狭い足場を慎重に飛び移ったり、細い通路をゆっくり歩いたり。
結局の所、「他のアクションゲーム」と大差ない細やかさを要求される。しかもゲームの大事な局面で、だ。
普段の移動が速いだけに、立ち止まって慎重に足場を飛び移る時などは、不快感が反比例して襲ってくる。
そう、他のアクションと違い、ソニックでの細かい動作は、明確に不快感なのである。困った事に。
初代は何度もクリアーしたが、最後まで爽快にプレーできた記憶は残念ながらない。
特にボーナスステージでは、カオスエメラルドを取る為に慎重に慎重に操作したものだ。
ハッキリ言えば「看板に偽りあり」ではないか。初代「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の感想は、こうだった。
で、DCで大幅パワーアップしたソニアドも、やっぱりソニックはソニックだった。
先に褒めておくと、売りのスピード感は凄まじいことになっている。もんの凄く速い。想像以上だった。
絵が3Dになったことで疾走感が大きく上がり、ぶっ放す爽快感は2Dを遥かに上回っている。
製作者もここが売りである事は重々分かっているので、ぶっ放しが出来る場面は多数用意されている。
この速さには、単純に驚いた。もう10年以上も前のゲームなのに、今の俺が驚いた。
仮に今10年前のマリオをやっても、面白さはともかく驚きはまず感じられないだろう。
そういう意味では大したものである。素直に感心した。
……しかし、ゲームを進めると、上述の欠点が次第に目立ってくる。
序盤こそガンガン飛ばせるが、先のステージほど作りが複雑になり、どんどん細かい操作を要求される。
ジャンプアクションはもちろん、物を持ち運んだりスイッチを押したり、正直非常に面倒臭い。
スピード感は3D化したことで大幅に上がったが、3Dアクション永遠の課題「分かり難さ」もまた大幅に上がっており、
恒例の極悪カメラ視点も絡み、今作は細かい動作が非常にやり難い。
ただスイッチを押すだけ、足場を移るだけでも何か矢鱈と難しく、とにかくイライラする。
また、それに絡むのだが、今作は非常にポリゴンが「粗い」。
これはグラフィックが汚いという意味ではない。
まぁ10年以上前の作品だから今見れば見劣りするのは当然だが、気になるほどではない。
問題は、ポリゴンの繋がりが異様に甘いことだ。
これはどういうことかと言うと、つまりオブジェクトがきちんと作られていない。
例えば、足場がちゃんと足場になっておらず、ただ走ってるだけでいきなり底が抜け、落下死することがある。
同様に、走っているとコースの側面をいきなりすり抜け、落ちてしまうことも多々あった。
フィールドを形作る床や壁でさえそうなんだから、オブジェクトはもっと酷い。
持とうと思っても判定が変で思うようにいかなかったり、やたらと何かに引っ掛かったり、見えない壁があったり。
グラフィックから想像する存在判定と実際のそれが全く合っていない。
これは個人の感じ方もあるかもしれないが、フィールドの粗さを見れば、その可能性は低いと思う。
これが原因でますます細やかな動作がしにくくなり、ますますイライラが募る。
「制限時間内にクリアーしろ」のステージだともう最悪で、何度かぶち切れかけたほどだ。
このゲーム、マリオのような隅々まで手の込んだ作りとはとてもじゃないが言えない。
取り敢えずこの点は断言できるだろう。
はぁ。
3D化によって爽快感は格段に上がり、細かい動作のやり難さが激増した。
ある意味非常に分かり易い進化をしている。
この大きな長所と欠点、長所を強く好む人は、欠点をも受け入れ、このゲームを大いに楽しめると思う。
逆に長所を認めつつも欠点をどうしても受け入れがたい人は、絶賛はできないだろう。
俺の場合、残念ながら後者である。確実に光る部分はあるが、総合的な荒っぽさが鼻につく。
マリオのように、細部に渡る製作者の拘りを感じない。「爽快感が最優先、それ以外は二の次」という意思を感じる。
その考えも間違いとは言わないが、俺個人はそれを甘え、手抜きと感じる。
せめてポリゴンの粗さは、もう少し作り込むことで修正できなかったのだろうか。
何となく思ったんだが、これはかつての対戦格闘ゲームにおけるカプコンとSNKの関係に似ている。
割と地味だがバランスに定評のあるカプコンと、バランスが出鱈目でも勢いと迫力が売りのSNK。
両社はどちらも対戦格闘ゲームの全盛期を演出し、どちらも世間に受け入れられた。
よってどちらが正しいとも、どちらが間違っているとも言えない。個人の趣味の範疇だ。
……うん、やはりこれ、マリオとソニックの関係に似ていると思う。
ちなみに俺はどっちかと言うとSNK派だったが、カプコンも嫌いと言うわけではなく、ごく普通にプレーしていた。
あの頃の対戦格闘ゲームには魔性の面白さがあったので、作りの良し悪しはあまり考えずに何でも楽しめた。
良い時代だったなぁ。……っと、この辺で止めておく。
難度は、クリアーするだけなら低い。
各ステージには3つのエンブレム、つまりミッションが用意されているが、クリアーに必要なのは一つ目、
一番簡単なミッションだけで、さほど苦労する事はない。苦労するのはコンプリートを狙った時だ。
また要所要所で挟まれるボス戦は拍子抜けするほど簡単で、あれならムービーで済ませた方が良かったのではないか。
ラスボスも非常に弱い。手応えがない。まぁアクションフィールドが主戦場だからこれでいいのかもしれんが。
今作はもちろんソニックが主役だが、他に使用できるキャラが5人、計6人のキャラを操れる。
6人はそれぞれアクションもミッションも違うので、同じステージでも全く違うゲームとして楽しめる。
これはなかなか良い作りだと思った。マリオにはこんなのないし。はは。
ただソニック以外のキャラは調整が甘いというか、フィールドも難度も作り込みを感じなかった。
これもまた悪い意味での粗さ、甘さと手抜きを感じた。
それでも多彩さは味わえるので、まぁ良しとしよう。本当に分かり易い作りだ。
クリアーする以上の事、エンブレム集めを狙うと、難度は急激に上がる。
特にコンプリートを目指すとなると、相当苦戦することになるだろう。
中でもソニックとビッグ・ザ・キャットは非常に厳しい。
キャットはデカい魚が全く釣れないし、ソニックは単純に制限時間がキツイ。
ショートカットが重要なのは分かるが、粗いポリゴンを突いた何か納得がいかないものも多いので、探す気がしない。
最初は全キャラのエンブレムコンプを狙っていたが、ソニックとキャットは断念した。
ゲームに負けた形になるが、製作者が悪いとも思う。
もうちょっと調整に時間をかけて欲しかった。まして一応リメイク版なんだし。
ゲーム本編とは別に「チャオ(小動物)育成」というミニゲームがあるが、こちらは全く手をつけていない。
というのも、チャオ育成にはビジュアルメモリが必要だからだ。
で、俺のDCメモカは非純正品で、記憶だけで液晶モニタが付いていないのである。
これではどう頑張ってもプレーできないので、早々に断念した。
まぁビジュアルメモリ持ってても、やりたいとは全然思わないが。
無理矢理突っ込んだ蛇足ミニゲームに思えてならない。
グラフィックは、さっきちょっと触れたが、今見てもそれほど酷くはない。
寧ろ今回初めてじっくり眺めた3Dソニックは、単純にカッコ良いと思えたほどだ。
元々デザインは複雑じゃないから、3D化に向いていたというのもあるだろう。ナイスだ。
フィールドの質はそれほど高くないが、なにせ高速移動するゲームだけに、殆ど気にならない。
このゲームでいちいちポリゴンを書き込んでも殆ど意味がないので、これは正しい判断だと思う。
……それでも判定はキッチリ作りこんでほしかったがね。はぁ。
音楽は世界設定に合った曲が揃っていると思う。
EDで流れる主題歌がキャラ毎に用意されており、なかなか力が入っている。
洋楽なのが玉に瑕だが。誰もがアメリカ語を崇拝してると思うなよ。ったく。
ジャンプ時の効果音は初代ソニックそのままであり、この辺にシリーズ作品であることを感じた。
一応アドベンチャー仕立てのゲームなので、物語も用意されている。
操作キャラが6人いて、ソニックを軸に他のキャラの物語が絡み、
全キャラクリアーすることで事件の全容が明かされるという凝った作りになっている。
また6キャラクリア後は最後のシナリオ「スーパーソニック編」が登場し、これが真のEDとなる。
……スーパーソニック、比類なき超サイヤ人まんまやん。情けないパロディだな……。
物語の作りは凝っていたが、内容は別にどうと言う事もない感じ。
各キャラのシナリオにバラバラに真相を配置した結果、中身がややこしくなってしまった事は否めない。
3Dソニック初作なんだから、普通にエッグマンの悪巧みって内容で良かったと思う。
凝った作りにしたって、ぶっちゃけ誰も見てないんだから。
キャラは、意外と個性的で良かった。
ソニックはなかなかに魅力的なヒーローキャラ。正直見直した。
テイルスは、キャラは良いけど声の棒読みが酷すぎる。誰か知らんがマジ最低。
エミーは、ソニックのガールフレンドキャラとしてまぁ良い感じ。ソニックが迷惑がってるとこがいい。
ナックルズはソニックのライバルキャラだが、どうやら関係が一方的な模様。ちょっと情けない。
他2キャラはあんましソニックと関係なかった。あまり存在意義を感じない。
これらのキャラは恐らく続編でもガンガン登場するだろうから、頭に入れておこう。
このゲームだけでなく、ソニックシリーズとしてもキッチリ把握しておかないとね。
ふぅ。
不満は多かったが、実際は結構ハマってプレーできた。
序盤だけでゲームの粗さは見えていたので、こんなにハマれたことは自分でも意外だった。
かつてのSNK格ゲーよろしく、このゲームにも不満を凌駕する勢いと迫力があったのだろう。
率直に言って、初代ソニックは超えていると思う。褒め言葉である。
粗さはあったが、想像以上のスピード感という嬉しい誤算もあり、十分楽しめた。
DCゲープレー、ソニックシリーズ久々のプレーという目的も達成できた。うむ。
……にしても、ドリームキャスト、うるさいね。
稼動音もそうだし、読み込み音がこれまた尋常でないくらいうるさい。XBOX360もビックリの騒音だ。
アクションゲーだからまだいいけど、ギャルゲとかやるとこれがマジで洒落にならない欠点なんだよ。
だって感動的な台詞に聞き入ろうにも、いちいちジャージャーと騒音読み込みが入るんだよ?
ヘッドホンで防げる次元の音でもないし。ホント何とかならんのか。
あとDCと言えば、個人的にゲーム史上最悪と思っている糞コントローラーだ。
今回もその糞っぷりは相変わらずで、「ああDCだなぁ」と認識させられたよ。畜生。
何度見ても死ぬほどダサいデザインだ。幾らセガでもこれはない。
でもDCにはこれしかない。これからもDCやるならこのコントローラーだ。
そして俺はこれからもDCゲーをプレーするのだ。ったく、しゃーねーな。ったくよぉ。ふひひ。
取り敢えず今年はDCゲーをやったってことで、義理は果たしたな。
……そんな動機でゲームやってどうすると思うが、まぁある程度はしゃーないよね。はぁ。
しかし改めて手持ちのDCゲーを眺めてみると、普通にプレーしたいタイトルもちゃんとある。
まぁそれは他のハードでも同じことだが。単純に、ゲームがあれば、何でもプレーしたくなるよな。
だって俺ゲームオタクなんだもん。あはは、分かり易い。
新しいハードやソフトと比べるとどうしても見劣りしてしまうが、
それがゲームソフトである限り、俺にとって魅力あるモノであることは変わりない。
多少の義務感は挟んでも、ちゃんと前向きに、古いハードとソフトに触れていきたいもんだね。
時間や金やハードの寿命やその他、色々事情はあるけど、まぁやれる所まではね。
当たり前のことだが、俺のDCはまだ起動した。まだまだハードとして動くのだ。
じゃあ現役だ。押入れで寝かしたりしねーぞ。死ぬまで動け。死ぬまで俺を楽しめませろ。
いつまでやれるかは分からんけど、まぁやれる所までは、ね。
やれやれ。
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