冬は雨降り・・夏は素晴らしき・・住めば都

チャー助です。
カナダ・バンクーバーに移住して25年ほど。生活・子育て・日本について思うこと等を綴ります。

ハグ

2023年04月20日 | 生活
ネットで読んだ漫画なのだが、30歳近い男性(主人公)がひょんなきっかけで83歳のひとり暮らしのおばあちゃんから、週2回夕食をごちそうしてもらうことになるというエピソードがあった。このおばあちゃんは結婚せずずっとひとりで暮らしてきたようで、身寄りはほぼないみたい。ある冬の夜、おばあちゃんのところで夕食を食べた後、帰ろうとした主人公が咳をしていたので、おばあちゃんが喉に効くといって果実酒を渡す。それと、メッセージカードみたいなのも。主人公はありがとう!といっておばあちゃんをぎゅっとハグする。そのときのおばあちゃんの幸せそうな顔をみたときに、泣けちゃってしょうがなかった。私も年取ってきて、たいていのことでは傷ついたりなどしないって感じで面の皮は厚くなってきているのだが、変なところで涙もろくなってきていて困る。
このおばあちゃんは、憎まれ口を叩いたり、ぶっきらぼうで愛想がない感じなんだが、このハグがすごくうれしかったんだなとわかる。偏屈なばあさんと思われながら、ずっとひとりでがんばってきたんだろう。週2回の主人公との交流は張り合いを生んだだろうし、楽しかっただろう。自分以外の気にかける人ができるってやっぱり人生にうるおいをもたらすんだろうなぁ、と思う(心配事や厄介事もついてはくるだろうけど)。それがこの表情に集約されている感じで。ハグしてきた主人公には見えないところでそんな表情をしているっていうのも、またグッとくるというか。
で、このおばあちゃんはその翌日に急死してしまう。主人公がおばあちゃんが住んでいた家を引き継ぐことになり、そこに集う人たちとの交流とかがこの漫画の主題らしいので、おばあちゃんとのエピソードは単なる導入部にすぎない。でもなんか、おばあちゃんの人生の最後に幸せな瞬間があったなって思う、このエピソードにはこころゆりうごかされてしまった。なんというか、おばあちゃんが人生の最後にこの主人公と出会ったことって神様からのごほうびみたいで、また泣けちゃうのである。

ところで、ハグであるが、日本人にはあまりなじみのない所作ではあるかと思う。ただ、最近のドラマなんかを見ていると、久しぶりにあった友達や家族をハグするとか、落ち込んでいる人を慰めるのにハグするとかというシーンがよく出てくるので(時代劇でもそういうのがあるけど、さすがにありえん!と思うのは私だけ?)最近の日本では誰でも普通にやっているんでしょうか?
ハグというのは気持ちを伝えるのになかなか良い方法となるのを、こちらに来てから感じるようになった。たとえば、大切な人を亡くした友人にかける言葉が見つからないというときにそっとハグする。それで寄り添う気持ちが伝わる。つらいきもちを抱えている人をハグすることで、気持ちはわかるよ、大変だよねというような気持ちが伝わる。そんな感じ。
とはいえ誰に対してでもできるわけではない。やはり親密度があまり高くないと、ちょっと気まずい。たとえば、単なるママ友程度だとしづらい・・もっと友達という感じで仲良くなっていればできそうだけど。男女の場合はさらに複雑になるかな。いくら外国人でも誰でも気軽にハグするってわけではもちろんない。
私はやはりまだ日本人マインドなので、こちらで仲良くなった人ともハグはなかなかできそうにない(相手が日本人に限らず外国人であっても、である)。肩に手をやるとか程度までだなぁ。
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ニュースから

2023年04月10日 | 生活
先週、バンクーバーでホームレスの人が設置していたテントなどを警察とバンクーバー市が強制撤去した。隣接するバーナビー市からバンクーバーダウンタウンへつながるヘイスティングスストリート沿いは、チャイナタウンがある周辺くらいから、なかなかに荒れた地域である。ホームレスの人が集まる地域となっていて、交通量が結構多いこの道路も、このあたりだけ制限速度が時速30キロにされている。ふらふらと道路に出てくる人が結構多いのでその対策らしい。

私の住むところからダウンタウンへ行くとき、スカイトレインを乗り継いでいく方法もあるが、ヘイスティングスストリートを通るバスに乗る方法もある。ごくたまにダウンタウンの方へ行く用事があると、バスで行くことも多い。このバスがちょうど荒れた地域を通るのであるが、このあたりだけ異様な雰囲気になっているのを眺めることになる。たいていいつでも救急車やパトカーが来ているし。最近は歩道にはられたテントが多くなっていたのを見て、どんどんすごくなっているなぁと思っていた。
以前、公園だとかにテントをはっているホームレスの人が公園を占拠しているような事態になっていたこともある。そうすると、そこから追い出され、また他の公園等に移り、てなことをしていたようなのだが、ここ最近は、ヘイスティングスストリート沿いにテント群が集まってきていたようである。
歩道にずらりとテントや棒(?)とかで組み立てた小屋状のものとかが並んでいて、その側にぼんやりと佇んでいる人や、ふらふら歩き回っている人などを、バスの窓から眺めて、「歩道にこんなに出してたら邪魔だし危ないよなぁ」などと思っていた。

実害はもろもろあったようである。テントにプロパンガスのタンクを持ち込んで暖を取ったりするひとも多く、それが爆発するとか火事を起こすとか。あとは、建物が火事になったときに消防隊がきても、その前でテントをはっている人がどかなくて、警察を呼んで動かしてもらわなくてはならなかったりとか。近くの店なんかも迷惑を被っているというのもあったようだし。そんなわけで、ついに警察はこうしたテントなどを撤去することにふみきったそうだ。

追い出されたホームレスの人たちは、シェルターに移る、どっかしらの場所に移る(どっかの公園とか、空き地とか?)などになるのだが、またほとぼりが冷めたらぼちぼち戻ってくるひとも多いのではと思う。実際、撤去してもすぐもどってくる人がいたみたいだし。他に行くところがなければ戻ってきちゃうよね。ということで、この撤去作業は「時間とお金の無駄遣い」とコメントする人もいる。
シェルターに関しては、受け入れ数が足りていないというのもあるらしいが、そもそもそういうところに入りたくないという人も多い。ねずみやら虫やらが出る不潔な環境だったり、内部でいざこざが起きたり、あまり居心地がいいとはいえない所も多いとか。シェルターに一時的に入っても、やっぱり外のほうが自由でいいと思って出ていく人もいるだろうし。
テントを強制的に撤去しても、結局は他の場所に移るか、しばらくすると戻ってくるとかして、元のもくあみってことになる。解決のポイントはどこなんだろうなぁと思う。

ところで、この強制撤去に関して、メディアがカメラを持ち込んでリポートすることに制限がかかったりしたそうな。たくさんカメラを持ち込んでこられては作業に支障をきたすとか、安全面を考慮してとか。安全面という意味では、たしかに心配するのも分かる。抵抗するホームレスの人が暴力を振るうとかもあり得る。使用済み注射針があちこちにあるかもしれないので、撤去作業中に刺されないように気をつけなくちゃいけないなど。
最近はメディアでなくても一般人がスマホでなんでも録画してSNSにあげたりする時代なんで、メディアだけでなく一般人も見に来てただろうしね。この間、バンクーバーダウンタウンで一般人同士が揉め事の末、ひとりが刺殺されるという事件があった。まだ明るいうちで人通りも多い場所でのことで、その殺傷行為をビデオ録画していた人が何人もいたようだ。警察に証拠として提出するだけにした人もいるなかで、SNSにあげたひともいたようで、遺族がそういうビデオを見たり拡散しないでほしいと訴えていた。こういうのも現代の社会の姿なんだろうか、なんか怖いなぁと思う。助けに入るでもなく(実際に割って入って自分が怪我したりすることになったら、と思うとなかなか出来ないかもしれないが)、じっと録画しているっていうのはどういう心境なんだろうか。こうしたビデオが出回るのは、見たいと思う人がそれなりの数、存在しているからであろうということも恐ろしい。なんでそういう場面を見たいかなと思うんだけど。なんというかうすら寒くなるような心地です。
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ようやく春らしくなってきたこの頃

2023年04月02日 | 生活
この冬は寒かった、と私は思っている。そのせいかと思うが、桜の開花も少し遅いようだ。
日本のように桜の開花予想とかテレビとかでやってないので、「そういや桜って咲いてるのかな?」なんて思って自分で調べない限り(または見に行く)いつ咲いたか分からないのである。うちから5分程度のところに4本くらい桜の木があるのだが、そこは大抵3月終わりから4月初め頃に咲いている。今年はやや遅いみたい。

3月後半には日差しが春らしくなってきていたのだが、なんか気温は思ったより上がらず、空気が冷たいって感じだった。
それでも明るい日差しに誘われるように外を散歩とかウオーキングしている人が増えてきた。私は犬がいなくなってから外を歩くということがめっきり減っているのだが、たまに散歩に出てみる。
こちらの人はちょっと暖かくなってくると、いきなり半袖Tシャツ一枚で外を歩いてたりする。「さすがに寒くない?」と、長袖Tシャツに薄手のカーディガンに薄手のジャケットを着ている私は驚いてしまう。でもそういう人たちは「晴れてるから」という理由で半袖になっちゃうのである。皮膚の作りが私とは違うとしか思えない。
あと夏の暑いときは、男性だと上半身裸で外を歩いていることもある。日本ではありえん・・と私が言っていると、息子は「そうなんだ?」と驚く。「だって上半身裸はすでにヌード扱いだよ、日本だと。イケメン俳優がドラマなんかで上半身脱いだりすると、「XXがヌードに!」みたいな騒がれ方したりするもんね」などと言っても息子にはなんかピンとこないらしい。
さらに息子は「でもさ、上半身裸でびっくりする割には、コンビニでは堂々とエロ雑誌売ってるよね。隠しもせず」と言う。たしかに。あれは日本の不思議なところだよね。あのような雑誌はカナダではそういうのを専門に扱っている店にでもいかない限り目にしないのだ。そしてそういう店は外から中が見えないようになっていたりするし、子供はもちろん入れないし、大人であっても誰でも入りやすい店構えにはなっていない。こちらで生まれ育ったうちの子たちは、コンビニでそのような雑誌を見て、かなりびっくりしていた。「子供とかも簡単に見れちゃうよ、こんなんでいいの??」と。
日本は不思議なところで、性に関しておおらかなところがあるのですよね。

いよいよ4月。ゆっくりだけど春になってきている。
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