今年に入り、クラクラするほどの細かい文字に難儀しながら読み始めたドキュメンタリー全集。
その第一巻に納められた「シベリアの密林を行く」の目次に目が止まった・・・あれっ?!
デルスウ・ウザーラ・・・、どんどん記憶が遡り、たぶん盛岡にいた頃かなあ。
あの黒沢明監督が舞台となるソ連に乗り込み、現地スタッフだけで映画を撮るんだって・・・
映画には疎かったので、ソ連で撮った意味不明の題名の作品程度の情報に止まっていた。
北海道にミグ戦闘機で亡命を図ったソ連パイロットが現れたり、ソ連には過敏だったのかな。
広大なシベリアの針葉樹林帯が作品の舞台かと思ったら、極東地域の狭い?エリアの話。
1900年代初頭、地理的空白地帯の一番乗りに世界の探検家が色めき立っていた時代。
サンクトペテルブルク生まれの探検家が現地で偶然出会ったのが、デルスウ・ウザーラ。
彼は自然環境の過酷な極東シベリアのあらゆる生き物や自然現象に対し、二人称で呼びかける。
探検家はそれを「アミニズム」と表したけど、ボクの初めて知る言葉・・・ためになる~~
別れの時、「デルスウ、行くな!」という探検家にデルスウ・ウザーラは吐息をついて言う。
「町はおそろしいし、そこで私のすることがなんにもない」
ボクなりに例えれば、彼は究極の「マタギ」なのかなあとも思う(異論もございましょう)
全集の第一巻は、タクラマカン砂漠、ナイル川源流地帯、極東シベリアの密林地帯が舞台。
映像でさえ観たことがない桁違いの自然を活字だけでイメージすることは、ボクには無理!!
近くの砂丘とか中山間地の里山の景色に毛の生えた程度のイメージしか浮かんでこない。
驚きとともに嬉しかったのは、オオバンについての記述に出会ったこと。
ひどく不器用な黒い水くぐり鳥だってさ・・・その通りだよな、キミって。
でも探検家は、キミの故郷の広大な沼沢地の夕焼けの景色にとても感動していたよ。
昨日までここにいたハクチョウやカモたちがその夕焼けの空を舞う景色は、ボクにも見えた。