環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

東京大気汚染訴訟和解条項を読む ①医療費助成制度の創設

2007-08-11 05:38:41 | 大気汚染
2007年8月11日 
 東京大気汚染訴訟は、平成19年8月8日、東京高裁及び東京地裁において、原告と被告(国、東京都、首都高速道路公団、自動車メーカー7社)が和解に合意し、提訴以来11年の年月を経て、決着をみることとなりました。環境法令ウオッチングでは、本日から数回にわたり、和解条項についてみていきます。

1.医療費助成制度の創設
 今回の和解成立に向けて大きな役割を果たしたのが、東京都が提唱した医療費助成制度の創設案でした。この東京都が提唱した新たな医療費助成制度の導入をめぐっては、自動車メーカー7社が議論の場につくと表明したのに対し、国はぜんそくと大気汚染との疫学的因果関係が証明できないとして異論を唱えましたが、安倍首相の政治判断により、一気に解決へ向けて舵が切られました。
 医療費助成制度の創設に関する和解条項では、下記の①~④が合意されました。
① 都は、都内の気管支ぜんそく患者で、非喫煙者など一定の要件を満たす者を対象として、保険診療に係る自己負担分相当額を助成する制度を創設する。都は、創設後5年を経過した時点で検証の上、制度の見直しを実施する。
② メーカー7社は都に33億円を拠出する。
③ 国は、都が制度を創設するに当たり、独立行政法人環境再生保全機構に指示して、公害健康被害予防基金から公害健康被害補償法に定める予防事業の実施に充てるために、都へ60億円を拠出する。
④ 首都高は、都に5億円拠出する。都は引き続き首都高に負担を求め、首都高は今後とも関係各位の理解が得られるよう努めていく。
他の項目に比べると、確定した事項が多いのですが、本制度が5年後に再検証されること、及び首都高の拠出金をめぐり、東京都の主張が明記されなかったことが、今後の課題となりそうです。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
平成20年度環境保全経費の見積りの方針の調整の基本方針について
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(案)等に対する意見の募集(パブリックコメント)について
尾瀬国立公園の指定日について
平成19年度国指定鳥獣保護区特別保護地区の指定(再指定)に関する意見の募集(パブリックコメント)について(十和田特別保護地区ほか4件)
中央環境審議会総合政策部会第4回環境基本計画点検小委員会の開催について
環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令の一部を改正する省令案についての意見の募集(パブリックコメント)について
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に対する意見の募集(パブリックコメント)について
中央環境審議会循環型社会計画部会(第36回)の開催について
平成19年度「国連持続可能な開発のための教育の10年促進事業」の採択及び「国連持続可能な開発のための教育の10年」ウェブサイトの開設について
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルWG 合同会合(第12回、第13回)の開催について
環境省独立行政法人評価委員会第15回国立環境研究所部会の開催について
環境省独立行政法人評価委員会第13回環境再生保全機構部会及び第22回環境省独立行政法人評価委員会の開催について

経済産業省
CDMプロジェクト政府承認審査結果について(申請者:丸紅株式会社、三菱商事株式会社、日本カーボンファイナンス株式会社)

国土交通省
主要建設資材月別需要予測(平成19年9月分)
平成18年度政策チェックアップ結果の公表について

資源エネルギー庁
平成19年6月分のレアメタル生産動態統計、非鉄金属等需給統計、我が国の主要非鉄金属の国別・形態別輸入状況
国際資源開発人材育成検討会の中間とりまとめ

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「7月30日から8月5日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.8.4
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「7月30日から8月5日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.8.4