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離婚を待つ複雑な事情?

2005-05-01 16:28:48 | Weblog
 地方紙の話題(河北新報)ですが、
 平成に入りほぼ右肩上がりで増えてきた仙台市の離婚件数が、2003年に減少に転じたとのこと。これまで妻側の意思によって増えてきた「熟年離婚」の減少が目立つそうです。
 
 原因について専門家は「雇用情勢が厳しく、中高年女性の一人暮らしが難しくなった」「2年後の年金分割法施行を待っている」などの事情を指摘しています。

 うーん、離婚待ちの状態ですか。
 しかし、厚生年金は、分割してやっていけるほどに多くないんですけどねえ。
 大まか平均的なサラリーマンだと、国民年金80万、厚生年金100万、妻の国民年金が80万円。夫婦でなら合計の260万円=月額22万弱なので、離婚しない場合は、特別な出費の時お金を下すだけでなんとかやっていけます。

 で、夫が死亡したら妻は厚生年金75万円+国民年金80万年の155万円(月額13万円)で妻単独でやっていくということになります。これに振替加算というおまけが少しつきます。

 この仮定のご夫婦(妻は専業主婦、結婚期間が30年)がもし離婚したとしましょう。
 100万円の厚生年金が40年働いた結果だとすると、分割対象となるのは75万円(30年/40年)その半分だから妻の厚生年金は年額37.5万円ですね。

 妻は、国民年金80万円+厚生年金37.5万円の合計=117.5万円(月10万円弱)で一生を考えろということです。

 年金分割をしてもらえるもらえないではずいぶんと貰う額が違いますから、離婚をしばらく待つという気持ちもわかりますが、それより前に離婚リスクのある専業主婦は、公的年金とは別に老後対策を考えないと、最近の厚生年金の支給率の低下=もう昭和21年生まれからは率はさがりませんが、肝心の年金の元ベースとなる給与が下がっている)というような条件を考えると、不安が出てきます。