環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

平成19年「日本の水資源」を読む ①地球温暖化と日本の水資源

2007-08-06 07:13:39 | 水質汚濁
2007年8月6日 
 国土交通省では、昭和58年以降、毎年8月1日の水の日及びこの日を初日とする 「水の週間」に合わせて「日本の水資源」を公表しています。「日本の水資源」の内容は、日本の水需給や水資源開発の現況、今後早急に対応すべき水資源に関する課題等を総合的にとりまとめたもので、水資源に係る特定の課題を取り上げる第Ⅰ、Ⅱ編、毎年の水資源の状況等についてその時点での最新の修正を行った第Ⅲ編により構成されています。
 平成19年「日本の水資源」では、特に地球温暖化問題との関係について、次のように深く言及されています。

 『新たに憂慮されているのは、19世紀半ばの産業革命以降、大量の化石燃料が消費されて二酸化炭素が大量に大気中に放出されたこと等に伴う人間活動に起因する急激な気候変動、いわゆる地球温暖化現象です。今年、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次評価報告書第1~3作業部会報告書が承認され、気候変動による水資源への影響が指摘されています。
 気候変動が水資源に直接及ぼす影響は多岐にわたります。気温が上昇すると、先ず蒸発、降雨といった地球上の水の大循環に直接影響を与えますので降水量ひいては河川流量そのものが変動します。また、地域によっては、降雪量が減少し、早期の雪解けにより融雪出水が早まります。これらによって、ダム等の水資源開発施設の貯留量への影響が予想されます。
 一方、気温の上昇に伴い、田植えの時期が変化して最も水が必要となる代かき期がずれるなど期別の需要量の変化といったことも予想されます。
 水温も上昇するので生態系の変化や水質の悪化も懸念されます。今年は、琵琶湖北湖で湖に酸素を供給する表層と深層が混合する全循環が例年より遅く確認されましたが、全循環の停止が危惧され、気候変動の影響があるのではないかと指摘されております。このように、気候変動による渇水のリスクや水質に関わるリスクが高まる恐れがあります。』

 水資源は、国民の生命・健康及び経済活動の基礎となる最も重要な国土資源のひとつであり、いわば、国民生活の安全保障の視点から、顕在化する恐れのある3つのリスク、渇水リスク・震災時=事故時のリスク・水質に関わるリスク、に対し、全ての国民が安全で安心な水の恵みを享受できる対応を予め整えておくことが重要な課題であるといえます。
 平成19年「日本の水資源」では、『この課題への対応にあたっては,これまでの水資源開発による量的な充足の優先から,限られた水資源を有効に利用する「総合的なマネジメント」へと転換することが求められている。』として、事例をまじえつつ詳細な記述がなされています。
 環境法令ウオッチングでは、明日から数回に渡り、平成19年「日本の水資源」を、渇水リスク・震災時=事故時のリスク・水質に関わるリスクの3つの視点から読み込んでいきます。

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