除夜の鐘

2009-12-30 21:33:52 | 社会
さて、現代社会において、
本当に「沈黙する時」、単に静寂さを得るだけでなく、
人が意識的に沈黙を守る時間と空間はあるのか?

果たして、クラシック音楽には「keep silence」という
概念があって、聴衆が皆心一つに演奏家に静粛に対峙する
場面がある。

一番は、音楽が奏じられる直前の瞬間である。第一音が
放たれる直近に、まさに「keep silence」が生まれる。
逆説的ではあるが、良い演奏家は、この「keep silence」の
状態を作るのが上手い・・・

ギタリストの大萩康司氏は、そんな類稀なる演奏家の一人だと
思う、彼が演奏する場所、専用ホールは無論、体育館でも練習室でも
会議場、ライブハウスみたいな外部の騒音が多いところでも、
見事に静寂な空間(一種の錯覚なのであるが)を作り出し、
さらにその緊張感を聴衆にストレスを与えないように演奏まで
引っ張っていく・・
彼は16歳のときにもうそれができていた^/^天才である。

そもそも、除夜の鐘というものは百八の鐘の音と、その間の余韻と
無音の状態を「心しずかに」堪能し精神を清浄するものではないのだろうか・・
すくなくとも「禅」においてはそうである。

しかし、「除夜の鐘が始まるころに送信しないとメールが、
混雑するから~」とやたら全国的にカチャカチャ騒々しいのが
この東洋の島国の現実である。

この「keep silence」を味わうために、わざわざ西洋音楽の演奏会に
赴くのも皮肉なことである・・・
しかし、子供達の足音にそれが破壊されることもしばしばである。
したがって、この国のクラシックコンサートは幼児・児童は「お断り」
ものが多い、一方では子供に文化を享受させねばといいながら一方では
煩いからと実に安易に排斥するのである。大いなる矛盾・・・

原因は、明確である現代日本の大人が「keep silence」できなく
なってしまっているからなのだ。






ドップラー効果

2009-12-30 20:48:15 | アート
ドップラー効果というと、
救急車などが近づいてくるときサイレンの音が高くなり、
遠ざかるときに音が低くなる音のドップラー効果が分かりやすい。

光にもドップラー効果は機能し、地球から遠ざかる星は赤色に偏移する
因みに、現在も宇宙は膨張し続けているので近づく恒星は無いと言える。
例えば、光の速度以上で走れたら眼前に見えるのは自分の後姿である。

しかし、音と光のドップラー効果は根本的に違うところがある。
それは媒質の有無である。 音は、勿論空気の振動(波動)であるから、
媒質に対する動きでもってその性質が決まる。

媒質に対して100km/hで走っているパトカーのサイレン音を聞いている場合と、
止まっているパトカーから100km/hで逃走している車の中で聞くサイレン音は、
相対的に同じではない。

ところが、光の場合はどちらでも同じことで、媒質がない以上は、
発光源と観測者は相対的である。

で、何が言いたいのかというと、今朝方見た夢の中で、「時間」には
ドップラー効果は機能するのか?という疑問である。

音と光の共通項は「速度」を持っているということであるから、「時間」
にも「速度がある」と証明できればドップラー効果があると言えるはずで
ある。

何故、そんな17歳のような疑問を持つのかというと、身体及び精神共に
絶好調なとき、ボクは周囲が止まって見えるのである。そこまでなくても
少なくともかなりスローテンポに見えてしまってイライラするのである。

野球のバッターが好調なときに、ピッチャーの投げたボールが止まって
見えるというのは、あながち嘘ではないと感じる・・
周囲の人間の歩く速度や話す速度(例えばテレビのアナウンサー)などなど、
何を悠長なことをやってるんだ!!といった具合である。

当然、そんなときは周囲の誰かを傷つけていることが多いのも事実なのである。
「あんだが1年かかる仕事なんて俺は10分でできる」とか平気で言ってのけ
る自分が怖くなるときがある。

で、「時間」にはドップラー効果は機能するのかどうかどなたかご教授
頂きたいのである。自分が謙虚さを取り戻すツールにしたいのである。

しかし、「伊勢海老」といい、「鯉こく」といい、
業務用の「早川みそ」はマジ美味しいと痛感した一杯の味噌汁であった(^^)v