大牟田・オープンシャッター・サロン茶塘

商店街の活性化を目指して、大牟田市新栄町の空き店舗を改装、サロン茶塘が開設された。茶塘や商店街のイベントを紹介します。

「絵に刻む 患者支えた桜」

2023年11月08日 05時22分10秒 | 日記

 明日11月9日は、「福岡県大牟田市の三井三池炭鉱三川坑炭じん爆発事故の発生から」、「60年」の日です。

 炭じん爆発で「多くの患者が入院した病院にある桜の木を描いた女性がいる」そうです。同市出身で旧産炭地の文化史を研究し、石炭を使って描く美術家、国盛麻衣佳さん(37)」と、紹介されています。
 炭じん爆発は「死者458人、一酸化炭素中毒患者839人を出した戦後最悪の労災事故だった。患者の治療を目的に国が開設した大牟田労災病院は2006年に廃止。社会保険大牟田吉野病院(同市)が引き継いだが、今月1日に老朽化のため系列の天領病院(同)に統合された」そうです。
 「病院側は天領病院に病棟を新設し、1回ホールに飾る絵の制作を国盛さんに依頼。話し合いを重ね、国盛さんは吉野病院の中庭にある桜を描くことに決め」そうです。「昔の写真を見せてもらうと、桜並木を散歩したり花見したりする患者やスタッフの穏やかな笑顔が印象に残った。『もう見ることができない風景、おぼろげな記憶を描きたかった』」とのことです。
「企業責任を問う法廷闘争や医療の充実に向けた訴えも長年続く。国盛さんの曽祖父や祖父母らも炭鉱で働いていたが『負の側面は語らなかった』」そうですが、「亡くなる直前に口にする親戚もいて『本当は伝たいことがあるんだ』と気付いた」そうです。「働く者にとって炭鉱は愛憎入り交じる存在で、『それぞれの感情をすくい取ろうと思いながら描いた』と話」されたそうです。〜それにしても石炭を使って描くとは?どういうことでしょうか?
 「炭鉱で採取し、粉砕した石炭やボタ、石炭灰などを混ぜた油絵の具を使」うそうです。写真を見ると、「2本の桜の木」が描かれていますが、「台風で倒木後に再生した木と、そのすぐそばに新しく芽吹いた幼木には、これまでの吉野病院の歴史と、これからの歩みを重ねている」そうです。
 「幼木は今後、天領病院の園庭の移植される予定」だそうで、「桜の絵と幼木は、そのまま地域の歴史となる」と評されています。〜なるほど、そうですね。忘れないで忘れないでと私達に語り続けます。
(下:2023年11月7日 西日本新聞−丸田みずほ「三井三池炭鉱爆発事故60年 絵に刻む患者支えた桜 美術家・国盛さん 天領病院に展示」より)