"ほっとする優しい言葉に癒された車内の出来事"

少し前のことだが、楽器ケース(中はSAX)を持って
都心からの帰宅途中の出来事だが・・・

ちょうど7人掛けシートの席が一つ空いており、そこに
習い事で始めたSAXの楽器ケースを足の前に置く形で
座った時のことである。

ケースの長さは1m程度はあるので、どうしても両側に
座っている人の方に少し出てしまう。

座った時は気づかなかったのだが、左隣に中年のご婦人
が座っていたようだった。

いくつかの駅を過ぎてから止まった駅で左側のご婦人が
降りる用意をされ、立ち上がろうとしたので、楽器ケース
を右に少しずらそうとしたら、そのご婦人が優しそうな
言葉でこう言ったのである。

「大丈夫ですよ・・・」と言って楽器ケースを少し避け
る形で立ち上がった。

それも、さりげなく私の左膝に軽く触れる感じで言った
のである。

その時に私の心に湧いた感動に近いものは何だったのだ
ろう。

ほっとする気持ち、癒される気持ち、何とも言えない
心地良さを感じたのである。

そのご婦人は少しうつむき加減でこちらをしっかり見る
ことなく、さりげなく下車して行かれたが、きっと品の
良いお顔をされたご婦人だったことだろうと後で想像す
るのである。

とかく、朝の通勤電車などでは肩がぶつかったくらいで
睨みつけたり、靴がぶつかった程度の蹴り返したりする
輩がいる中でその日の出来事は心温まる出来事であった。

どちらのご婦人が判りませんが、ありがとう。