明日の「ものみの塔」研究記事では、ヤコブの息子ヨセフの試練から学ぶことができます。ヨセフが異母兄弟たちに投げ込まれた「坑」とは、自然の窪地ではなく、人工的な井戸の穴のようです。
シェケムから移動してきたドタンで兄たちを見つけたということであれば、多分このような所ではなかったでしょうか。
この写真は、テル・ドタンの南斜面の坑です。別の資料によれば、もっと平地に掘られた普通の井戸を「ヨセフの井戸」とクレジットしていました。いずれにしても、こうしたドタンのテルの周辺のなだらかな谷間の草原で、ヤコブの息子たちは羊を飼っていたのでしょうね。
過去のものみの塔の資料では、ヨセフの際立った辛抱強さを、見倣うべき模範として読者に注意を喚起していました。今回も同様です。辛い試練を耐えた人物は数多く記録されていますが、ヨセフ程の不当な扱いを受けた人はそうは思い浮かびません。
それもそのはずで、ヨセフはキリストの試練を予型的に示していたのですから。なぜ、ヨセフが忍耐できたのでしょうか。今回分析してみたのは、ここに至る経過とヨセフの置かれていた状況です。
(1)ヨセフの誕生
レアがルベン、シメオン、レビ、ユダを産む。ラケルの奴隷女ビルハが、ダン、ナフタリを産む。レアの奴隷女ジルパが、ガド、アシェルを産む。レアがイッサカル、ゼブルンを産む。レアが娘ディナを産む。ラケルがヨセフを産む。ヤコブ晩年の子ゆえ、ヨセフは寵愛される。
(2)ディナ事件
シェケムで、ディナ事件が起こり、シメオンとレビを始めとするディナの兄たちが虐殺・強奪を働く。ベテルに移動。
(3)ベニヤミンの誕生とラケルの死
ベテルからベツレヘムへの移動中に、ラケルはベニヤミンを産み、死ぬ。
(4)ルベン事件
レアの長子ルベンは、ヤコブのそばめビルハと寝て父の寝床を汚す。
(5)ヨセフ十七歳
父ヤコブはヨセフの敬虔な特質ゆえにもヨセフを寵愛し、長男に与えられるしま柄の長い衣をヨセフに与える。異母兄たちは妬む。
(6)ヨセフの夢
ヨセフは、父・母・兄弟たちが自分に仕える夢を見たことを報告して、一層異母兄弟たちに妬まれる。
(7)ドタン事件
ヨセフは父の指示で、ヘブロンからドタンにいる兄たちに遣わされる。そこで、エジプトに奴隷として売られる。
(8)ヨセフの成功
ヨセフはファラオの護衛の長ポテパルの家で、勤勉・有能ゆえ家の監督者とされる祝福を受ける。
(9)ポテパルの妻事件
誘惑を退けた故に、獄屋に。
以上の状況からすれば、ドタンで兄たちに捕まってエジプトに売られた時点では、ヨセフは父ヤコブから実質的な長子扱いされており、事実、異母兄弟たちの悪い性向はそれを裏付けていましたから、アブラハム契約の相続人として既に自覚していたことでしょう。(後に、ヤコブの臨終の預言ではっきりとしました。)
しかも、ヨセフが見た二つの夢は、聡明なヨセフにエホバからの特別の何かがあることを確信させたに違いありません。それが証拠に、エジプトに売られても、すぐに祝福されて苦々しい恨みを抱く暇もない日々となりました。
ポテパルの妻による冤罪も、少し時間が経過しましたが、やはりエホバからの祝福でファラオの夢の解き明かしという特権に与り、ファラオに次ぐ支配者に任命されるという夢のようなことが起きました。
この時点で、ヨセフの予感はまさに劇的に現実となりました。もう、何もうらむことはなくなりました。まぎれもないエホバからの祝福であることが明らかになったのです。
イエス・キリストの場合もそうですが、極限の苦難という試練にぎりぎりで耐えられるのは、やはり単なる辛抱・忍耐ではなく、その先に見えているとてつもない報いがあるという希望が支えとなっていたということでした。
それと、ヨセフは、自分の父祖たちのこともよく観察し、黙想していたことは明らかです。直接の父親のヤコブも、エサウに憎まれて20年間の苦難を余儀なくされました。それでも、父がエホバにどのように導かれ祝福されたかの結末を見ていたわけですから、自分も同じような試練を予期しそれに備えていたに違いありません。
祖父たちのアブラハムも然り、イサクもリベカと結婚して20年間子供ができませんでしたから、やはり試されました。しかもエサウのカナン人の妻に苦しめられました。敬虔な信仰の人が経なければならない忍耐の過程をヨセフは知っていたのでした。
シェケムから移動してきたドタンで兄たちを見つけたということであれば、多分このような所ではなかったでしょうか。
この写真は、テル・ドタンの南斜面の坑です。別の資料によれば、もっと平地に掘られた普通の井戸を「ヨセフの井戸」とクレジットしていました。いずれにしても、こうしたドタンのテルの周辺のなだらかな谷間の草原で、ヤコブの息子たちは羊を飼っていたのでしょうね。
過去のものみの塔の資料では、ヨセフの際立った辛抱強さを、見倣うべき模範として読者に注意を喚起していました。今回も同様です。辛い試練を耐えた人物は数多く記録されていますが、ヨセフ程の不当な扱いを受けた人はそうは思い浮かびません。
それもそのはずで、ヨセフはキリストの試練を予型的に示していたのですから。なぜ、ヨセフが忍耐できたのでしょうか。今回分析してみたのは、ここに至る経過とヨセフの置かれていた状況です。
(1)ヨセフの誕生
レアがルベン、シメオン、レビ、ユダを産む。ラケルの奴隷女ビルハが、ダン、ナフタリを産む。レアの奴隷女ジルパが、ガド、アシェルを産む。レアがイッサカル、ゼブルンを産む。レアが娘ディナを産む。ラケルがヨセフを産む。ヤコブ晩年の子ゆえ、ヨセフは寵愛される。
(2)ディナ事件
シェケムで、ディナ事件が起こり、シメオンとレビを始めとするディナの兄たちが虐殺・強奪を働く。ベテルに移動。
(3)ベニヤミンの誕生とラケルの死
ベテルからベツレヘムへの移動中に、ラケルはベニヤミンを産み、死ぬ。
(4)ルベン事件
レアの長子ルベンは、ヤコブのそばめビルハと寝て父の寝床を汚す。
(5)ヨセフ十七歳
父ヤコブはヨセフの敬虔な特質ゆえにもヨセフを寵愛し、長男に与えられるしま柄の長い衣をヨセフに与える。異母兄たちは妬む。
(6)ヨセフの夢
ヨセフは、父・母・兄弟たちが自分に仕える夢を見たことを報告して、一層異母兄弟たちに妬まれる。
(7)ドタン事件
ヨセフは父の指示で、ヘブロンからドタンにいる兄たちに遣わされる。そこで、エジプトに奴隷として売られる。
(8)ヨセフの成功
ヨセフはファラオの護衛の長ポテパルの家で、勤勉・有能ゆえ家の監督者とされる祝福を受ける。
(9)ポテパルの妻事件
誘惑を退けた故に、獄屋に。
以上の状況からすれば、ドタンで兄たちに捕まってエジプトに売られた時点では、ヨセフは父ヤコブから実質的な長子扱いされており、事実、異母兄弟たちの悪い性向はそれを裏付けていましたから、アブラハム契約の相続人として既に自覚していたことでしょう。(後に、ヤコブの臨終の預言ではっきりとしました。)
しかも、ヨセフが見た二つの夢は、聡明なヨセフにエホバからの特別の何かがあることを確信させたに違いありません。それが証拠に、エジプトに売られても、すぐに祝福されて苦々しい恨みを抱く暇もない日々となりました。
ポテパルの妻による冤罪も、少し時間が経過しましたが、やはりエホバからの祝福でファラオの夢の解き明かしという特権に与り、ファラオに次ぐ支配者に任命されるという夢のようなことが起きました。
この時点で、ヨセフの予感はまさに劇的に現実となりました。もう、何もうらむことはなくなりました。まぎれもないエホバからの祝福であることが明らかになったのです。
イエス・キリストの場合もそうですが、極限の苦難という試練にぎりぎりで耐えられるのは、やはり単なる辛抱・忍耐ではなく、その先に見えているとてつもない報いがあるという希望が支えとなっていたということでした。
それと、ヨセフは、自分の父祖たちのこともよく観察し、黙想していたことは明らかです。直接の父親のヤコブも、エサウに憎まれて20年間の苦難を余儀なくされました。それでも、父がエホバにどのように導かれ祝福されたかの結末を見ていたわけですから、自分も同じような試練を予期しそれに備えていたに違いありません。
祖父たちのアブラハムも然り、イサクもリベカと結婚して20年間子供ができませんでしたから、やはり試されました。しかもエサウのカナン人の妻に苦しめられました。敬虔な信仰の人が経なければならない忍耐の過程をヨセフは知っていたのでした。