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オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

西宮船坂ビエンナーレ2010 旧船坂小学校編

2010-11-21 23:02:41 | 日記
先日(11/6)行った西宮船坂ビエンナーレ2010.


モノ作りもデザインが大切.

強度を維持して不要なところを削ぎ落とし,それにデザインを加える.

そんなモノ作りができればと常に意識はしているものの,悲しいかな芸術的センスが乏しい私.

ちょっと勉強するために行って来ました.




場所は兵庫県西宮市の北部,都会から少し山間に入った住民500人強の小さな集落全体を使って

作品が展示されていました.




廃校になった船坂小学校がビエンナーレ総合案内所.

この校舎は大正時代の建物だそうです.



元はカメラを持つ私の背中側にあったものを現在の場所へ移動させたそうです.


中に入ると部屋中に「生きろ」の文字がいっぱい.

なんとも古そうなオルガン.ちゃんと演奏できるようでコンサートもしていました.







歴史を感じる鍵盤







坂道を少し上がると校舎がある.

廊下にはクルクルと回るモノが.



「GHOST」(Sabine Mohrさん)という作品.

地球上の引力・重力ほど意識されない「遠心力」をテーマにした作品だそうです.


18個のソーラーモーターのそれは陽が出ている間は回り続けている.

回らなくなったモーターを見て

「そりゃブラシも焼けるなあ. ブラシレスモーターじゃないとあかんな」と現実的なことを考えている自分.


・・・反省.





風で形が変わるその姿は,なんか「自由」って気がします.







教室に竹.

何と大胆な・・・


「HIDDEN HISTORIES」(オーレ・ヘンリック・ハーゲンさん)



時計の意味は・・・・.



わかりませんでした.





鉄で作られた船に載せられた水槽.


「水は常に流れたがっている」(端 聡さん)


地球上の物質は固体と液体時では固体の方が比重が重く,同じ物質の液体に固体を入れると

沈むのに,水だけは逆でその理由は分かってない.また水には記憶があるといい,流れることで

新しい記憶が生まれる・・・.



地球上で無くてはならないものなのに解明つくされていない「水」をテーマにした作品で,文化や文明を

広めた乗り物である「船」にロマンを感じて作られたそうです.


水槽の水はポンプで循環されていて,そこには・・・・



人の顔が浮かび上がっていました.


声は聞こえないのですが,その人の「喜びと変化」を語っている映像だそうです.





上方の配したプロジェクターが水面に顔を浮かび上がらせている.



塗装がしていない船,「錆び」は流れる時間を表すためにむき出しの鉄だったのでしょうか.

わざと這わせたような循環ホース.その意味はなんなんでしょうか.

こういったモノに対する考察力が自分には足りない気がします.





白いレンガで作られたような真っ白な部屋.


「Echoing Life」 吉本 直子さん


パネルには
「時の堆積からあらたないのちが芽を出しますように」と



床は土なんです.

真っ白い教室と土・・・・.



ちなみに壁は白いレンガではなくカッターシャツを圧縮したものでした.



作品を鑑賞するよりも,指先でその固さを確かめながら

「どうやって圧縮したのかなあ? 洗濯のりかなあ? 型はタッパーかなあ?・・・なんてつまらない想像を

してしまいました.




最初見たとき,ちょっと気味悪くギョッとしてしまった作品.


「あの子のいた教室」(福永 宙さん)


パネルには
「1年生の時,同じ教室にいたあの子は何を積み上げて大人になったのだろうか」と.



発泡スチロールのチップを積み上げられた気の遠くなるような作品.脱帽です.







二階に上がると,どこかからか子供の歌声が聞こえる.

窓に映る先生と子供のシルエット.


「巣立ちの部屋 - Singing Birds Project 」(古巻和芳 TeN 井上真喜 夜間工房 さん)


先生の指揮に合わせて歌う子供達.

そっとドアを開けてみると・・・・

MVI_2748s.mov


シルエットによる表現だけでなく,その先には真っ白な教室が.



教室の床に敷き詰められた真っ白のじゅうたん.

良く見ると・・・・


                                       写真提供:作者 古巻様

短冊状に切り刻んだ白い紙と羽毛,そして小さな切り絵が敷き詰められていました.



一つ一つ表情の違う切り絵たちを見て,この作品に込められた作者の思いがそこにある気が

私にはしました.




ドアを開けたときにプロジェクターのレンズに蓋がされる仕組みにより,光のノイズが取り除かれ,

見る人が無条件に目の前の情景を受け入れられる.


無音の中,そよ風が吹き込む音が聞こえてきそうな教室.



映像を用いた作品がいくつかありましたが,教室いっぱいの作品に対し細かなことへの作りこみも

なされていて,この作品が一番素晴らしいと思いました.



 追記
  本日「巣立ちの部屋」作者の古巻様から写真,動画の掲載の許可のご連絡をいただきました.
  快諾いただき感謝いたします.ありがとうございました. 




長くなってきたので続きは後編で


公式サイトの公開写真はこちらです.

作者様
すばらしい作品を見ることが出来なかった人たちへ紹介したく,ブログへ載せさせていただきました.
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