高校と特別支援学校の校長会議では、10の点について話したそうです。担当が各課から教育長に話してもらいたいものを集めて挨拶にするんだとか。
そのうち、最後の「終わりに」は奥井が全部書き直してしまったようです。
その「終わりに」の部分だけ、しかも原稿だけをご紹介します。いつものようにアドリブが入っているので、原稿の通りには挨拶していないのは確かです。
「終わりに」で2つお話しします。
1つ目は、教職員の健康管理、特に、メンタルヘルス対策についてです。
教員等新任式で「自分をコントロールする力」と「助けてもらう力」を身につけてほしいというお話をしました。
「自分をコントロールする力」には「愉快に生きる姿勢」や「元気を回復する方法」を身につけることなどがあります。
「愉快に生きる秘訣」として、いつもちょっと無理をする、時々思い切り無理をする、時々すっかり脱力する、というふうにメリハリをつけて生活すること。すごい人と関われるよう努力すること。人のために生きることを目指すことの3つをお話ししました。
また、「元気を回復させる秘訣」として、元気の補給路を3つ以上確保すること。心ではなく体を動かすことで元気を回復する方法。自然から元気をもらう方法の3つをお話ししました。
「助けてもらう力」のほうでは、根底には何としても生き延びよう、解決しようとする生命力が必要で、この生命力の上に、優先順位やものの軽重を判断する力を加えたものが、助けてもらう力であるというお話をしました。
まずは自分でやってみる。その上で、助けてもらっても解決すべき問題か、自力でどこまでやるかを判断し、誰に助けてもらうかを考えます。助けてもらえる関係を築いておくことも必要。助けてもらう力をつけて初めて、人との関係の中に自分の役割を見つけることができる。そんな話を初任者にいたしました。
「自分をコントロールする力」と「助けてもらう力」を身につけることは、健康管理、特に、メンタルヘルス対策に効果があるのではないかと思っています。また、校長先生方にとっても、初任者とはかなり次元は異なりますが、「自分をコントロールする力」と「助けてもらう力」を高めることが心身の健康管理に役立つのではないかと思います。
「終わりに」の2つ目は、激変する時代だからこそ、本質や大事なことを見据えてくださいというお話しです。
新任の管理職の方々に「『分業』から『協働』へ」というお話をしました。分業が効率的に見えたのは人口増の時代ゆえのことです。人口減の時代には協働のほうが効率的になります。この価値観の逆転に気づかない自治体や学校が消えていくのだと思います。
そうした時代の本質を見据えてください。その上で、何を大事にするかを考えてください。
その際、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー別冊「人材の未来、教育の未来」がとても参考になると思います。
激変の時代には、課題や新しいことばかりが目につきますが、まずは、自校のよさを確認することが大切です。よさを確認しておかないと、足を踏ん張る土台がないので、改革する力を発揮できません。日本の教育は、課題はありますが、世界の中でトップクラスです。その誇りを持ち、自校のよさという大事にすべきことを大事にしながら、明るく元気に、改善したいことや改革したいことを断固としてやり遂げてください。
日本の教育のよさを知るということでは、千々布敏弥氏の「日本の教師再生戦略」や「プロフェッショナル・ラーニング・コミュニティ」が参考になると思います。
では、今年度も、私たち管理職から率先して明るく元気よくやっていくことにしましょう。学校をよろしくお願いいたします。