◇OSS◇レッドハットがOSS対応SOA製品を発表

2008-03-09 17:15:52 | OSS・ミドル
 レッドハットはサービス指向アーキテクチャ(SOA)による業務システム構築のためのOSSミドルウエア製品「JBoss Enterprise Platform」の提供を開始した。これは、業界で初めてOSSベースのSOAミドルウエア機能を統合し、低コストで一括提供するもの。同社では「JBossソリューションセンター」を設置により、ISVパートナー支援を強化し、オープンソースSOAを本格推進することにしている。

 <短評>SOAは仮想化と並び最近IT関連のホットな話題となっており、各社が力を入れ始めている。JBossを買収したレッドハットとしては、OSS対応SOAは満を持した発表であった。SOAは業務システムで稼働する個々のサービスをネットワーク上で自由に連携させて、システム全体を最適化する設計手法のことで、システムをゼロから作るのではなく業務プロセスの視点で変化させて構築するもので、今後のシステム構築の焦点になりつつある。

 このように注目されているSOAではあるが、①SOAミドルウエア製品のコストが高い②実際には費用対効果が能書きほど得られにくい③各社固有のSOA技術では習得も容易ではなく、技術者の確保が難しい―などの理由により、思ったより普及してないのが現実だ。そのような状況下でレッドハットがOSS対応SOAの提供を発表したことの意義は大きい。つまり、OSS対応のため①コストが安い②このため費用対効果が得やすい③SOA技術がオープン化され、その結果技術者の確保も比較的容易―などのメリットが得られる。

 このように、OSS対応SOAは期待が持てる製品であり、今後の普及が大いに楽しみな製品であることは間違いないのであるが、IBMをはじめとする大手IT企業は既に独自のSOA製品による事業を展開しており、これらの中でレッドハットがどう存在感を植え付けることができるのかは未知数なところがある。正にレッドハット首脳部の能力が問われる製品ではある。(ossdata)

http://www.jp.redhat.com/news_releases/2008/02282008.html