気象庁は12日午前、東京地方に「木枯らし1号」が吹いたと発表しました。春の到来を告げる「春一番」に対して、冬の到来を告げるのが「木枯らし1号」。
木枯らしとは、晩秋から初冬にかけて吹く北よりの(やや)強い風。ただし、木枯らしには下記のような具体的な条件があって、それらをクリアしなければなりません。
<木枯らしの条件>
時期:10月半ば頃から11月末日までの間 ⇒11月12日 クリア
気圧配置:西高東低の冬型気圧配置 ⇒上図と合致 クリア
風向:西北西~北 ⇒下図と合致 クリア
風速:最大風速8メートル以上 ⇒下図と合致 クリア
そして、シーズンで最初に吹いた木枯らしを「木枯らし1号」と名づけています。
この木枯らし1号、実は全国的なものではなく、東京と近畿地方しか発表されていません。なんでだろ~う??
2006年11月12日10時の関東地方・風分布図。東京・大手町では、北北西の風10m/sを観測。
寒気の影響で、上越国境付近にあたる三国峠では今季初の積雪
。写真は、2006年11月12日14時30分頃の三国トンネル群馬県側の状況。(みなかみ町永井 標高:1080m) ※国土交通省高崎河川国道事務所HPより引用。
2006年11月12日22時59分頃の長野県信濃町野尻赤川付近の状況。道路に積雪はありませんが、法面部分にうっすら雪が見えます。 ※国土交通省長野国道事務所HPより引用。
また、札幌、函館、青森、盛岡など北日本各地や、軽井沢、松本などでも初雪
を観測。
ただ、木枯らしが吹いたからといって、いきなり冬に突入するわけではありません。11月は、木枯らし、小春日和を繰り返しながら冬に向かっていきます。実際13日は、本州付近は移動性の高気圧に覆われるため、関東から西では日中は穏やかに晴れて小春日和が期待できるでしょう
<参考資料>
500hPa高層実況天気図(2006年11月12日9時)
850hPa高層実況天気図(2006年11月12日9時)
※地上天気図、風分布図は、気象庁HPより引用。