カカポの庭

本を読んだり、お茶を飲んだり。

「ヒットラーのむすめ」

2005年10月20日 | 
「ヒットラーのむすめ」
作:ジャッキー・フレンチ
訳:さくまゆみこ

~雨がふりつづいていたある日、スクールバスを待つ間に、オーストラリアの少女アンナがはじめた「お話ゲーム」は、「ヒットラーのむすめ」の話だった…。
もし自分がヒットラーの子どもだったら、戦争を止められたのだろうか?もしいま、だれかがヒットラーと同じようなことをしようとしていたら、しかもそれがぼくの父さんだったら、ぼくはどうするべきなのだろうか。~

私は戦争がテーマになっている作品はほとんど読まない。
怖いとか悲しいとかそういう意味ではなくて、どうしても本を手に取ることができない。
それは小学校の時からずっとそうだった。
友達が「はだしのゲン」を競って読んでいるのを見て、なぜあのマンガを読みたいのか、全くわからなかった。
どんな内容かは知っていたので、もしも読むのならもっと、何というか真面目に読んで考えなければならないのではないか、と子供ながらに思っていた。

この本はなぜかふと手に取ってしまった。。
ページをパラパラめくって、不思議と読み始め最後まで一気に読んでしまった。
物語のトーンは言うまでもなく暗く悲しい。
それでも、なぜか小さな明るさが遠くに見えている。
起こってしまったことは決して消えない、心の傷も消えない。
それでも、今の時代になった。
昔を考える現代の子供達(物語に出てくる子供達)は未来、希望。
子供達が考えてくれることで、私はちょっと救われる。