大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

Sちゃんは桜だった

2020-01-19 | 日記
キンキンと寒さ冴え渡る長沼山間地。
日曜の朝、蛇口をひねると水が出ない。。。。凍った・・・・
飲料水は別に常備してあるが、簡易水洗の水が無い。
早速夫が川の水を3ヶのポリタンクにポンプで汲み上げる。
今までは、気温が上がれば自然に流れるようになるので、それほど
気にもならなかったが、今年のこの寒さで雪の布団が無いとなると
母屋までの数十メートルのどこかが凍っていなければ良いが・・・
10年前の自分たちド素人の配管工事にそこはかとなく不安がよぎる。
・・・・・・・・・・・・・「あ!でたーーーーー!!!」 pm1:45開通  ほっ・・・・

正月から大豆の選別に明け暮れている。去年の収量は激減状態で毎年持ち込んで選別してもらう
帯広の業者に断られた。少なすぎて機械が回らない、ってことだろう。。。。
「豆無くなるから送って-」と納豆屋さん豆腐屋さんから追い打ちがかかる、せっせ、せっせ、、、、
ぼーっとしてたら春が来てしまう。忙しくなる前に集中してやってしまわなければならない。
と焦っているところに、SちゃんとM君がひょっこりやってきて、うっかり豆選別に手を染めてしまう。
日頃のデスクワークを離れての作業は気分転換になるらしく喜んで通ってくれて有難たや。
「頑張りすぎないで明日も来たくなる程度で止めてね~」と言って帰ってもらうが今日も来てくれた。
これまでも田んぼの作業をなにかと手伝ってもらい彼らとの付き合いも10年以上になる。
何がきっかけで出会ったんだっけ?と豆選りながらお互い遠い目で記憶をたぐり寄せる。
まだボロボロの母屋で、kさんがピアノのコンサートを開いてくれた時だった、と思い出す。
初対面で意気投合したものの、あまりにも個性的なsちゃんとは2度と会わないような気がした。
しかし、そのあと偶然に2度も3度も会うことが重なり、そこで初めて縁を感じ電話番号を交換した。
初対面で『あまりにも個性的』と感じたSちゃんは付き合うほどに、自分との共通性が見えてきて
『自分の常識・人から見れば非常識』の話題で似たもの同士盛り上がる。
Sちゃんは高校で古典を教えている。「なんで古典?」「どこが面白い?」「どんな授業する?」
今までどうしても聞きたかったことをゆっくりと時間を掛けて聞くことが出来た。
大学のゼミの先生との縁、釧路の定時制の生徒たちとの交流で知った多くの気づきと深い学び、
尊敬できる先輩の先生方との縁等々によって彼女の人生が醸成されてきたことを感じる。
そして、試行錯誤しながら自分の授業を丁寧につくることを最優先してきた結果、社会に出た生徒が
「先生に死ぬほど書かされた漢字が今役に立っています。」と、わざわざお礼に来てくれた。
蒔いた種がすこしずつ芽を出し、育ってきているのを感じる、と言った。
いつも幼い少女のような面ばかりが際立っているSちゃんが、しっかり根を張った大人の桜に見えた。
そんなSちゃんと共に暮らすM君は張っていく桜の根を支える土壌なんだな。。。と気付いた。

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