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腰椎椎間板ヘルニアの手術についても掲載しています。

腰椎椎間板ヘルニア 手術について その7 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)

2012-05-31 17:05:10 | 腰椎手術

手術の内容は下記サイトの動画がわかりやすい。
http://www.sekitsui.com/syujyutsu2/tsuitaikankotei/
※脊椎手術ドットコム様のページが開きます。

手術後、コルセットの着用が移植した骨が癒合するまで(3~6ヶ月)必要になる。

【手術による有害事象と発生率】
手術中、神経の圧迫や損傷により、術前にはなかった神経症状が発生する危険性がある。(発生率 4%)
手術後の創感染。(発生率 2%)  感染例の半数以上では再手術。
硬膜管損傷。(発生率 2~3%)
大血管の損傷。(発生率 0.05%、発生した場合の死亡率は60%)
静脈血栓症。(発生率 2%)  肺梗塞(発生率 0.1%)  ※いわゆるエコノミークラス症候群のこと
移植した骨が癒合しそこなう。(発生率 1~2%  骨粗鬆症などが原因)
移植用の骨を右うしろの腸骨からとる事例が多いが、多くの場合は圧痛が残る。

私の場合、移植用の骨は椎体の棘突起を使用したそうだ。



手術の10日後の手術創の様子。傷の長さは8cm。左上にも小さな傷があるが、これはドレイン(体内の手術部位からの出血や漏れ出した体液を排出する管)が挿し込まれていた所。

【追記 2012.6.6】

 

6月6日撮影のレントゲン写真


腰椎椎間板ヘルニア 手術について その6 各種同意書

2012-05-31 16:57:02 | 腰椎手術

入院前から退院まであれこれと書類に記名捺印するものがある。私の場合は下記のとおり。

1.入院誓約書
  「規則に従います。費用を払います。退院時に患者を責任もって引き取ります」という誓約書。患者本人、保証人、身元引受人がそれぞれ記名捺印する。

2.診療・看護に関する説明について
  患者以外の家族や知人に診療や看護について説明を受ける場合の希望者を記入する。患者本人と看護士が記名捺印する。

3.転倒・転落等の防止について
  入院中の環境の変化や運動機能低下により転倒や転落の危険がある旨の説明を受けた、という確認書類。患者本人と看護士が記名する。

4.入院療養計画書
  入院病棟・病室、主治医・担当医、病名、病状、治療計画、検査内容および日程、手術内容および日程、推定される入院期間、栄養管理の必要性、看護計画、リハビリ等の計画、総合的な機能評価について記載されたもの。患者本人、主治医、看護士が記名捺印する。

5.手術同意書
  手術の内容、効果、危険性等の説明を受け、内容に同意したことを証明する書類、患者本人が記名する。

6.輸血同意書
  輸血の内容、効果、危険性等の説明を受け、内容に同意したことを証明する書類、患者本人が記名する。

7.麻酔同意書
  麻酔の内容、効果、危険性等の説明を受け、内容に同意したことを証明する書類、患者本人が記名する。

8.退院療養計画書
  入院病棟・病室、主治医・担当医、予想される退院日、退院後の治療計画、退院後の治療上の留意点、退院後に必要となる保健医療サービスまたは福祉サービス等について記載されたもの。患者本人、主治医、看護士が記名捺印する。


腰椎椎間板ヘルニア 手術について その5 入院後、手術日までに済ませておくこと

2012-05-31 16:53:42 | 腰椎手術

会社勤めの場合、まとまった期間の休暇をとる形となるため、診断書が必要となってくる。入院手続きが終わり、病棟に入ったらすぐに診断書の作成を依頼しておく。出来上がり次第、会社に送付しておく。

手術後はしばらくベッドから動けなくなるので、足りない物などに気付いたら直ちに調達する必要がある。院内に店舗がない場合、近隣のコンビニなどに外出することになる。しかし手術後に病院敷地外に出られるほどに回復するまで少なくとも10日以上かかるため、手術前の限られた期間内に準備を完璧にしておかなければならない。


腰椎椎間板ヘルニア 手術について その4 入院前の準備

2012-05-30 14:16:16 | 腰椎手術

主治医の説明では、手術後約2週間の入院期間が必要とのこと。手術2日前から入院するスケジュールなので、検査入院とは違いそれなりの準備が必要となる。

【病院関係の準備】
1.着替え
  入院時のパジャマは病院が70円/日で貸してくれるとのことだったので、これを利用した。夏場は週3回、それ以外の季節は週2回交換してくれる。
  下着は入院時に着て来たシャツを退院時にも着ることにし、院内が暖かいので(検査入院でわかっていた)パジャマ着用時にはシャツを着なかった。パンツは旅行用の紙パンツを20枚用意した。

2.食器
  コップ、箸、スプーンは自分で準備しておく。私はスプーンを用意せずに入院してしまい、手術後の食事で苦労した。手術後しばらくは座れないため、食事は寝たまま(ベッドを動かして頭をやや起こした状態)でとることとなる。私は箸でつかんだヒジキの煮付けを口に入れる前に顔面にぶちまけ、大変な目にあってしまった。しかも翌朝、背中がチクチクと痛み、何事かと思ったら干からびたヒジキが背中に刺さっていた。

3.印鑑
  「入院療養計画書」「退院療養計画書」などの書類に記名捺印が必要となるため、必須である。

4.靴・靴べら
  院内では体育館シューズのような履物を使用する。手術後、自力で歩行するようになっても、健常時のような動きはできない。このため、かかとまで覆われて底が滑りにくい履物が必要となる。一時期流行したウレタン製のサンダルは滑りやすいので厳禁。
  しばらくは痛みで体を曲げられないので、靴を履きづらくなる。柄の長い靴べらは必須。

5.インターネット環境
  病院にネット接続環境がない場合、ネットなしで生活するか、自力でネット環境を用意する必要がある。自力で用意する場合は、WIMAXやWiFi端末を準備しておく。

6.その他雑貨

  ◎サージカルストッキング(看護士から購入を指示された。手術後、自力歩行するまでの寝たきりの時にエコノミークラス症候群発症防止のために装着する 1,980円 院内のコンビニで購入)
  ◎T字帯(看護士から購入を指示された。いわゆる「ふんどし」。手術後の寝たきり状態のときに着用する)
  ◎タオル(手術前、抜糸後の風呂はシャワーを浴びるのでタオルを4枚くらい準備しておく)

  ◎マジックハンド(長さ60cm。玩具として使えば単なる玩具だが、福祉用具として使えば極めて有用な補助用具となる。痛い思いをしたくなければ準備推奨 1,260円 院内のコンビニで購入)
  ◎ウェットティッシュ(手術後は体を曲げられないので洗顔が困難となる。洗顔や体拭きに有効)
  ◎石鹸・シャンプー・リンス・洗面用具・洗剤(洗濯用)
  ◎ハンガー(3本くらいあると良い)
  ◎携帯電話充電器
 
【自宅関係の準備】
一人暮らしの場合、病院と違い助けがいない。退院後1週間くらいは可能な限り親類縁者に同居してもらうことが望ましい。
退院後、しばらくは重量物を持てない。また、料理の動作が困難になる(腰を曲げられないので、調理台の高さによっては包丁を扱えない)。一人暮らしの人や、自宅で料理を担当する主婦にとっては退院後の食生活が課題となる。
体がどのような状態で退院するのか、必ず主治医に質問すること。

1.冷蔵庫内
  生鮮食品は全て処分しておく。ペットポトル飲料を確保しておく。

2.その他食品
  缶詰類、レトルト食品、電子レンジ食品を数日分確保しておく。

3.新聞
  入院期間は配達を停めておく。

4.寝具
  床に布団を敷いている場合、退院後は上げ下ろしが困難なので、布団を敷いておいてから入院すること。季節の変わり目の場合、退院時期の気候を考慮した布団を敷いておくこと。

5.椅子
  背もたれの付いた椅子(背もたれが動かないもの)は疲れを取るだけでなく、リハビリ運動の補助にもなる。風呂用の背もたれつき椅子も必要に応じて用意しておく。ソファーは立ち上がるときに腰に負担をかけるためダメ。

6.その他雑貨
  ◎マジックハンド(入院時から引き続き役に立つ)
  ◎ウェットティッシュ(洗顔に使える)

【会社関係の準備】
業務引継ぎや取引先へのお知らせを抜かりなく。休暇の取得については各社各様の制度があるはずなので、手続きをとっておく。


腰椎椎間板ヘルニア 手術について その3 病院について

2012-05-30 13:46:47 | 腰椎手術

私が入院したのは東海地方では評判の大学病院で、規模はかなりのものである。
手術室は全部で17室あった。私が手術を受ける時は、私を含めて同時に13室で手術があるとのことで、手術室の待機部屋は患者、各患者の主治医、副担当医、麻酔医、看護士で大賑わいだった。

大学病院であるため、処置や回診に学生が付き添うことがあった。平日は大学付属の看護専門学校の可愛いお嬢さんが見習い実習をしていた。私が手術後の面会謝絶部屋から通常の病室にベッドで移動する時には大学生2名が看護士を手伝い、看護士からベッドの動かし方や気を遣うべき点の指導を受けていた。

院内にはコーヒーショップが2店舗、コンビニが2店舗、パン屋が1店舗、食堂が2店舗、このほか理髪店、簡易郵便局、県立養護学校の分校、銀行ATM2行などが揃っていた。

病棟ではベッド1台にテレビ1台が完備されており、視聴はプリペイドカード(1,000円で約16時間)を使用する。各病棟に洗濯機と乾燥機が設置されており、テレビと同じカードで使用できる。


腰椎椎間板ヘルニア 手術について その2 自己血採血

2012-05-29 23:46:55 | 腰椎手術

私が受けた後方椎体間固定術(PLIF)という手術では、1椎体あたり最大で約300ccの出血があると説明された。このため、事前に輸血用の血液を自己血で400cc確保しておくこととなった。輸血による感染症防止の観点から自己血の使用が一般的である。

回復期間を考慮して手術の2週間前までに実施され、私の場合は手術15日前の4月25日に採血した。
採血は30分程度で終了。採血後はちょっとふらついたが、すぐに回復した。

私の手術では、出血は約80ccで済んだため自己血を輸血する必要はなかったが、手術後に点滴で体に戻された。


腰椎椎間板ヘルニア 手術について その1 ミエログラフィ検査

2012-05-29 23:43:15 | 腰椎手術

4月11日に手術前の検査入院ということで、「ミエログラフィ検査」なるものを実施した。

脊髄や脳は硬膜管の中で体液中に浮かんだ状態で、その構造が保護されている。この硬膜管に造影剤を注射し、レントゲンやCTスキャンで硬膜管の具合を診察することがミエログラフィーという検査である。

ヘルニアなどで硬膜管が圧迫され塞がった状態になると、造影剤がそこで止まってしまうため、患部を特定することができる。また、この検査はMRIと違い、いろいろな姿勢で撮影ができるため、前屈時や後屈時などの患部の状態を詳しく診察できる。

副作用として、造影剤が硬膜管を伝って脳に達すると激しい頭痛や嘔吐を引き起こし、一週間程度苦しむという。この副作用は8人に1人の割合で発生するらしい。このため、検査後なるべく早く1.5リットル程度の水を飲んで造影剤の対外排出を促すと共に、ベッド上で頭を起こした状態で安静が必要となる。トイレ以外に動くことはダメ。下痢などを起こすとトイレへ行くための余計な運動が発生するためなのか、検査当日の0時以降、検査終了(14時頃)まで絶飲絶食だった。

事前の体調管理もあってか、入院は4月10日10時~12日11時の2泊3日であった。

退院前に主治医より検査結果と手術の方法について約30分間の説明があった。
撮影された写真を見ると、腰椎4番と5番の間の椎間板の飛び出しが硬膜管を圧迫して塞いでおり、造影剤の流れがそこで止まっていた。また、前屈時に4番が前に滑る現象も確認された。
この検査結果により手術は後方椎体間固定術(PLIF)て実施することとなった。

退院時は自分ひとりでバスと電車を乗り継いで帰宅した。


腰椎椎間板ヘルニア 手術について 序

2012-05-29 23:38:39 | 腰椎手術

2012年4月10~12日に検査入院(ミエログラフィ)、4月25日に自己血採血、5月8~26日に手術入院を済ませた。
一連の出来事や、今後同様の手術を検討している患者さんへのアドバイスを下記構成でUPしていきます。

その1 ミエログラフィ検査
その2 自己血採血
その3 病院について
その4 入院前の準備
その5 入院後、手術日までに済ませておくこと
その6 各種同意書
その7 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)
その8 全身麻酔
その9 手術前夜から直前まで
その10 手術後24時間、48時間
その11 手術後の痛み
その12 点滴
その13 歩行とリハビリ
その14 入院生活
その15 退院・退院後
その16 費用