最近、大手企業が「兼業」または「副業」を解禁する動きが出始めました。
以前から、リクルートやYahoo などは「兼業」は認められていましたが、「みずほ」グループでも、一定の条件の下「兼業」が可能となるとのこと。
これからの社会、「兼業解禁」の流れが加速してくると思われます。
今朝は、「副業・兼業」の社会的意味について考えてみたいと思います。
主たる職場で、定められた時間に仕事をするのが『主業』!
帰属している組織の仕事に関係無い事は「サボタージュ」とみなされ、ひたすらPCに向かいながら長時間「作業」仕事に専心することが、評価者たる上司から「頑張っている」と「評価」される組織社会。
「価値創造」に向けた「考える」時間は、ボォっとしているように見られ、「サボるな!」と圧をかけられる組織風土。
日本社会では、まだまだこうした組織がたくさんあります。
管理職や経営職の方々、そして人事部の意識は、自社の社員を「時間労働者」と見做し、就業時間内の行動は、休憩時間を除き「仕事時間」として『拘束』したがる傾向があります。
裁量労働制を取り入れているところでも「時間」基準!
一つの組織に属し、就業時間内の労働で生み出せる「価値」とはどのようなものでしよう。
企業の「価値創造」の源泉は「社員」ですから、「社員」の創造的能力を引き上げ、作業価値やイノベーションを誘発させるには、内集団(我が社)の中で、時間に拘束された環境では限界があります。
組織社会では、社員に研修プログラムを受けさせたり、自社内でOJTローテーションを通して社員の育成を図りますが、あくまで自社の「器」内での事です。
世間は広く、社会価値観も多様ですが、自社内での仕事人生を送り続けていると、知らず識らずのうちに「井の中の蛙大海を知らず」的な状態になりかねません。
大企業で終身雇用制度の下、定年まで勤め上げた方は、良きにつけ悪しきにつけ、帰属している組織の『組織色』に染まりますから、定年後、人生100年時代を生き抜いてゆくには、60歳を過ぎてからだと、多様で複雑な社会の風味に馴染む事が厳しい現実が待ち受けています。
私は『副業』『兼業』の意味とは、人間100年人生を生き切ってゆくのに不可欠な「ライフシフト社会システム」の一つだと思っています。
主業を持ちつつ「副業」を持ったり、「兼業」の機会を経験することで、働く人にとって、社会の価値観の多様性を体感できることができます。
結果、人間力をが高まり、生きる強さを体得できます。
そして、自分が属する組織社会の色合いや、ワークスタイルへの疑問とバイアス度合いが客観的に認知できるようになります。
何よりも、他の社会や組織に身を浸す事が、発想力や創造力、そして人脈力・ネットワーク力とコーディネート力を高めるきっかけにもなり、主業仕事の生産性を高めることに繋がります。
組織側から見ると「副業・兼業」に関しては、ネガティブ要素はいくらでも挙げられますが、よりポジティブなものを見据えた取組が必要な時代になっています。
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